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2008年8月31日 (日)

偽計業務妨害

 デンバーで開会中の米民主党大会で,オバマ上院議員を狙った暗殺計画が明らかになり,ライフルなどを所持していた男ら3人が逮捕されたらしい。容疑者の1人はオバマ上院議員暗殺のためにデンバーに来たことを認め,「約700m離れた高台からライフルで撃とうとしていた」と語っているとか。

 さすがにアメリカは物騒な国ですが,日本でも,ネットの掲示板で「皇太子を殺す」との殺害予告をしたとして,警視庁が岐阜県在住の容疑者を偽計業務妨害の疑いで逮捕したというニュースがありました。もっとも,オバマ上院議員の場合は具体的に暗殺計画を立てて行動に移していたのに対して,日本での「事件」は何も具体性がなく,単にネットで書き込んだだけというもの。このため,容疑は殺人未遂でもなんでもなく,単なる偽計業務妨害。つまり,このウソの書き込みが警察署員の通常業務を妨害したという容疑だそうです。

 ネットで殺人予告だなんて,とんでもない不愉快な行為だと思いますが,厳重に身辺警備されたVIPの暗殺というのは,たとえプロの殺し屋でも実行が困難でしょう。対象がVIPであればあるほど非現実的であり,しかも,この容疑者の場合は東京から何百キロも離れた遠隔地に住んでいる人間。具体的な行動を何も伴わないネットの書込みだけで摘発するというのは,かなり無理があるような気がします。

 だからといって,偽計業務妨害での摘発というのもちょっと苦しい。その書込みが「警察署員の通常業務を妨害した」ことをきちんと立証できるとは思えません。ていうか,僕としては「そんなイタズラ書きで通常業務を停滞させるなよ!」って思います。この容疑は立件が難しいような気がするので,むしろ,対象が皇室だったこともあり,ネットでの犯罪予告などの書込みに対して当局は厳正に対処するという,一種の「見せしめ」的な効果を狙ったのかも知れませんね。

 それにしても,このニュースで気になったのは,警察組織がネットの書込み内容を常に監視しているということと,然るべき公的機関が権力を行使して調査すれば,ネット上で書き込んだ人間を簡単に特定できてしまうということ。

 犯罪予告などは論外として,そこまでいかなくても,ネットの匿名性を隠れ蓑にして非常識な書込みをやりたい放題やっている人間は世の中にいっぱいいます。こういう非常識な行為にブレーキをかける効果は期待できるかも知れませんが,それでも,ネットの内容を常時誰かに監視されているかと思うと,ちょっと気色悪いですね。もし「皇太子&殺人計画」なんていうキーワードでブログを検索されたら,まさに今書いているこの記事がヒットしてしまうわけで,そう考えるとちょっと恐いです。

 そして,何よりも気になったのは,この「偽計業務妨害」というのがどの範囲にまで及ぶのかということ。どこまでが刑事事件の範囲でどこまでが民事の範囲なのかがはっきりしないし,この「業務」というのが,警察署員などの公務員の業務だけが対象なのか民間人にも及ぶのかもよくわかりませんが,「通常業務を妨害した」として摘発されるのなら,拡大解釈したらネット上の多くの書き込みに対しても犯罪が成立してしまうような気がします。たとえば,ある政治家に批判的な記事を書いたような場合,もしその中に誤った記載があったりすると,その政治家がその記事を読んだり反論することによって「通常業務を妨害された」と訴えるというケースがあるかも知れません。ということで,いろんな意味で,ちょっと気持ちの悪いニュースでした。

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2008年8月29日 (金)

国民栄誉賞

 北京オリンピックが閉幕したのを受けて,政府は競泳の100m・200m平泳ぎで2大会連続金メダルを獲得した北島康介選手に国民栄誉賞を授与するかどうかの検討に入ったとか。

 国民栄誉賞は「広く国民に敬愛され,社会に明るい希望を与えることに顕著な業績があった方に対して,その栄誉を讃えることを目的とする」とのことですが,具体的な選考基準が何もないため,授与のたびに,それが妥当かどうかをめぐって賛否両論渦巻くのが「お約束」のようになっています。今回もやはり「なんで北島選手だけ?」みたいな議論が出ているようです。ちなみに,アテネオリンピックの時に,当時の小泉首相が「金メダル獲得者全員に国民栄誉賞を」という提案を政府内でしたものの,総スカンを食って撤回し,結局アテネオリンピック関連では国民栄誉賞受賞者は出なかったらしい。今思えば,小泉元首相のこの提案の方が今よりはるかに受賞基準が明確だったように感じます。

