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2015年7月25日 (土)

マニフェストの検証

 今回の安保法制に関して,先日のブログで「集団的自衛権を認める考えは約1年前に閣議決定されたもの。その後の総選挙で与党が圧倒的多数の議席を獲得して支持されたのだから,集団的自衛権は民意に従っているという解釈が成り立つが,与党のマニフェストにきちんと書かれていることが必要」と書きました。

 これまでは,政党のマニフェストなんて真剣に読むことはないと思っていたんですが,書きっぱなしは無責任かと思い,念のために昨年の総選挙時点のマニフェストを調べてみました。両党のマニフェストは,こちらにアップされていました↓

自民党:
http://jimin.ncss.nifty.com/pdf/news/policy/126585_1.pdf

公明党:
https://www.komei.or.jp/campaign/shuin2014/manifesto/manifesto2014.pdf

 自民党のマニフェストの場合,例の安保法制に関しては,24ページに以下のように書かれています(原文のまま)。

「国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について」(平成26年7月1日閣議決定)に基づき、いかなる事態に対しても国民の命と平和な暮らしを守り抜くため、平時から切れ目のない対応を可能とする安全保障法制を速やかに整備します。

 公明党のマニフェストには,自民党と一字一句違わず,まったく同じ文言で23ページに記載されています。

 このように,「閣議決定に基づいて安全保障法制を整備する」とうたっているので,形式上はマニフェストに記載されており,今問題となっている安保法案については,昨年12月の総選挙で与党の圧倒的多数の議席獲得により信任を得ており,民意に従った法案であると言えるでしょう。特に総選挙で与党に投票した人は,この法案は自分が投票した結果によるものだということをきちんと認識して欲しいと思います。

 ただし,マニフェストに記載されているといっても「形式上」であり,マニフェストには「集団的自衛権」の「し」の字も出てきません。意地悪い見方をすれば,意識的に出さずにぼかしているように思えます。「昨年の閣議決定に基づいて」と記載されていますが,法律の条文のような公文書ならともかく,閣議決定内容というのは明文化されたものがいつでも誰でも簡単に読めるようになっているわけではありません。その内容をマニフェストに明確に記載しないのは,極めて不親切・不適切と考えます。野党もメディアも,この点をきちんと質すべきだと思いますが,どうでしょうか。

 ついでに言わせてもらえれば,選挙で選ばれた議員や政党の行動・言動については,マニフェストに従っているかどうかを常に検証することが重要と考えていますが,この点の意識が極めて低い政治家が多いのは残念。特に,選挙の際には,前回の選挙でのマニフェストと実績との差異(マニフェストどおりに遂行したか,マニフェストに記載のないことを独断でやっていないか など)を検証し,問題があればきちんと選挙で報告して改善していくべきでしょう。決算時に予算と比較して問題点をフィードバックするというのは,民間企業ならごく普通にやっていることですよ。

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