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2009年2月12日 (木)

政府紙幣

 僕は経済オンチなので,経済関係の話題はあまりブログでは取り上げないんですが,最近の話題で本当にわからないのは「政府紙幣」のこと。日本銀行の代わりに政府自ら「政府紙幣」を発行して景気対策を進めるべきとの声が与党内にあると,最近報じられています。

 政府紙幣というのは,日銀発行の紙幣とは異なり,政府判断で自由に発行できる紙幣で,それがそのまま国家の資金になるものの,償還が不要で金利も付かないため,国債のような「債務」にはならない。要するに,資金的な裏付けがなくても「政府が自由に印刷してばらまける紙幣」だと認識しています(もし間違っていたらすみません)。

 ということは,ばらまいた分だけ既に流通している貨幣の価値が下がる(すなわちインフレになる)ということで,要するに,国家が国民から広くまんべんなく搾取するのと同じことですよね。なんでこれが「経済対策」と言えるのか,そしてこんなことが許されるものなのか,僕にはまったく理解できません。

 話は変わりますが,政府が勝手に紙幣を印刷してばらまくのは論外としても,流通する紙幣(日本銀行券)がなんで増え続けるのかというのは,僕にとっては子どもの頃からの大きな謎でした。僕が子どもの時,「銀行ごっこ」みたいな遊びをしたことがありますが,最初に同じだけの模擬貨幣を全員に等配分して,お互いに「商売」や「貸し借り」をしてその貨幣が動くわけですが,いくら貨幣が動いても,各人が持っているトータルの貨幣の量は増えも減りもしませんよね。

 でも現実世界では,100年以上も前に貨幣が発行されて以来,物価の上昇とともに貨幣の流通量は増え続けているわけで,「なんで流通貨幣が増え続けるのか」というのは,「鏡は左右を反転させるのに,なんで上下は反転しないのか」とともに,子どもの僕にとっては大きな謎でした。もし小さい子どもに聞かれた時,理解できるように説明するのは今でも難しいです。

 「鏡は左右を反転させるのに,なんで上下は反転しないのか」については,上手に解説されていた記事が見つかったので,以前書いたブログで引用しました。ただし,今はリンク先のサイトがなくなってしまっていて,ちょっと残念。

 もう一つの「なんで流通貨幣が増え続けるのか」については,恥ずかしいことに,いまだに僕には適切な説明ができません。日本銀行が銀行に貸し付けた金額が結果的に紙幣となって流通するということなんでしょうか? う~~ん,よくわかりません。子ども相手に上手く説明できる人がいたら,ぜひ解説をお願いしたいものです。

 過去の関連記事:鏡の中の世界(2005年11月21日

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コメント

こんにちは。
お子さんにわかるかどうか不明ですがトライしてみます。

個人が100人いて1億円ずつ銀行に貯金をしました。お金の額は100億円です。
銀行は「どうせ全員がすぐおろすわけではないから20億円だけ手元においといて後の80億円は貸し出して儲けちゃおう!」と考えました。そこへちょうど食品メーカーのA社が80億円貸してくれ!と言ってきたので、銀行はA社の口座に80億円を振り込みました。

この段階で、世の中に存在する貯金の総額は180億円になっています。

食品会社はその80億円を、原材料である野菜の仕入れ代金として80軒の農家に1億円ずつ支払いました。農家は皆受け取った80億円を翌年の経費に備えるために銀行に貯金しました。(貯金総額は変わらず180億円です。)

銀行は、農家から預かった80億円が全額すぐに引き出されることはありえないと考え、そのうち20億円だけを手元に残して、残りの60億円を「融資してくれ!」と言ってきた鉄鋼会社に貸し出しました。=鉄鋼会社の口座に振り込みました。

この段階で、貯金の総額は100+80+60=240億円です。お金は2.4倍になりました。

こんな感じでしょうか?

ちなみにこれが“信用創造”と言われるものです。小さい頃の遊びでは“お札”を移動させていますよね?だから総額が増えません。でも銀行は“通帳に記入するだけ”でお札を動かしません。なのでこんなことが起こるのです。

投稿: ちきりん | 2009年2月13日 (金) 01時18分

 こんにちは~。
 こんなアホな質問に,その道のプロのちきりんさんからコメントいただけたのには超感激です。それにしても,「個人が100人いて1億円ずつ預金」ってところが,さすがに豪快ですね~。
 で,現金が100億円しかないのに預貯金総額が240億円に膨れあがるからくりは,よくわかりました。でもこの場合でも,流通している(流通可能な)「紙幣」はあくまで100億円ですよね。
 つまり,最初の100人が預けた紙幣100億円が銀行に入り,食品会社が農家に現金で80億円支払ったとして,銀行に残る現金は20億円。農家が受け取った現金80億円すべてを銀行に預金したとすると,銀行にある現金は100億円で他の人はゼロ。60億円を銀行から鉄鋼会社の口座に振り込んだ後も,現金はやはり100億円が銀行にあるだけ。銀行と企業と個人がいくら取引をして預金残高が膨れあがっても,紙幣として流通するのは100億円より絶対増えないですよね。
 ただし,この状態で,仮にすべての預金者が現金を引き出そうとした時,当然現金が不足するわけで,その場合には銀行が日銀から紙幣の供給を受ける必要があり,しかもその時点で銀行の預金高はゼロになってしまうので,結局銀行は日銀から現金を借りる必要がありますね。つまり,今世の中に流通している紙幣というのは,ほぼすべてが「銀行の日銀からの借金」ということになってしまいます。そういう解釈で本当にいいんでしょうか?

投稿: かば | 2009年2月13日 (金) 23時00分

あ~、なるほど~。確かに説明が難しいかも。ところでかばさんが関心があるのは「流通してるお札の量」でしょうか?それとも「貨幣流通量」でしょうか?

今の日本だと「お札」の量は銀行が保管しているものを含めても、年末(一年で最も多い時期)で80兆円分くらいで、通常時期はもっと少ないです。一方「貨幣流通量」は約700兆円(M2+CD)。郵便貯金等までいれると1000兆円を超えてます。

おっしゃるとおり、この1000兆円とは信用創造でふくらんだ分を含みますから「全員が今キャッシュ化したい!」と言えば信用収縮が起こり「返せなくなる人・会社」がでてきます。これはまさに今おこっていることです。

こうなると、人や会社は倒産しますが、銀行を倒産させないために、今は日銀が「銀行にはいくらでも貸す」と決めています。これが取り付け騒ぎが起こっていない理由でしょう。そういう意味ではそれらは「日銀から借りたお金」といえます。

確かに説明難しいですね。かばさんを納得させられた自信は全然ないです。また考えておきます。
ではでは!

投稿: ちきりん | 2009年2月14日 (土) 11時44分

 こんにちは~。レスありがとうございます。
 僕が関心あるのは「流通している紙幣の量(お札と硬貨を含めて)」です。ごっちゃになってしまってすみません。「子ども銀行」のお札の総額はいくらがんばっても一切増えないのに,現実社会の紙幣がいったいどういうしくみで増え続けるのか,疑問に思ったものです。
 1万円あれば家が1軒買えた明治時代の紙幣は,今の流通量からすれば微々たるものですが,そんな時代から(ひょっとして大判小判の時代から?)今まで,誰かが勝手にお札を印刷してばらまいたわけではなく,常に信用上の裏付けが確保されながら増え続けているわけですよね。それが不思議なんです。(預貯金残高が増えるのは,ちきりんさんの説明で理解できましたが)

投稿: かば | 2009年2月14日 (土) 12時17分

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