 この賞は,福田赳夫内閣時代の1977年8月に創設された賞ですが,創設時にはっきりした受賞基準を設けなかったのは失敗でしょう。第1号受賞はプロ野球の王貞治選手で,受賞理由は「ホームラン世界新記録達成(756号本塁打)」とされていますが,なんだかとってつけたような賞を新設したものだと,当時感じたものです。そもそも,当時の日本の狭い野球場で打った本塁打数はあくまで「日本一」。これを「世界一」と胸を張るのは日本人として超恥ずかしかったです。王選手自身も「大リーグだったらこんなには打てなかった」と発言されていた記憶があります。

 その後の受賞者は,古賀政男・長谷川一夫・植村直己・山下泰裕・衣笠祥雄・美空ひばり・千代の富士・藤山一郎・長谷川町子・服部良一・渥美清・吉田正・黒澤明・高橋尚子 という顔ぶれ(以上,敬称略)。なんだか支離滅裂な感じがします。

 ちなみに,国民栄誉賞の受賞を打診されて辞退した人も何人かいて,有名なところではイチロー選手が過去に3回辞退しているそうです。さすがにイチロー選手はただ者ではないと感じます。また,阪急ブレーブス(当時)の福本豊選手は,1983年に「世界記録」となる通算939盗塁を達成した際,国民栄誉賞の授与を打診されたものの,「そんなんもろたら立ちションもでけへんようになる」と辞退したとか(Wikiより)。さすがに生粋の大阪人の福本選手,ナイスなコメントです。

 ところで,この賞に限らず,「なんとか賞」というのは,会社内で社長が従業員を表彰したり,ある大会の主催者が参加者を表彰したりするように,力関係が上の者から下の者に対して授与するのが基本ですよね。たとえ総理大臣でも,国家事業とは無関係の民間人とは上下関係は無いはず。にもかかわらず,民間人に対して国民栄誉賞を授与する総理大臣って「いったい何様?」と思います。素直じゃなくて,すみません。

 過去の関連記事:
  表彰状(2006年1月18日)
  日米通算記録(2007年8月16日)

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2008年8月27日 (水)

刑事訴訟法改正

 刑事裁判で犯罪被害者や遺族が被告に対して質問などができる「被害者参加制度」を盛り込んだ改正刑事訴訟法が2007年6月に成立していますが,政府はこの法律の施行日を12月1日とする方向で調整に入ったそうです。

 この制度は,「被害者が蚊帳の外に置かれている」などと主張する被害者団体側の強い要望を受けて成立したもので,対象となる裁判は,殺人・強姦・誘拐・業務上過失致死傷などの重大事件。被害者らが希望して裁判所が許可した場合に「被害者参加人」として検察官の隣に座り,被告に事実関係を直接質問したり証人に被告の情状を尋問できたりするそうです。検察官の論告求刑の後で,法律の範囲内で量刑意見を述べることもできるとか。

 以前の記事にも書きましたが,刑事裁判というのは,起訴された犯罪事実が正しいかどうか,および,犯罪事実があった場合にはその量刑を客観的証拠と法律に基づいて判断する場です。被害者や,被害者の遺族や,加害者の親族などの利害関係者の「出る幕」ではないと思います。判決が出ていない段階で関係者が口出しして議論するなんて,裁判が「学級会」化してしまうような気がします。

 刑事裁判の場合,被告が実際に罪を犯した場合と無実の場合がありますが,それぞれの場合について,被告が犯行を認めている場合と認めていない場合があり,計4とおりの組合せがあります(無実なのに犯行を認めるというのはレアケースですが,身内をかばったりヤクザの親分の身代わりになったりしたような場合にはあり得ます)。被害者が無実の人に対して直接質問したとしても意味ないし,話がかみ合わないだけでしょう。被告が実際に罪を犯したのにそれを認めていないような場合にも,同様に話がかみ合わないでしょう。

 この制度の目的はイマイチはっきりわかりませんが,被害者の心情を法廷で吐露することによって原告(検察側)を有利にすることが目的なら,被害者が証人として出廷して証言するだけでも十分でしょう。

 それが目的ではなく,「被害者の心情を被告に直接訴えたい」というだけの目的であれば,裁判の中ではなく,裁判官も裁判員もいない場所でそういう機会を設けられるような法改正をすればいいだけのこと。あるいは,特別な機会を設けなくても,被告人への面会という形でそれを実現することも可能だと思います。

 また,検察官の論告求刑の後で,被害者が量刑意見を述べることもできるようになるそうですが,もともと検察は可能な範囲で最も重い量刑を要求するのが仕事なので,被害者がそれ以上の量刑を述べるとも思えないし,仮に述べても裁判官が求刑以上の判決を出すことは考えられません。逆に,被害者が求刑よりも軽い量刑を要求するというのも,検察の立場としては困ることになりますね。極端な場合,もしキリストのような被害者がいたら,検察の意に反して「あなたの罪を許します」みたいな発言をするかも知れませんよ。

