« Directors TV | トップページ | 政教分離訴訟 »

2010年1月16日 (土)

国会議員の逮捕

 民主党の小沢幹事長の資金管理団体が2004年に取得した土地の購入原資が政治資金収支報告書に記載されていなかったとして,小沢氏の元秘書で資金管理団体の事務担当だった石川衆院議員らが政治資金規正法違反(虚偽記載)の容疑で15日に逮捕されました。

 東京地検特捜部は,石川議員に自殺の恐れや証拠隠滅の可能性があることを考慮して,任意捜査から一転して逮捕に踏み切ったとのことです。また,国会会期中の国会議員逮捕には,国会に逮捕許諾請求を提出して議決を得る必要があるため,土日を除いて国会が始まる前の最後のチャンスとなる15日に逮捕したと報じられています。

 国会議員の不逮捕特権というのは,日本国憲法第50条および国会法第33条・34条で規定されていて,現職の国会議員は国会の会期中は現行犯の場合を除いて逮捕されることはなく,逮捕されるのは逮捕許諾請求が出されて所属議院でその逮捕許諾決議案が可決された場合に限るとのことです。また,今回の石川議員のケースのように,会期前に逮捕された議員は,所属議院から釈放の決議がされた場合には釈放されるとのことです。現憲法下で釈放要求決議が採決された例はないそうですが,小沢氏側は石川議員の逮捕に反発しているので,ひょっとしたら釈放決議の要求が出てくるのかも知れませんね。

 そもそも,国会議員の不逮捕特権って,何のためにあるんでしょうか。Wikiによると,国会議員の不逮捕特権は,官憲による不当な逮捕・勾留によって議員活動が制限されるのを防止するためであり,また,たとえばある法案に賛成(反対)する議員を何かの理由をつけて逮捕・勾留させて表決に参加させないことで賛成(反対)投票数を意図的に少なくするといったことを防止する目的もあるとのこと。

 それを言ったら,国会議員に限らず地方議員や首長などを含む,あらゆる公務員に対して不逮捕特権が必要になってしまうような気もしますが,それはそれとして,警察組織による「共産党幹部宅盗聴事件」とか「赤旗ビラ配り事件」などの過去の事例を見ると,警察・検察が特定の政党を狙い撃ちする傾向にあるのは明らか。たとえば共産党議員の国会での1票が重大な法案の成立に影響するというようなことが将来あったような場合,警察が軽微な道交法違反で共産党議員を逮捕して法案の成立を阻止するというようなことも十分考えられます。ということで,警察・検察の暴走を防ぐという意味で,議員の不逮捕特権というのはある程度やむを得ない制度かなと僕は感じています。

 ところで,国会議員以外に,不逮捕特権のあるのはどんな人なんでしょう。これまたWikiによると,以下の人たちが該当するそうです。

1.国務大臣
 憲法第75条により,内閣の一体性や国務大臣の職務の重要性から,在任中の国務大臣は内閣総理大臣の同意のない訴追は認められていないそうです。

2.天皇および摂政
 皇室典範第21条により摂政は起訴を受けないことになっており,これにより逮捕も想定しないとの解釈。天皇についての条文はないそうですが,摂政の条文から同様に天皇に対する逮捕もあり得ないとのこと。
 昭和天皇の実弟の三笠宮親王が交通事故で書類送検された事例があり,たとえ皇室でも逮捕・起訴はあり得るのかと漠然と思っていたので,天皇の不逮捕特権というのは僕にとっては意外でした。もっとも,日常の行動が厳しく制限されている天皇はじめ皇室の人が,逮捕・起訴に至るような行動を起こすこと自体がほぼ不可能だとは思いますが。

3.外交官
 外交官の場合は,ウィーン条約による外交特権により,現行犯であっても不逮捕特権が保障されているそうです。ただし,殺人などの凶悪な犯罪の場合には,一時的に拘束される場合があるそうです。

4.在日米軍
 何かと話題になる「日米地位協定」によって,在日米軍の公務中の犯罪では日本の警察は逮捕できないそうです。やれやれ。

 過去の関連記事:
  ネパールの皇太子(2006年5月1日)
  盗撮警官(2006年5月15日)
  赤旗配布に有罪判決(2008年9月20日)

|

« Directors TV | トップページ | 政教分離訴訟 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/149573/47312481

この記事へのトラックバック一覧です: 国会議員の逮捕:

« Directors TV | トップページ | 政教分離訴訟 »