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2009年5月31日 (日)

衆議院解散はいつ?

 与党内では総選挙の先送り論が根強いため,総選挙は9月10日の任期満了に限りなく近づくことになりそうです。これに対して,民主党の鳩山代表は,「与党がやりたいことは全部できただろう。なんで8月以降に延ばす必要があるのか」と語り,一刻も早い衆院解散を求めたとか。民主党としては,党首が交代して新鮮なうちに早く総選挙をして欲しいということなんでしょうね。

 たしかに,福田前総理は,「総選挙に勝てる新しい体制で総選挙に臨むため」みたいな理由で昨年9月に総理を辞任しており,すぐにでも解散総選挙という雰囲気にあったのは事実で,現総理がいまだに解散しないのは「解散から逃げ回っている」と言われてもしかたない状況でしょう。

 これだけ長い間衆院解散がないと,過去にはどういう根拠で解散していたのか思い出せませんが,そもそも衆議院解散というのは,誰の判断でどういうタイミングで実施すべきものなんでしょう。

 日本国憲法第69条には「内閣は,衆議院で不信任決議案を可決された時は,10日以内に衆議院が解散されない限り総辞職をしなければならない」との規定があり,内閣不信任に対する対抗措置としての解散権が明文化されています,それ以外には,憲法第7条に「天皇の国事行為」の一つとして衆議院の解散が規定されています。天皇の国事行為といっても「内閣の助言と承認」に基づくものであるため,解散権は内閣総理大臣にあるというのが通説となっているようです。衆議院解散が内閣の特権であるかのようなはっきりした記載が憲法にないのは意外で,ちょっと心もとない気がします。このためか,2005年9月の郵政解散に対して違憲訴訟が起こされるなど,衆議院解散に関して問題視されるケースも過去にはあったみたいです。

 この2005年の郵政解散は,めちゃくちゃな理屈での解散でしたね。郵政民営化法案が衆議院でかろうじて可決されたものの参議院では圧倒的多数で否決。これを受けて郵政民営化法案が可決されたはずの衆議院を解散した小泉内閣の判断というのは,ホント理解に苦しみます。ところが,総選挙の結果は自民党の圧勝となり,仮に参議院で否決されても衆議院の再可決で法案が成立する3分の2以上の議席を与党が確保。そして,参議院はこの結果を受けて一転して郵政民営化法案可決ということになり,解散の論理はむちゃくちゃと思えたものの,小泉内閣にとっては結果オーライの解散総選挙だったと言えるでしょう。

 ただ,この総選挙の結果に関係なく野党の大半は一貫して郵政民営化に反対し,自民党内で反対を貫いた人は党を追われるなどしたため,結果的には「参議院自民党の郵政民営化反対議員の態度を反対から賛成に変えさせるための解散総選挙」という,ずいぶん身勝手な衆議院解散だったと言えるでしょうね。

 話を戻して,内閣に絶対的解散権があるという憲法上の根拠が乏しい件はさておいても,どういうケースで解散するのが正しいかというのは,結局はっきりわかりません。与党も野党も,結局は自党に有利なタイミングでの解散を画策しているだけではないでしょうか。そこで,この際,お互いに恨みっこ無しで,内閣による衆議院の解散は認めないように憲法を改正してはどうでしょうか。そもそも大統領制でない議院内閣制の下では,国会が多数を占める政党によって内閣が構成されるため,その内閣に国会の解散権を認めるのは多数政党に権利が集中しすぎてアンバランスと言えます。

 解散をなくす代わりに,任期は2~3年程度に縮めましょう。ただし,例外措置として,総理大臣が辞任した場合や内閣が総辞職した場合には,首班指名の前に解散総選挙することをルール化して欲しいですね。でも,そうなると,衆議院議員の任期よりもはるかに短い周期で,毎年コロコロ総理大臣が変わったりすると,毎年総選挙をする必要が生じてしまいますが。

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