 そんな折り,愛知県で警察官ら4人が死傷した発砲立てこもり事件の公判が名古屋地裁であり,被害者の遺族らが意見陳述し,家族を亡くした悲しみや被告に対する怒りを訴えたというニュースがありました。この中で,殉職した警部の妻は,「娘が仏壇の主人の写真に話しかける姿を見るとやりきれない」などと悲しみを吐露し,そのうえで「どんな判決が下されても心の傷は消えないが,一番重い刑を望みます」と述べたとか。

 実際にこういう意見陳述の機会があり,しかも「一番重い刑を望みます」と,量刑に対する希望までしっかり述べられています。現行法でここまでできるのなら,これで十分ではないでしょうか。制度を改定する必要性が僕にはよくわかりません。

 過去の関連記事:被害者参加制度(2007年4月22日)

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2008年8月26日 (火)

北京オリンピック終了

 北京オリンピックが終了したので,オリンピックに対する僕なりの感想を。独断と偏見に満ちた感想ですが,ご了承下さい。

 さて,サッカー・柔道・重量挙げ・レスリングなどのように,昔はなかった女子の競技がずいぶん増えたものですが,それはそれでいいとしても,ぱっと見ただけでは女性だとわからない選手が多いのには圧倒されます。柔道なんて,柔道着の下にシャツを着てなかったら女性だとわからない選手とか,「どこが『なでしこ』やねん!」と突っ込みを入れたくなるようなサッカー選手とか,女子バドミントンの準々決勝でオグシオに勝った中国選手なんて,外見はどう見てもオッサンでしたよ。

 その中国選手とは対象的に,オグシオの潮田玲子選手なんて,めっちゃ女らしくてオヤジ好み。スポーツは外見よりも実力が第一とはいえ,オヤジとしてはやはり美人選手には弱いです。だからといって,美人選手は引退したら芸能界入りしようなんてことは考えない方がいいですよ。スポーツをしている姿が美しい女性が,普通の服を着たらどこにでもいる,ぱっとしないおねえさんといっしょ・・・という失敗例はよくあります。

 話は変わって,格闘技に関して。柔道やレスリングなどの格闘技って,いかに客観的に公正に判定するのか,ホント難しいものだと思います。その試行錯誤の結果が今の奇々怪々なルールなのかも知れませんが,反則1本の差で勝敗が決まったり,いかにして反則を取られないようにと,選手が審判の顔色を伺いながらプレーしたりする柔道って,なんか違うよなーと思います。勝っても負けても「一本」で決まるとホント気持ちいいものです。この反則ポイントは審判の主観に依るところが大きく,どうも客観性に難があります。いずれはフェンシングみたいに,電気的・科学的に判断するような時代が来るかも知れませんね。

 このフェンシングって,素人目には,結局は腕の長さで決まるじゃん! って思えたりしますが,それを言ったら競泳なんかも同じかも。競泳の場合,100メートル=約60秒とすると,1メートルあたり0.6秒。つまり,10センチの身長差は0.06秒ですね。ということは,単純計算で,身長が10センチ高ければ0.06秒有利ということになり,0.01秒を争う競泳では,この差は大きい。そう考えると,外国選手に比べて小柄な北島選手の世界記録や金メダルというのは見事です。

 北島選手といえば,スピード社の水着「レーザー・レーサー」の着用が何かと話題になっていましたが,たかが水着でそんなに差が出るものなんでしょうか。特に男子選手の場合はほとんどが下半身だけの水着。下半身にしか着けない水着でタイムが大幅に短縮できるなんて,僕にはどうも信じられません。各選手の水着メーカーとの契約がどうなっているのかは知りませんが,オリンピック直前に着用する水着を変更するなんて,よくやるよなーと思います。特に,この水着を着て200メートルバタフライで銅メダルを獲得した松田選手はミズノの社員とか。う~~ん,もし僕がミズノの社員だったら,ぜったいそんなことする勇気はないですね。

 いずれにしても,スポーツというのは,選手個人の力だけでなく,指導する人の指導力・組織力や,水着などのウェアや用具の性能まで含めた総合力の争い。用具は外国製を含めたベストなものを選択するのは当然だし,外国から優秀な指導者を招くケースも多く,国際化は当然の流れでしょう。にもかかわらず,「選手の国籍」で分けて国別に争うというオリンピックのスタイルは,今どきちょっと無理があるような気がします。このため,シンクロで優勝した中国チームの日本人コーチに対して,ネットで「裏切り者」というとんでもない書込みをする人が出てくるのでしょう。一方で「平和の祭典」といいながら,他方ではナショナリズムを煽るようなシステムになっているのが今のオリンピック。そろそろこのやり方から脱却してもいいのではないでしょうか。

