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2013年5月26日 (日)

日本標準時

 東京都の猪瀬知事が,22日の政府の産業競争力会議で,日本の標準時を2時間早めることを提案したというニュース。東京の金融市場が始まるタイミングを世界で最も早くすることで,金融機関の拠点を日本に置く動きを促すのが目的らしく,政府は6月にまとめる成長戦略に盛り込む可能性があるとか。

 このニュースを聞いて,ほんとアホなことを考えるもんだと思いました。あり得ない提案です。東京都は,知事があの暴走老人から猪瀬氏に交代して少しはおとなしくなり,東京オリンピック招致の支持率が上がったのも知事が交代したおかげかと思っていましたが,この標準時変更の提案はどう考えても暴走気味です。

 標準時を2時間早めるということは,子午線を現在の東経135度から165度に変更するということですが,日本の最東端は東経153度の南鳥島。日本最東端よりはるか東の,領土として実態がない場所に子午線を移すなんてことがそもそも許されるんでしょうか?

 もし標準時が今より2時間早くなっても会社の就業開始時刻などが変わらなかった場合,真冬は真っ暗で超寒い時間帯から活動を開始することになり,人体への影響だけでなく省エネにも大きく逆行します。

 それもそのはずで,この提案の理由は省エネでも何でもなく「金融市場が始まる時間を世界で最も早くする」みたいな意味不明の理由で,わけがわかりません。そもそも金融市場というのは全世界的には24時間連続で動いており,どこが最初でどこが最後ということはありません。日替わり後の最初に市場が開いたからといっても,ほとんど意味がありません。

 しいていえば「週明け後の最初に市場が開く」程度の意味はありますが,その程度の目的でヘンなことを考えないで欲しい。百歩譲って,日替わり後の最初に金融市場が開くメリットが本当にあるなら,単に金融市場を開ける時刻を2時間早めればいいだけだと思うし,この際思い切って3時間早めれば子午線が東経180度相当になり文字どおり「世界で最初」になります。標準時は今のままで,単に金融市場を開始する時間だけを早めればいいだけじゃん! って思います。

 賢明な政府はこんなアホな案は一蹴するかと思ったら,「6月にまとめる成長戦略に盛り込むことを含めて検討に入る」と報じられていました。やれやれ。

 いずれにしても,標準時を変更することになったら,サマータイム制導入と同様に,日本中のあらゆるシステムの改変が必要となり,特に24時間連続で稼働しているインフラ関連システムへの影響は甚大で,2000年問題以上の大騒ぎになるのは必至です。政治家はなぜそういう影響を考えないのか不思議です。

 かつて,2000年問題に対応するため,2000年1月1日の0時に会社に詰めて,固唾を飲んで日替わりの瞬間を待ったのを思い出します。もうあの経験はしたくないので,もし標準時を変更するなら,僕が現役を引退してからにして欲しいと切に願います。

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