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2010年4月 3日 (土)

代理投票

 自民党の若林正俊参議院議員が青木幹雄参議院議員の代わりに投票ボタンを押した問題は,学生時代を思い出すような,なんとなく懐かしい香りのする不祥事で,微笑ましい気分がしました。この問題に対して,民主党は「国民の負託を受けた参院議員として民主主義を否定する行為」として若林氏に対して懲罰動議を提出。これを受けて,自民党参院執行部は若林氏に対して辞職を勧告し,結局本人が議員辞職願を提出して辞職が認められたそうです。自民党の素早い対応は見事でしたが,若林氏は任期切れ後の夏の参院選で立候補せずに引退する予定だったとか。自民党にはほとんど実害のない辞職だったというわけですね。

 この問題に対しては,野党だけでなく,たとえば自民党の尾辻秀久参院議員会長は「何十万の方々の思いを背負っているのに,他人の投票を勝手にするのは断じて許されない」と強い口調で非難しています。メディアも「1つのボタンは約43万人の民意を乗せた厳粛な装置である(朝日新聞・天声人語より)」などと,厳しく論評しています。

 たしかに,若林氏の行動は軽率で許されない行為ですが,そこまで目くじらたてなくてもいいのに とも思います。本会議での投票行為が「何十万人もの有権者の思いを背負った」というほど重要なものなら,そんな重要な行為を放棄して離席した青木氏も同様に重罪です。青木氏は「若林氏に代理投票は依頼していない」と釈明しているそうですが,本会議を離席したことに対する弁明はしないんでしょうか。もし青木氏が「何十万人もの有権者の付託を受けた1票を無駄にすることはできないから代理投票してくれ」と若林氏に依頼したというなら,その方がよほど二人に対する好感度がアップしたと思いますよ。

 青木氏は「別の会合があるから」と言って本会議を途中で抜けたそうですが,参議院議員を本職とする青木氏にとって,本会議の採決を棄権してまで出席するほど重要な会合があったとはとても思えません。懲罰動議は,若林氏よりもむしろ青木氏に出すべきだったと思うし,本会議を離席した青木氏を一切批判しないメディアも,なんだか外していると感じます。

 党議拘束なしという特殊なケースを除いて,ほとんどの議案については,本会議採決時の各議員の役割というのは「各会派の頭数」としての役割しかないわけですが,議員の頭数というのは有権者による投票結果,すなわち民意そのものです。したがって各議員は,採決には絶対欠席することなく,自分の所属会派の主張に基づいて忠実に,文字どおり機械的にボタンを押すことが代議制民主主義の大原則だと思います。

 ところが,この大原則をわかってない国会議員が多いのにはあきれます。「政界再編」だとか言いながら離党したり,所属政党を変わったりする人たちです。各人の事情によって所属政党を離党するのは勝手ですが,その場合には当然国会議員は辞職するべき。無所属議員でない限りは,政党の公約によって選ばれたわけであり,政党が変わる場合にはその議席は返上するのが筋でしょう。

 たとえば,2月に自民党を離党して民主党に移った田村耕太郎参院議員や,自民党を離党して国民新党に入党した吉村剛太郎参院議員などが該当します。最近では,3月に鳩山邦夫衆議院議員が自民党を離党。あきれたことに,鳩山氏は自民党から2度に渡って離党を了承された史上初の国会議員だとか。そして本日は,自民党の与謝野馨氏が離党届を提出。さらに週明けには,園田博之元氏も離党届を出すとか。ある政党の公認で当選しながら,離党したり別の政党に移ったりしても議員辞職せずに平然としていられる破廉恥な神経が,僕にはまったく理解できません。

 何十万の有権者の付託を受けて当選したのに別の政党に変わってしまう議員に比べたら,本会議に出席して代理投票するなんてカワイイものだと思います。ということで,僕の価値判断では,国会議員の行動に対して罪深い順に順位をつけるとしたら,おおむね下記でしょうか。
1.議員辞職せずに別の政党に移る人
2.議員辞職せずに離党して無所属になる人
3.選挙公約を守らない人
4.特別な理由もなく国会を欠席したり離席したりする人
5.採決時に代理投票する人

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コメント

shock                 青木幹雄も議員退職すべきである!
青木事務所は採決の前に議場を退出した理由について、「会合に出るため」と答えた。議案の採決より会合優先なんて本末転倒だ。有権者から与えられた国会議員の重い一票をないがしろにしている点では、若林と同罪である。
   http://gendai.net/articles/view/syakai/122554 [ソースチェック]
若林 正俊はすぐ退職したが、議会制度の根幹を揺るがす違反の中心にいた青木幹雄議員も責任がある。
 1)若林は「気が付いたらい青木がいなかった」と言っているが、記録映像↓によると、チャンと会釈交わして退席している。若林の両側の席が空席となり、「魔がさした」のなら左側の席のボタンを押すはずである。なぜなら投票ボタンは右手側に設置されている。3/31 13:01~14:30までの長時間、ずっと「魔がさして」右側の遠いボタンに体を伸ばし10回も押し続けることは相当の努力・熟練を必要とする。何らかの「任務意識」が無ければできないことだ。
   http://www.youtube.com/watch?v=an2B62A9w2M&feature=related [ソースチェック]
 2)青木は↑「出席名票」を立てたまま去り、あたかも「宜しく!」と握手をしているように見える。ケンカ・カンニングなど2者による公序良俗の不正行為は「両成敗」が古今東西の常識である。
 3)丸1週間たっても青木は逃げ回るばかりで 国民の代表たる議員の「説明責任」と「訂正責任」を果たしていない。   
   http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/vote/174/174-0331-v001.htm [ソースチェック]  このように3/31の議決は自分が”投票”をしたとの不正状態ままとなっている。これは自分の犯した議会制度を否定する「違反行為」に何の反省も罪悪感もないことの証明である!
従って青木は議会制度・良識の府を任せられる資質に欠けることとなる。即刻、(改めて若林と共に)青木幹雄を”懲戒”の議員辞職させて、議員と国会全体の浄化に努めなければ この国の未来はない!

投稿: Tad | 2010年4月 6日 (火) 15時42分

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