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2009年12月20日 (日)

変身人間(その1)

 CSの「日本映画専門チャンネル」で,「特撮王国スペシャル・変身人間編」を放送中です。放送しているのは以下の5作品。
  透明人間(1954年)
  美女と液体人間(1958年)
  電送人間(1960年)
  ガス人間第1号(1960年)
  マタンゴ(1963年)

 いずれも,あの円谷英二氏が特技監督を担当していた時代の東宝特撮映画作品。この特撮映画の中から「変身人間」をテーマにしたところがなんともマニアックですよね。ということで,まずは1954年公開の「透明人間(監督:小田基義,出演:河津清三郎,三條美紀,高田稔 ほか)」。【ネタバレあり】

 SFの題材の定番といえば,やはり宇宙旅行とタイムトラベルだと思いますが,僕にとっては,SF題材で「実現して欲しい夢」といえば,なんといってもタイムトラベルと透明人間なんです。タイムトラベルはともかく,透明人間願望って,いったいどんな変態やねん! って自分でも思いますが。それにしても,SF小説として初めて「タイムマシン」や「透明人間」を発表したSF小説家のH.G.ウェルズって,ほんと凄い人だと,改めて思います。

 ウェルズの「透明人間」は,ず~~っと昔に読みました。小説の主人公は特殊な薬品を飲んで透明人間になりますが,自分が薬を飲む前に猫に飲ませて実験し,透明になってしまった猫が一晩中鳴いていたとか,この薬を飲むとめちゃくちゃ苦しかったとか,透明のままで街を歩く時は全裸で歩く必要があり,冬は寒くて大変だとか,街を歩くとすれ違う人が避けてくれなくて非常に危険だとか,小説の色んな場面を今でも鮮明に覚えています。また,食べた物が完全に吸収されるまでは胃の中の物が透けて見えるため気持ち悪かった みたいなリアルな描写も記憶に残っています。

 さて,「透明人間」というタイトルの映画は,アメリカでは1933年と1992年に公開されていて,1933年の映画がH.G.ウェルズ原作によるもの。日本でそのものズバリ「透明人間」というタイトルの映画は,この1954年版が唯一ですが,原作はウェルズの小説とはまったくの別物。この映画の主人公は放射線のようなもので透明になったらしいですが,戦時中に軍事目的で透明にさせられてしまった被害者という設定になっています。

 映画の舞台は真冬。この季節に街中を全裸で歩く透明人間って大変だろうなと想像してしまいます。ていうか,透明人間が登場するシーンは,どのシーンでも主人公は真っ裸なわけで,僕はそればっかり想像してしまって笑えます。また,もし全裸のままで急に姿が見えたりしたら大変だろうなと,余計な心配をしてしまいますね。

 それはともかく,ウェルズの小説では,透明人間は全身に包帯を巻くことによって姿を現わしていますが,この映画では,顔中に化粧を塗ったピエロになって姿を現わします。これはなかなか優れたアイデアですね。また,目の見えない少女が登場しますが,目の見えない少女にとっては普通の人間と透明人間の区別がつかないわけで,少女は普通の人に接するのと同じように透明人間と接するというアイデアも面白い。

 透明人間が公衆電話で電話をかけるシーンがありますが,電話代の小銭はどうやって隠してたの? っていう突っ込みはありますが,姿を現わしている透明人間が透明に戻るシーンなど,全般的に特撮効果が素晴らしく,透明人間がスクーターに乗って運転するシーンなども面白い。また,透明人間相手に格闘して透明人間に殴られるシーンなどは,殴られて倒れるシーンを一人で演じているわけで,この演技がなかなか上手くて笑えるんですよね。

 ということで,映画が作られた年代が年代だけに,見る前はショボい特撮映画を想像していましたが,この時代にしてはなかなか見事な特撮で,けっこう楽しめた映画でした。

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