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2009年2月22日 (日)

覆面レスラー

 JR常磐線の車内で,覆面プロレスラーで元岩手県議のザ・グレート・サスケ氏が,携帯電話で覆面姿のサスケ氏を撮影しようとした男性乗客に立腹し,携帯を取り上げて床に投げつけた上に男性に暴行したとして,暴行容疑で逮捕されたというニュースがありました。

 多くの人がカメラを持っている観光地などでは,所構わずカメラのシャッターを切っても,とがめられることはまずないと思いますが,電車の中で人に向けてシャッターを切るというのは,迷惑防止条例違反などの犯罪行為と見なされる可能性もあるので,カメラ付き携帯などで撮影する際には十分配慮する必要があるでしょう。サスケ氏は「俺にも肖像権はある」と主張していたようですが,覆面で顔を隠していたのに肖像権なんてあるのかと,この主張にはちょっと笑えました。

Photo
ザ・グレート・サスケ氏(asahi.comより転載)

 電車の中で覆面をしたままとは目立ちすぎやん! って思いますが,プロレスのことを知らない僕には,この写真を見ても誰なのかさっぱりわかりません。撮影しようとした男性乗客は,覆面してるのにサスケ氏だとわかったんでしょうか。そもそも,岩手県議だった頃のサスケ氏は,議場に入る時の本人確認などはどうしていたんでしょう。また,免許証の写真などはどうなっているんでしょうね。どうでもいいことですが,ちょっと気になりました。

 ネットで調べたところ,サスケ氏は議員当選後,それまで着用していたマスクに比べて大幅に顔の露出部分を増やすことにしたらしい(上の写真がそれでしょうか)。また,議会の一部党派が「覆面着用は議会の品位を損なう」と問題視して「議場での覆面着用禁止の会議規則改正案」を提出したものの,県会議で否決されて覆面着用が容認されることになったとか。でも,議員証の写真は素顔写真だったらしいので,覆面着用で議場へ入場するサスケ氏をどうやって警備員が本人確認していたのかは,やはりよくわかりません。

 覆面レスラーに限らず,一般人の場合でも,ある場面でその人が本人であることを確認するのって,本当は極めて難しい(というか,原理的には不可能ではないか)と思えてきました。顔写真付きの本人確認書類としては,運転免許証がよく用いられますが,その運転免許証自体を取得する時って,どうやって本人確認しているんでしょう。僕がン十年前に免許を取得した時の記憶では,申請書に住民票を添えることで本人確認に代えていたと思います。でも,住民票って第三者でも簡単に取得できるので,これでは本人確認になりませんよね。

 犯罪目的でもない限り,わざわざ他人名義の運転免許証を取得する人なんていないと思いますが,「そんなことする人はまずいない」という点だけが運転免許証の正当性の拠り所になっているというのは心もとないし,運転免許証が世の中のほぼすべての本人確認に通用することを考えると,けっこう心配です。

 最近のプロレスのことは知らないので,覆面レスラーというと,僕はタイガーマスク(漫画の方)やザ・デストロイヤーやミル・マスカラスあたりを思い出しますが(古すぎ?),マスクのデザインが常に変わらないレスラーならともかく,ミル・マスカラスなんて試合毎にマスクを変えていたらしいので,マスクをしたままでは絶対に本人確認は不可能でしょう。ていうか,素顔を知らない人にとっては,マスクを外したら,なおさら本人確認は不可能ですよね。

 ところで,普通の「顔出しレスラー」の場合は,素顔を見たからといって何も感じませんが,覆面レスラーみたいに顔を隠されると,どんな素顔なのか興味が湧いて見たくなる感覚ってありますよね。この感覚というのは,姿が見えるリアルの世界では相手の素顔に特別の興味が湧かないのに,ネットの世界で素顔を公表していない人に対して「素顔が見たい!」って強く思う感覚に,なんとなく似ているような気がしました。

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