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2008年9月20日 (土)

赤旗配布に有罪判決

 2005年9月の総選挙の投開票日前日に,東京都内の警視庁職員官舎の集合ポストに共産党機関紙「しんぶん赤旗」の号外を配ったとして,国家公務員法違反(政治的行為の制限)の罪で在宅起訴された厚生労働省元職員に対し,東京地裁は求刑通り罰金10万円の判決。この裁判は,公務員の政治的活動を禁じた法律の規定が表現の自由を定めた憲法に違反するかなどが争点となっていたそうです。

 この手のニュースには必ず反応してしまう僕ですが,一つ言えることは,公務員の政治的活動については,公務中はもちろん私的な時間でも法律で制限されているのは事実。その意味で,この元職員の行為は,たしかに国家公務員法違反に当たると思います。ただし,この法律が憲法に違反しているかどうかに関しては,僕の個人的な意見は違憲(ギャグか)。公務時間中は当然禁止されるべきですが,公務時間外まで個人的活動を禁止するのは行き過ぎだと思います。公務に差し支えない時間外であれば,赤旗を配布しようと自民党の機関誌を配布しようと個人の自由であるべきと考えます。

 それはそれとして,やはり気に入らないのは,この手の事件が必ずそうであるように,警察・検察が特定の政党を狙い撃ちしたという点。配布したのが赤旗でなく民主党や自民党の機関誌だったら,まず摘発されなかったでしょう。この裁判で検察側は,「政治的偏向の強い行為で国民の信頼を著しく害するおそれがあった」と訴えていたそうです。広く「政治的活動」と言わずに「政治的偏向の強い行為」と主張している点が,まさに検察の「偏向」した主観で特定政党のみを摘発対象としたものといえるでしょう。

 そしてもう一つ問題なのは,この元職員は住居侵入の疑いで現行犯逮捕され,国家公務員法違反で追送検されたものの,このうち住居侵入罪については「軽微」として検察側は不起訴処分としていた点。昨年12月に,マンションに入って共産党のビラを配布した行為に対して「住居侵入罪」として罰金5万円の有罪判決が出た裁判がありましたが,この裁判のように,ある裁判では住居侵入罪で立件しておきながら,本件の場合は住居侵入罪を見送って,より裁判に勝てる可能性の高い国家公務員法違反での起訴。つまり,公正中立にすべての違反者を処分するのが目的ではなく,この元職員を有罪にすることが目的であって容疑はなんでも良かったということを示していると言えるでしょう。

 特定政党を狙い撃ちするのを目的に,5万円や10万円の罰金刑という軽微な犯罪の立件のために,相当額の捜査費や裁判費を税金から投入するという警察・検察のやり方には,非常に憤りを感じます。

 過去の関連記事:
  公務員の政治活動(2006年7月2日)
  公務員の地位利用(2007年3月27日)
  逆転有罪判決(2007年12月13日)

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