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2009年9月 3日 (木)

おかしな選挙制度

 総選挙の結果は民主党が308議席を獲得し,いよいよ政権交代ということになりました。それはそれで受け入れるとして,前回自民党が大勝した郵政選挙と同様に,僕はすごく「歪んだ選挙結果」だと感じています。

 各党の獲得議席数 (選挙区)(比例区)
   民主党  308 (221)  (87)
   自民党  119 ( 64)  (55)
   公明党   21 (  0)  (21)
   共産党    9 (  0)  ( 9)
   社民党    7 (  3)  ( 4)
   みんなの党  5 (  2)  ( 3)
   国民新党   3 (  3)  ( 0)
   新党日本   1 (  1)  ( 0)
   新党大地   1 (  0)  ( 1)
   無所属    6 (  6)  ( 0)

 各政党の全国平均の得票率(支持率)を見たい場合,選挙区選挙は候補者を立てていない政党が多いので,やはり比例代表区の得票率が参考になります。比例区の全国合計の得票率は,高い順に以下のとおりです↓

   民主党  42.4%
   自民党  26.7%
   公明党  11.4%
   共産党   7.0%
   社民党   4.3%
   みんなの党 4.3%
   国民新党  1.7%
   新党日本  0.8%
   幸福実現党 0.7%
   新党大地  0.6%
   改革クラブ 0.1%
   新党本質  0.0%

 このように,民主党の獲得議席308は全議席の64%ですが,比例区での得票率はたった42%で半数以下です。いかに小選挙区制が二大政党に有利かということですね。前回の郵政選挙の結果も同様で,比例区の自民党の得票率は38%,民主党の得票率は31%と,得票率に大差なかったものの,獲得議席数は民主党の113に対して自民党は296と,第1党の圧勝でした。今回はまったく逆の結果でしたが,小選挙区主体の選挙制度である限り「ほどよいバランス」となる可能性は低く,必ずどちらかが圧勝になるのではないかと思えます。

 得票率に比例して議席配分されるべき比例区でさえ,ブロック分割があるために,得票率が正確に議席数には反映されず,少数政党に不利な制度になっています。下の数字は,ブロックのない全国一律の比例代表制だと仮定した場合の,比例区の獲得議席数です(カッコ内は,実際の比例区獲得議席数)。

   民主党   76(87)
   自民党   48(55)
   公明党   21(21)
   共産党   13( 9)
   社民党    8( 4)
   みんなの党  8( 3)
   国民新党   3( 0)
   幸福実現党  1( 0)
   新党日本   1( 0)
   新党大地   1( 1)

 さらに,もし全議席が全国一律の比例区のみだと仮定した場合,各党の獲得議席数は以下のようになります(カッコ内は,実際の獲得議席数)。

   民主党  204(308)
   自民党  128(119)
   公明党   55( 21)
   共産党   34(  9)
   社民党   21(  7)
   みんなの党 20(  5)
   国民新党   8(  3)
   新党日本   4(  1)
   幸福実現党  3(  0)
   新党大地   3(  1)
   無所属    0(  6)

 この議席配分だと,民主党単独では過半数の241議席には届きません。統一会派または連立が予定されている社民党・国民新党・新党日本・新党大地の議席を合わせても,やっと240で半数。過半数には1議席足りません。

 逆に,もしすべての議席が小選挙区のみだったら,単純計算で以下のような議席配分になります(カッコ内は,実際の獲得議席数)。

   民主党  354(308)
   自民党  102(119)
   公明党    0( 21)
   共産党    0(  9)
   社民党    5(  7)
   みんなの党  3(  5)
   国民新党   5(  3)
   新党日本   2(  1)
   幸福実現党  0(  0)
   新党大地   0(  1)
   無所属    9(  6)

 この場合は,民主・自民の2大政党と,二大政党と選挙協力をした政党を中心に議席を獲得しています。しかも,民主党単独で3分の2はおろか74%の議席を占めることになります。小選挙区は,二大政党制というよりも一党独裁政治に近づく制度で,比例代表制は多種多様な政党の進出を許容する制度と言えるでしょう。

 この仮想の議席配分結果を見て,どちらがいいと考えるかは人それぞれだと思いますが,僕は絶対「全部比例代表派」ですね。現在の制度は小選挙区と比例代表の並立制ですが,小選挙区議席の比率が高く,ちょっと危険に思えます。しかも,さらに比例区の議席数を減らそうという動きがあるのには納得できません。

 本来,比例区は「二大政党に偏りすぎる小選挙区制の欠点を補う」という意味合いがあったのかと思いますが,二大政党の候補者にとっては「小選挙区の滑り止めのための制度」と化しているところが笑えますね。

 それよりも,比例区の議席を確保したのに,候補者が足りなくなって議席を他党に譲ってしまうというドジには笑えます。他党に議席を譲ってしまったのは,前回の総選挙では1議席だけ(自民→社民)でしたが,今回は近畿ブロックで民主2+みんな1→自民2+公明1,東海ブロックで みんな1→民主1と,計4議席もあったそうです。特に みんなの党は,候補者がいたのに選挙区との重複立候補で,規定の得票数(有効得票数の10%)に足りなかったために資格喪失というドジを踏んでいます。みんなの党は,本当に選挙制度を理解した上で選挙に臨んでいるんでしょうか。不思議な政党です。

 選挙区で有効得票数の10%以上を獲得しないと重複立候補しても当選資格がないという制度は理不尽だと思いますが,そもそも,候補者不足の場合に他の党へ議席を譲るという制度もまったくヘンです。候補者が足りないなら,名簿への追加登録を認めるか,もしくは欠員とすべきでしょう。投票した党と違う候補者が当選してしまうというのは,明らかに欠陥制度です。有権者から憲法違反(14条とか19条とか)という訴えが起こされるかも知れませんよ。

 過去の関連記事:解散しちゃった(2009年7月21日)

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