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2009年10月31日 (土)

沈まぬ太陽

 10月24日から公開されている映画「沈まぬ太陽」を見ました。最近は録画した映画をテレビで見ることが多く,映画館へ行く機会は少なくなったんですが,この映画は,その内容から「テレビ放映が難しいかも」と言われているので,あえて映画館へ見に行ってきました。【少しネタバレあり】

 原作は山崎豊子氏のベストセラー小説で,国民航空の労働組合委員長を務めていた主人公が,組織に翻弄されながら,海外への左遷・ジャンボ機墜落事故・政界を巻き込む会社再建などを体験する波乱の人生を描いたものです。山崎豊子氏原作の映画化といえば,あの山本薩夫監督(故人)が定番でしたが,この映画は若松節朗監督。出演は渡辺謙,三浦友和,松雪泰子,鈴木京香,石坂浩二 ほか。

 国民航空(NAL)のモデルは,危機的な経営難でお騒がせ中の日本航空(JAL)。この時期にこの映画の公開というのは,めっちゃタイムリーですね。映画の主人公は実在の日航元社員である小倉寛太郎氏(故人)がモデルとされています。ちなみに,小倉寛太郎氏のプロフィールは以下のとおり。(Wikiから引用)

(1)1960年代前半,社員の待遇改善と「空の安全」の確立を求めて経営陣と厳しく対決し,日航初のストライキを指導。その後の人事異動で,社内規定を大幅に越える約10年間の海外僻地(カラチとテヘラン,同社の乗り入れが行われていないナイロビ)での勤務を強いられる。

(2)1970年代前半の日航機の連続事故が国会で取り上げられる中,いびつな労務対策を是正する一環として,国内勤務とされる。1985年の日本航空123便墜落事故後,会長室部長に抜擢。伊藤会長率いる新体制の下,社内改革に力を注ぐがさまざまな圧力で中断を余儀なくされ,再びアフリカへ。

(3)定年退職後は,僻地勤務が縁でアフリカ研究家,動物写真家,随筆家として活躍。東アフリカの自然と人を愛する同好の士を集めて「サバンナクラブ」を発足させ,事務局長を務めた。2002年10月,肺癌で死去。

 たしかに,氏のプロフィールは映画の主人公と酷似してますね。映画の中では,労働組合の委員長であった主人公は一徹な人間のため会社から冷遇され,片や副委員長だった同期は会社側へ寝返ってエリートコースを歩む ちょっといやらしい人間として,対比的に描かれています。労働運動に対する価値観は人それぞれだと思いますが,軟弱な僕としては,もし自分が彼らの立場だったとしても,絶対に主人公のような頑固な生き方はできなかったと思います。

 今や,大企業の労働組合は,多くが「名ばかり組合」の御用組合に化してしまったと認識していますが,組合と会社が激しく対立していた時代の労働組合って,ほんとにこの映画のように過激だったんでしょうか。この映画の団交シーンを見たら,今の若い人はびっくりするかも知れませんね。この時代を懐かしむ年配者は多いかも知れませんが,今の感覚で見る限り,この映画に出て来るNALの労働組合は怖くて過激で無礼で,僕にはちょっと付いていけません。映画では必要以上に組合の悪役ぶりが強調されていた感があるので,あの山本薩夫監督だったら,このあたりの組合活動はもっと美化して描いたかも知れませんね。

 映画全体の感想としては,上映時間202分という長時間映画の割には,登場人物が少なくて人間関係がシンプルでわかりやすく,楽しめた映画でした。それと,ジャンボ機墜落事故を伏線として取り入れたことによって,飽きさせない展開になっています。映画の冒頭で,体育館に多数の棺桶が並ぶシーンが圧巻で,事故の大きさを改めて痛感します。あと,僕が最近映画で見ていなかった加藤剛さんが総理大臣役で出演していましたが,最初はこの俳優が誰だか思い出せなかった。しばらく見ないうちに,めっちゃ おじいさんになっていたのには驚きました。

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