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2015年9月19日 (土)

悪法もまた法なり

 「悪法もまた法なり」・・・たとえ悪い法律であっても,法律として効力を持っている以上は守らなければならない という意味と理解しています。ソクラテスが言ったとか。

 悪法の成立によって世の中の終わりが来たかのようにメディアは大騒ぎをしていますが,一内閣の判断であっさり成立した法律であり,気に入らなければまた戻せばいいだけ。戻したいと考えている人は,戻すことを公約に掲げる政党が多数の議席を占めるように,次の選挙で投票すればいいだけです。

 憲法に違反する法律というのは悪法以下の法律だとは思いますが,集団的自衛権の行使に関しては,約1年前の閣議決定と,それを昨年12月の総選挙で公約に掲げた与党が圧勝したことから,民意に基づくものと言えます。「悪法もまた民意なり」ってことです。ただ,昨年12月の総選挙で当選した衆議院議員はともかく,今の参議院議員は全員,この閣議決定が出される以前に選ばれた人たち。この人たちの中で,この違憲法案に反対する与党議員が一人もいなかったというのは,正直ちょっとキモイと感じます。

 この法律は,日本を守るためというよりも米国のための法律であることは明白ですが(あくまで個人の意見です),まあ当面は米国の戦争に巻き込まれることはないでしょう。ただ,あの戦争大好きの米国です。この先何があるかわかりません。特に,次期大統領が誰になるかは不明ですが,大統領が替わった後はちょっと心配かも。

 この法律の成立によって,これから色んな訴訟が引き起こされることでしょう。政府はこの訴訟の嵐に耐えられるのか,注目したいところです。もっとも不幸なケースは,日本が米国の戦争に巻き込まれて自衛隊が戦闘行為を起こした結果,上官命令に従っただけの自衛隊員が殺人罪・傷害致死罪・器物損壊などで告発される可能性があるということでしょうか。何しろ違憲の法律に基づく行為なので,国内法に違反する行為に関しての訴訟は「何でもあり」でしょう。

 そうなる前に(できればアメリカ大統領が交替する前に),この法律は早く元に戻しておいた方がいいと思いますよ。

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2015年9月17日 (木)

オンライン国勢調査

 今年は国勢調査の年。この国勢調査に関しては毎回突っ込みどころが満載です。たとえば,今年はようやくネットで回答できるようになりましたが,ネットでの回答は9月20日が締め切り。この国勢調査は10月1日時点でその世帯に住んでいる人が対象とのことで,10月1日時点のデータなのに,なんで締め切りが9月20日なのか,まったく理解に苦しみます。

 そして,調査対象者(ふだん住んでいる人)については以下のように記載されています。

「ふだん住んでいる人とは,住民票などの届出に関係なく,10月1日現在あなたの世帯にすでに3か月以上住んでいる人,まだ3か月にならないが3か月以上にわたって住むことになっている人」

 要するに,10月1日時点でそこに3ヶ月未満しか住んでいなくて,かつこの先3ヶ月未満しか住まない人というのはばっさり切り捨てて調査対象外ということなんです。本当にこんな調査でいいんでしょうか。実際に,僕の場合がこれに該当するんです。

 僕の場合,茨城県から京都に引っ越し途中で,住民票は既に京都に移しましたが,2週間ごとに両方の家を行ったり来たりしている状況。10月1日時点では京都に住んでいる予定なので茨城では調査対象外。しかも京都でも,10月1日の前後3ヶ月以上は住んでいないので調査対象外なんです。

 ということで,自分は調査対象外ということでラッキーだったんですが,とりあえず家族の分の回答をネットで済ませたので,感想などを書いておきます。

 まず,ネットで回答した場合,職業が「無職」で仕事に関する回答が不要だったこともあり,入力はあっという間に終了。これはなかなか便利と感じました。調査が簡単に終わるのはありがたいですが,ほんとにこんな程度の調査が有益なのか,大いに疑問に思いました。

 調査内容は,戸籍と住民票のデータを機械的に集計すればわかるものが大半。戸籍や住民票ではわからない調査項目としては,住居の関係と仕事の関係で,仕事については9月24日から30日までの1週間の仕事についてのみとのことです。

 実際にどこに何人住んでいるかということを,住民票登録内容とは別に調査することの意義が僕には理解できないし,そもそも,「住んでいるが住民票をきちんと届けていない人」と「国勢調査に回答しない人+回答しても正直に記入しない人+調査票の配付ができなかった人」とのどちらが少数派かというと,当然前者でしょう。この意味でも,人口データに関しては,国勢調査を実施するよりも戸籍と住民票データを機械的に集計した方が,はるかに精度が高くて効率的な集計ができると思いますよ。

 それに,気になる(気に入らない)のは,実名と実際の現住所を入力させる点。この統計データに実名が必要な理由がまったく理解できないので僕は入力しませんでした。前回(5年前)は紙での提出だったので名前は空白にしましたが,今回のオンライン入力では空白は入力できなかったので「A」のような仮名にしておきました。住所については,郵便番号を入力して自動で表示される住所までとし,詳細の番地などは入力していません。

 ちなみに,知り合いに国勢調査員をやっている人がいて,その人に聞いてみたところ,調査票の配付というのは住民票データに基づくものではなく,実際に家が建っている区域に対してブロック単位に担当を割り振って,各住宅に配付しているそうです。このため,配付されたシートに市区町村コードや調査区番号・世帯番号などが書かれていますが,これは住民票の住所とは無関係に各住宅に割り振られているらしい。

