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2009年1月 3日 (土)

気の利いた対策を

 「派遣切り」などで仕事と住居を失った人を対象にした日比谷公園の「年越し派遣村」がパンク状態となったため,厚生労働省は要請に応じて日比谷公園近くの省内の講堂の緊急開放に踏み切り,約250人が講堂に移ったというニュースがありました。

 厚生労働省が住宅の無い人に省内の施設を開放するというのは極めて異例であり,画期的なことでしょう。なかなかやるじゃん! とは思いますが,この「緊急開放」は1月5日午前9時までという期間限定の措置。ここに避難した人すべてが1月4日までに新たな住居を確保できるとはとても思えないので,結局1月5日になれば,またまた大混乱になるんでしょうね。

 お役所にしては動きが速かった点は評価できますが,本質的にはこれは生活保護によって解決すべき問題のような気がします。生活保護に関して,本来受給されるべき人に受給されない(申請書の受取りが拒否される)問題を解決することがまずは重要ではないでしょうか。

 それにしても,片や公共スペースからホームレスを強制退去させることを行政はやってきたわけで,よくまあ相反することをできるものだと感心します。施設の緊急開放は政治家などからの強い要請があったからだと思いますが,やはり政治家やメディアが大々的に取り上げて目立った部分に対しては行政は弱いということでしょうか。

 「派遣切り」と並んで,昨年は「就職内定の取り消し」が何かと話題になりましたが,これに対する厚生労働省の対応が素早かったのも,やはりこの話題が目立って注目を浴びたからでしょう。

 この「内定取り消し」に関して,昨年末に厚労省は悪質な企業名を公表するための基準案をまとめたとのことで,それによると,公表の対象となるのは下記いずれかに該当する場合だそうです。
(1)2年以上連続して内定を取り消した場合
(2)同一年度に10人以上内定を取り消した場合
(3)事業活動の縮小を余儀なくされているとは認められない場合
(4)内定を取り消した学生や生徒に理由を十分に説明しなかった場合
(5)内定を取り消した学生や生徒の就職先の確保に向けた支援を行わなかった場合

 内定を取り消す企業というのは,なるべくそれが表沙汰にならないようにやっていると思うので,この5つの基準に触れたかどうかを,厚労省が公平に客観的に判定できるとはとても思えません。また,仮にそれがわかったとして,そのペナルティーがなんで「企業名の公表」なんでしょうね。

 企業名公表の目的は,次年度以降に就職活動する人への情報提供なのか,企業名公表が「見せしめ」になることを恐れて抑止力が働くのを期待するというお役所的発想なのかはよくわかりませんが,内定を取り消すほどの状況にある企業にとっては今さら社名を公表されてもあまり影響ないような気がします。もう少し気の利いた,効果的な対策を考えた方がいいと思いますよ。

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