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2009年1月 5日 (月)

刑務所の中

 仕事と住居を無くした人が急増して,世の中は大変なことになっていますが,ホームレスをするくらいなら,3食付きで住居が与えられる「刑務所暮らし」の方がマシ! と考える人が多いかも知れませんね。でも,自由がほとんどない刑務所暮らしがどれだけ大変なのか,あるいは意外と快適なのか,容易には判断できないでしょう。そんな人にとって判断材料となるのが,2002年公開の映画「刑務所の中」(監督:崔洋一,出演:山崎努,香川照之,田口トモロヲ ほか)でしょうか。【以下,ネタバレあり】

 この映画は,特に大きなストーリーはなく,主演の山崎努さんのナレーションとともに刑務所内の生活がコメディタッチで淡々と描かれているだけです。でも,内容は原作者の実体験に基づいているため,普通は知ることのできない刑務所内での生活がとてもリアルに描かれていて,一つ一つのシーンが本当に面白いです。

 同居者の「いびき」対策や,たまの「パン食」が待ち遠しかったり,ごはんに醤油を少し落とすとめちゃ美味しかったりなど,入所経験者でないとわからないだろうなと思えるシーンが満載です。また,刑務所には陰湿で怖いというイメージがありますが,この映画では,雑居房の同居人(5人)はけっこう「いい関係」が保てていて,適度な「和気あいあい感」が感じられました。

 ただ,大声を上げて整列して所内を後進する姿は異様だし,作業中にトイレに行く時や消しゴムを拾う時にも刑務官の許可がいるなど,刑務所生活というのは制約が多く,本当に滑稽でばかばかしいと思いますが,「自由がない」というのはこういうことなんでしょう。

 それにしても,日本の刑務所は必要以上に監視の目が厳しすぎると思います。片や,外国の刑務所生活を描いた映画としては,1994年制作のアメリカ映画「ショーシャンクの空に」(監督:フランク・ダラボン,出演:ティム・ロビンス,モーガン・フリーマン ほか)が有名。日本と比べると米国の刑務所はかなり監視の目が甘いので楽ちんと感じますが,その代償として,刑務所内でホモのおっさん集団に犯されそうになるシーンが何度もありました。やっぱりアメリカって怖い国です(笑)

 話を日本の刑務所に戻して,もし刑務所に入ったら,24時間完全拘束で外に出られないだけでなく,自由にトイレも行けないし「うたた寝」することもできない。もちろんアルコールも御法度。その代わり,寝食に困ることはないし毎日ではないもののお風呂にも入れます。さて,ホームレス生活とどっちがいいか? う~~ん,けっこう微妙で悩みます。

 この映画の終盤で,山崎努さんは懲罰を受けて独房に入ってしまいますが,一人で過ごせる独房の方が雑居房よりもずっと楽しいという感想を漏らします。たしかに,他人に気を使わなくてすむ一人暮らしの方が気楽というのは現代人のホンネであり,僕にもそれは痛いほどよくわかります。「懲罰のために独房入り」という規則は今の時代には通じないということでしょうね。

 過去の関連記事:一人で行動(2006年7月24日)

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