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2010年7月18日 (日)

メディアの報じる「民意」

 参院選が終わって既に1週間経ちましたが,メディアの報道内容に関してもう一言。

 多くのメディアは「自民党の勝利,民主党の惨敗」と報じていますが,本当にそう言えるのでしょうか。今回の選挙結果に対して,メディアは自民党に対して「改選第一党」みたいな表現を使って しきりにもて囃していますが,この「改選第一党」って表現,僕は今回の選挙で初めて聞きました。今回の獲得議席数は民主44・自民51ですが,非改選議席数は民主66・自民33で,トータル議席数は民主106・自民84と民主党が文句なしに第一党。この「改選第一党」という聞き慣れない表現はこじつけっぽくて,僕にはなんだか違和感を覚えます。

 そもそも,比例区の獲得議席数では民主16(得票率31.6%)・自民12(得票率24.1%)で民主党が自民党を上回っており,選挙区の獲得議席数は民主28・自民39と自民党が民主党を上回ったものの,全国トータルの選挙区得票率は民主39.0%・自民33.4%と,比例区同様に民主党が自民党を上回っています。これは,得票数が比較的少なくても当選できる地方の一人区で自民党が効率よく当選させ,有権者の多い複数定数の選挙区で民主党は複数候補を擁立して多くの落選者を出したというだけのこと。全国的に自民党へ投票した人が民主党へ投票した人を上回ったということではありません。

 二人区で2名の候補者を擁立した「小沢方式」は失敗だったと報じられていますが,結果的に二人区の独占は実現しなかったものの,共倒れになった選挙区もなくトータルの民主党得票数は延びたため,民主党にとって複数擁立が失敗だったとは言えないと思います。確実に抑えておくべき一人区で大量の落選者を出したのが民主党の敗因でしょう。

 また,沖縄の普天間基地問題について,メディアはしきりに県外移設が沖縄県民の総意であるかのようにこれまで報じてきましたが,沖縄選挙区の結果は自民党候補の当選という結果に。この自民党候補が基地問題に関してどのような主張をしていたのかは知りませんが,自民党政権の時代には普天間の辺野古への移転が決定していたわけなので,沖縄選挙区で自民党候補が当選したということは,普天間基地の県外移設が必ずしも多数意見ではないということか,または,沖縄の有権者は基地問題よりももっと重要な政策があると判断した結果なのでしょう。

 ということで,いろんな面で,メディアがもっともらしく報じる「民意」というのは,実態と大きくずれているような気がしてなりません。

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