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2017年12月10日 (日)

リニア新幹線の未来

 入札不正疑惑でお騒がせ中のリニア中央新幹線ですが,最近リニアについて調べる機会があった関係で,色々と考えてみました。

 現在JR東海が建設しているリニア新幹線は「超電導リニア」と呼ばれており,回転運動を伴わずに直線運動で進むというのが「リニア」の語源で(今となっては和製英語),磁気の反発力により地上から浮上し,しかも超電導(電気抵抗なし)状態を維持することにより強力な電磁石が維持できるということらしい。

 このリニア新幹線の研究が開始されたのは国鉄時代の1962年で,今から55年も昔。かつては国鉄とともに日本航空(JAL)もリニアの研究を進めていました。レールが無く浮かんで走行するので,これは鉄道ではなく航空機だという解釈だったんでしょうか。ただし,JALの開発に関しては,JR東海が公表しているリニアの歴史からは完全に抹殺されているようです。

 かつての大阪万博(1970年)で,JALがリニアの試乗車を走らせていたという記憶があったんですが,ネットをいくら検索しても見当たらない。どうやら記憶違いで,大阪万博では「動く模型」が展示されていただけらしい。そして,実際にJALが試乗車を走らせていたのは,1985年のつくば科学万博の時だったみたいです。

 ということで,このつくば科学万博のリニアの貴重な動画が見つかりました↓

https://www.youtube.com/watch?v=4pnVN0XaEZ8

 一般乗客が家庭用ビデオで撮影した動画のようです。CAのアナウンスによると,JALの研究は昭和49年(1974年)から開発を開始したらしいので,国鉄版よりは後発。科学博では片道350mを30km/hで走るという小規模なものだったようです。CAのアナウンス「高度1cmの旅へご案内します」や「浮いたのがおわかりになりましたでしょうか?」には笑えます(浮いたかは「わからない」という乗客の笑う声)。

 その後JALはリニアから撤退し,JR東海によって品川~名古屋間が2027年に営業運転開始,2045年以降に大阪まで延伸予定という運びになりましたが,もしJALが運営することになっていたらどういうルートになったのか興味深いです。たとえば羽田~伊丹 とか?

 リニア開業後に在来線や新幹線との関係性がどうなるのかも興味深いところ。リニア中央新幹線の停車駅は品川・相模原・甲府・飯田・中津川・名古屋の6カ所と発表されています。ルート的には中央本線と競合しますが,中央本線は東半分がJR東日本で西半分がJR東海の管轄。なので,東京~甲府間はJR東海リニアとJR東日本在来線の熾烈な乗客獲得競争になるんだろうなと想像します。現在,在来中央本線で新宿から甲府までの所要時間は約1時間半。出発地が新宿の場合は,品川までの所要時間と乗り換え時間を考えると,在来線で行ってもリニアで行っても所要時間には大差ないかも知れませんね。

 さて,レールも架線もなく地上の施設とは非接触で走行するリニアが,どうやって照明や空調用の電力を車内に供給するのかは不思議ですが,たとえばこの記事に解説されています↓

https://www.nikkei.com/article/DGXNASFD22002_S1A920C1L91000/

 「誘導集電」という技術で,走行中に外部と非接触で車内への電力供給が可能になる技術だそうです。もっとも,停車中の電力供給をどうするのかは疑問。航空機と同様に,停車中は地上から電力供給するんでしょうか。停車駅ではそれが可能だとしても,駅間で非常停止したような場合にはどうするのか などなど,色々と疑問があります。結局発電機や大量のバッテリーを搭載するということになったら悲しいので。

 それはともかく,莫大な開発費をかけて,研究開始から65年後にやっと営業運転の見通しが立ったものの,最高速度は500~600km/hで,新幹線の2倍かそれ以下。ちょっとコスパが悪かったかな という気もします。

 そんな折,今年になってこんなニュースがありました↓

http://www.recordchina.co.jp/b189296-s10-c20.html

 中国で開発しようとしている鉄道で,真空のチューブの中を走るリニア。当初の目標は時速1,000kmで最終目標は時速4,000kmとか。音速が時速1,200km程度なので,そのすごさがわかります。ひょっとしたら,これが日本製リニアの速度限界を超える決定打になるかも知れません。

20170901000107690_2

  (写真は上記サイトからの転載)

 たしかに,非接触リニアの速度限界要因は空気抵抗。その空気抵抗をなくすために空気を抜いてしまえ という,単純明快で乱暴な発想は素晴らしいです。しかも,空気がないということは,走行音が外部に伝搬しないわけで,騒音防止の効果もあるでしょう。また,超電導に必要な低温維持面でも有利かも。もっとも,真空で空気抵抗がないなら,このサイトの写真にあるような流線型の車両は意味ないよね?(箱形の車両で十分) という気もしますが。

 この中国リニア,車内や駅構内を真空状態のチューブ内といかに安全に遮蔽するかというところが技術課題でしょうか。そういえば,飛行機で上昇や下降すると,開栓したペットボトルが膨らんだり凹んだり,耳がおかしくなったりなど,航空機内は空気圧がかなり変化しますよね。これって外気とは完全には遮断されていないということなんでしょうか? だとすれば,航空機程度の気密性ではダメということで,スペースシャトルと同程度の気密性を保つ必要があるのかも。

 などなど,色々と考えるとキリがないので,今回はこの辺で。

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