 ただ,この世帯番号に対して調査対象者IDとパスワードが割り振られているわけで,ネットで入力した内容は世帯番号すなわち住宅とのリンクは取れており,その気になれば各世帯の住所や個人名とのリンクも可能ということです。そうなると,勤め先などの個人情報を入力するのは非常に気持ち悪いと感じます。

 このように,突っ込みどころが満載の国勢調査ですが,ネット入力した場合に,最後に意見を書く欄があるのは良かったと言えます。僕が感じるこの調査の問題点を,たっぷりと記入しておきましたよ。

 いずれにしても,現状の国勢調査は,たいして有効なデータが集まると思えず,費用をかけるだけムダな気がします。せっかくの大規模調査なので,完全に匿名化し,かつ実際の居住地の特定ができないようにし,より有効な細かい情報を収集するようにすればいいのにと思います。完全匿名であれば僕でも「お国のために」できるだけの協力はするんですが,今のような個人情報を丸出しにする危険な調査には協力したくありません。

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2015年9月 2日 (水)

メディア頼み

 なにかとお騒がせ中の大阪市の橋下市長。かつて「立候補することは2万パーセントない!」って断言しながら大阪府知事に立候補するなど,僕はこの人の言動をあんまり信用していないんですが,時々ハッキリと良いことを言うなと感じることがあります。たとえば最近では,安全保障関連法案の反対集会に関して「国民の政治活動として尊重されるのは当然」とした上で,8月30日の国会周辺での大規模デモに触れて「たったあれだけの人数で国家の意思が決定されるなんて民主主義の否定だ」と発言したとか。

 安保法制に関しては,法案反対のデモだけでなく,僕はキモイと感じる法案賛成のデモも行われています。また,明らかにネットウヨクの呼びかけで集まったと思えるヘイトスピーチのデモなんかも行われています。デモをやること自体は意思表示として自由ですが,「デモによって国家の意思決定が左右されるべきでない」という橋下氏の発言にはまったく同感で,各有権者の意思は,まずは選挙の際の投票行動でもって示すべきです。

 しかも,国会周辺で大規模デモが行われた8月30日は日曜日であり国会はお休み。議事堂内には大半の国会議員はいなかったので議員にはその声は届きません。もっとも,国会議員が議事堂の中にいたとしても,デモの叫び声が直接議員に聞こえるわけではありません。

 結局は,これだけの大規模なデモが起こったという事実が,報道を通して関係者の目や耳に入り,それによって何かが動くことを期待しているということなんです。個々のデモ参加者がメディアをどこまで意識して行動いていたかはともかく,結果的にはそういうことになります。メディアが報道してくれなかったら,結局はデモがあったこと自体,一般国民も国会議員も知ることはできません。

 似たような話として,国会議員の委員会質問があり,国会議員がどこまで本気で質問をしたいのか疑問に思うことがあります。テレビの国会中継を意識してか,テレビカメラに向けて説明パネルを立てて質問をせずに延々と自説を述べる議員は,メディアを経由して自分をPRしたいのかと疑いたくなります。以前安倍総理が質問者に対して「質問しろよ!」みたいな野次を飛ばしたことが問題になりましたが,この時の安倍総理の気持ちはよくわかります。

 あと,テレビでも報道されましたが,安保法案が衆議院の委員会で採決された時のシーン↓

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(日経新聞Webより転載)

 反対する委員が「強行採決反対!」の紙を,委員長に向けてではなく明らかにテレビカメラや記者に向けて示しています。これには笑ってしまいました。これも,明らかにメディアを意識した行動ということでしょう。しかも,反対議員は賛成議員と同様に起立しているので,賛成しているみたいになっているのにも笑えます。

 このように,政治的な何かを主張する時は,結局は「メディア頼み」にならざるを得ないというのが悲しい現実なんです。戦時中のメディアが政府・軍隊の意思伝達期間であったことからもわかるように,歴史を動かすのも動かさないのもメディアの力が大きいというわけです。古代や中世の歴史はそれなりに緩やかに変化してきたわけですが,メディアが発達した現代では,ちょっとしたことから歴史はスピーディーに動くと言えるでしょう。

 このため,権力者は自分たちの意思を的確に民衆に伝えて欲しいとメディアに望むわけで,結果として,意思に沿わないメディアに対して「懲らしめたい」発言が飛び出すのも,その気持ちは痛いほどわかります。かつての総理大臣 佐藤栄作氏が引退する際,メディアを通して自分の意思が伝わらない歯がゆさに業を煮やし,記者会見で「新聞は信用できない」と発言して新聞記者を閉め出し,テレビによる実況中継だけで独演による辞任会見をしたシーンは,子供のころのリアルタイムの記憶として残っています。

 世の中のあらゆる事実はメディアを通してしか知ることができないのが悲しい現実。しかも,ネットにせよテレビにせよ新聞や週刊誌にせよ,どんな媒体でもそれなりのフィルターがかかった上で国民に知らされるのも現実。ということで,とにかく,メディアに対しては,つまらない世論調査や社説なんかは要らないので,極力純粋に事実だけを正確に伝えて欲しいと,切に願ってやみません。

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