« クライマーズ・ハイ | トップページ | 連帯責任 »

2008年8月 1日 (金)

特別扱い

 故・黒沢明監督の映画作品の格安DVD販売をめぐって著作権の保護期間が争われた訴訟の控訴審で,「羅生門」「生きる」などのDVDを販売した会社の「著作権は公開後50年で切れている」との訴えは棄却され,DVDの販売差し止めを命じる判決。判決では,著作権を受け継いだと主張する「東宝」「角川映画」の請求を認め,訴訟の対象となった作品については黒沢監督が映画の著作者の一人と認定。旧著作権法に基づき,黒沢監督が死亡した1998年から38年後の2036年まで著作権が存続すると判断。

 約11ヶ月前の一審判決の時にも書きましたが,映画というのはどう考えても団体の著作物だと思います。映画に関して個人の著作権を認めたら「関係者が全員死亡してから38年間」ということになり,関係者のどこまでが著作権者かさえはっきりしていない現実を考えると,相当無理のある判決だと思います。結局は,黒沢監督だからこそ「特別扱い」をしているとしか思えません。僕にとっては,なんとも不愉快なすっきりしない判決です。

 話は変わって,もう一つ「特別扱い」と感じるのは,政府・与党が,原油高対策として漁業用の燃料費の値上がり分を事実上直接補填する方針を決めたこと。この緊急対策費の総額は745億円とか。

 原油高に対する緊急対策はいいとしても,漁業だけが明らかに特別扱い。漁業ストが大々的にテレビなどで報じられて目立ったからなのか,与党を支援する漁業関係者の圧力なのかは知りませんが,素人目にはなんとも「いやらしい」と映ります。片やガソリン税は引き上げ,片や漁船に対しては石油値上がり分を補填というのは,なんともすっきりしない政策です。しかも,今後石油価格が元に戻る可能性は低いので,結局は,この補填は単なる「一時しのぎ」で,原油高に対する根本対策にならないのは明らかです。

 過去の関連記事:映画の著作権(2007年9月16日)

|

« クライマーズ・ハイ | トップページ | 連帯責任 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/149573/42026339

この記事へのトラックバック一覧です: 特別扱い:

« クライマーズ・ハイ | トップページ | 連帯責任 »