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2009年1月12日 (月)

派遣切り

 「派遣切り」によって仕事や住居を失うといった問題が連日報道されていますが,非正規雇用というのは,派遣だけでなくパートやアルバイトもあり,企業側にとっては,パートやアルバイトは派遣労働者以上に「仕事打切り」がやりやすく,事例も多いのではないかと思いますが,今メディアを騒がせているのはほとんどが「派遣切り」の問題。パートやアルバイトに関しては不思議とあまり話題になっていませんね。実情はどうなんでしょうか,気になるところです。

 それはそれとして,派遣労働に関しては,経済界の強い要求により1999年にすべての業種で原則自由化されたものであり,企業が派遣労働の適用を拡大したり契約期間満了で派遣を打切ったりしたとしても,法的にはなんら問題ありません。「こういう時のために,簡単に打切りができる派遣労働を確保していた」というのが企業側の本音なのでしょう。それでも,「企業が安易に派遣切りをするのは許せない」「派遣労働によって生産調整するのは社会悪」みたいな論調が幅を利かせています(契約期間内の派遣解除はもちろん不当ですが)。

 たしかに,正規雇用の社員数を必要最小限に抑えて,大量の非正規雇用の労働力に頼り,いざとなれば非正規労働者を切り捨てるというやり方は決して褒められたスタイルではないし,大企業として社会的責任を果たしていないとも言えるでしょう。

 ただ,このあたりの実態は,業種によってかなり差があるような気がします。たとえば僕の働く職場の場合,今のところは「派遣切り」の話は聞かないし,そもそも,派遣労働者に対しては継続的に作業を確保する責任が生じるため,派遣労働者自体の採用を少なく抑えているのが実態です。

 かといって,もちろんすべての仕事を自社の正規社員で消化しているわけではありません。自社で実施する業務と社外に依頼する業務を区別し,社外に依頼(発注)する部分に関しては,基本的に請負発注としているのが実態です。このため,今問題となっている「正社員か派遣社員か」というのは,僕にとっては理解のできない世界といえます。

 派遣労働者が少なくほとんどが請負発注ということは,言い換えれば,生産調整はすべて請負発注量で調整しているわけで,取引先にそれなりの「しわ寄せ」が行っているということになりますが,これは「派遣切り」のように問題視されることはありません。社会トータルの雇用確保という意味ではまったく同じ問題にもかかわらず,片や「社会悪」として非難され,片やまったく「おとがめなし」というのは,不思議なものです。

 そういえば,2006年頃,メーカによる「偽装請負」が問題になった時期がありましたが,この時は「正規の派遣か請負にすべき。偽装請負は論外」というのがメディアの論調だったと記憶しています。そして今度はその「正規の派遣」が責められる時代になったということなんですね。

 過去の関連記事:偽装請負(2006年8月5日)

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