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2008年9月28日 (日)

こんな辞め方も

 昨日の「辞める理由」の続編です。中山国土交通相が大臣就任わずか5日で辞任(戦後2番目に短い記録とか)。大臣に就任したら,自分の所轄に全然関係ない内容にもかかわらず,言いたいことだけ言ってぱっと辞めてしまう・・・こんな辞め方もあるんですね。面白すぎます。しかも,中山氏が辞めた理由は「国会審議への影響を回避するため」で,例の日教組発言に対しては撤回も謝罪もするつもりはないらしい。

 2日前にも書いたように,全国学力テストを実施した目的が「日教組の強いところは学力が低いという中山氏の持論を証明するため」だったというのは,多くの関係者や生徒を欺く行為であり,巨額の税金の無駄遣いという点でも,これについては許し難いと思っています。でも,中山氏の発言を批判しているマスコミも野党も,この点についての批判はほとんどなく,なんだか外しているように感じます。まあ,この点は僕の感覚がずれているのかも知れませんが。

 この中山氏の日教組発言に対しては,日教組の実態がどうで,何が問題なのかといった事実が一般人にはほとんど伝わってこないため,僕は否定も肯定もできません。かつて僕が中高生だった頃は,土地柄もあり時代も時代だったので,日教組の組織率が高く,ほとんどの教師が組合員だったと思いますが,組合員教師が特別に目立った行動をしているという印象はなく(たまにストライキはありましたが),むしろ非組合員の教師の方にちょっと変人が多かったかなという程度の印象でした。そして今,自分の子供を小中高に長年通わせていますが,日教組が問題だという具体的な事例はこれまで何一つ耳に入って来ていません。

 中山氏のような政治家だけでなく,世の中には日教組の存在を問題視している人が多いようですが,右翼の街宣車が日教組批判をしているのと同レベルの内容しか僕には聞こえてきません。この機会にぜひ,具体的な事例や正確なデータをきちんと国民に開示し,なぜ「日教組の解体」が必要なのか,なんらかの法的手段なり法改正が必要なのかを,ぜひ論理的に明らかにして欲しいものです。

 ちなみに,「全国学力テストにより日教組の強いところは学力が低いということが証明できた」という「中山説」に対して,朝日新聞は「成績トップの秋田の日教組の小中学校組織率が5割超で全国平均(34.1%)を大きく超えるなど,全体的な相関関係はうかがえない」と報じていました。以下asahi.comから引用↓

 教員採用不正事件を引き合いに出しながら中山氏がやり玉にあげた大分は,小中学校の日教組の組織率が6割を超える。今年の全国学力調査では,小6,中3の全科目で,平均正答率が全国平均を下回った。この点だけをみれば発言は「当たっている」ようにもみえるが,科目によって結果はばらつく。小6国語Aでは全国平均と2.9ポイントの差が付いたが,小6算数A,中3国語Aでは,わずか0.2ポイント差だ。
 では,調査の成績が良かったところはどうか。中山氏の出身地で選挙区でもある宮崎は,小6の2科目と中3の全科目が全国平均を上回るまずまずの成績で,組織率は1割未満。ところが,小6の全科目でトップ,中3もすべて上位3位に入った秋田の組織率は5割以上。組織率が9割近くと全国トップを誇る福井は,中3の3科目で1位だった。
 「中山説」では,成績の低いところは日教組が強いはずだが,小6,中3の全科目で最下位だった沖縄の組織率は4割弱にとどまる。中3の全科目でワースト2位だった高知に至っては1割に満たず,何ともバラバラだ。

Photo

 ということで,これを読んだだけでは僕にはよくわかりませんが,いずれにしても,日教組の問題点を証明する手段が生徒に対する全国学力テストというのは,あまりにも短絡的でばかげていると思います。中山氏には,このテストのために使った税金を返せと言いたいぐらいの気分です。日教組の問題点を指摘したいのなら,教師全員に対して適正テストをするとか,教師の勤務状況を確認して組合活動との関係を調べるとか,違う方法がいくらでもあったと思いますよ。

 過去の関連記事:いろんな先生(2006年11月4日)

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