 メディアがいつも発表している「国別メダル数」なんて,ナショナリズムを煽っているだけとしか思えませんが,そもそも,一人で何個もメダルを取れる競技もあれば,球技のようにチームで1個しか取れない競技もあり,団体競技の場合にチーム人数分の「獲得ダル個数」をかけて数えることもしていません。このように,「重み」がまったく異なる複数競技のメダル個数を単純に合計することに,そもそも意味がないと思いますよ。

 それにしても,ロケットを打ち上げて人工降雨を起こして天候を調整するとは,さすがに中国はやることのスケールがケタ外れです。この人工降雨に関しては,日本ではまだ実用段階ではないこともあり,本当に実現可能なのかはよくわかりませんが,人間が地球自然を人為的に操作することに対してはある種の不快感を伴います。空中へ散布した物質による環境への影響も心配です。もしこれが実用になったとしても,水不足の解消など,必要最低限の使用に限定すべきであり,たかがオリンピックごときに使用するのはやめて欲しい気がします。でもまあ,もし実用になれば,個人的には,花粉が飛ぶ時期に,花粉飛散防止対策として1日おきに雨を降らすような用途に使用して欲しい気もします。わがまま言ってすみません。

 過去の関連記事:性別検査(2006年12月27日)

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2008年8月25日 (月)

日本以外全部沈没

 CSで放送されていた映画「日本以外全部沈没」(2006年公開,監督:河崎実,出演:小橋賢児,村野武範,寺田農 他)を見ました。内容は,日本列島以外の陸地すべてが沈没してしまった世界を舞台に,日本へ殺到した外国の元首や著名人などの悲惨な境遇と,排他的な日本人の醜い姿を描いたSF映画です。原作は筒井康隆氏が1973年に発表したSF短編小説で,当時ベストセラーとなった小松左京氏の「日本沈没」のパロディ。「日本沈没」のヒットを祝うSF作家の集まりで,星新一氏がタイトルを考案し,小松左京氏の許可を得て筒井康隆氏が執筆したそうです。

 ばかばかしくって笑える映画ですが,ブラックユーモアがきつくて,笑うに笑えない場面も多く,何より,諸外国の人には絶対見せられない映画ですね。突然世界を征服することになった日本の「安泉純二郎」総理に対して,中国の元国家主席や韓国の元大統領が,神社参拝してこびへつらうシーンがあったり,天気予報ならぬ「外人予報」なる番組で,外国人が増える地域を予想して日本人に注意を促したりするなど,いくら映画とはいえ,下手したら国際問題になるんじゃないかとドキドキしました。

 でも,アメリカ大統領が脱出する時の,自国民に対する言い訳の演説は,いかにもアメリカらしくて笑えたし,「日本が本当に難民を受け入れることが可能なのか?」という難民問題を真剣に訴えているようにも見えました。

 それにしても,ばかばかしいストーリーです。森見登美彦氏の小説「四畳半神話大系」の中で,主人公が映画サークルで作ったばかばかしい映画に対して,明石さんという女性が「また阿呆なものを作りましたねえ」というセリフがとても印象に残っています(と書いても,読んだ人にしかわからんでしょうが)。まさにこの表現がピッタリの映画でした。ほんと阿呆な映画を作りましたねえ。笑えます。

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2008年8月24日 (日)

民主党代表選挙

 「無投票は望ましくない」と出馬に向けて調整を続けてきた野田佳彦氏は,9月8日告示の民主党代表選への出馬を断念したとか。このため,代表選は小沢一郎氏の無投票3選が確実な情勢らしい。野田氏の代表選出馬に対しては,党内野田グループ内でも慎重論が強く,出馬に必要な20人以上の推薦人確保が難しいと判断したためとのこと。

 ある一政党の代表を決める話なので,党員でない一般国民にとってはどうでもいいニュースですが,それにしても,民主党というのはなんとももったいないことをするものです。無投票となることによって,党が「一枚岩」であることを有権者にアピールしたかったのかも知れませんが,元自民党員や元社会党員で結成されたこの党が「一枚岩」だなんて,もともと誰も思っていないでしょう。むしろ,無投票で選ばれることに対して,「密室政治っぽくて不透明」との悪印象を与えると思います。それ以上に,「適任者が小沢氏しかいない」という,いかにも人材不足という印象を与えます。

 僕が「もったいない」と思う理由は,何らかの代表選をすれば,黙っていてもマスコミが報道してくれるため。代表選というのは,候補者の政策(=当選後は党の政策にもなりうる)などをマスコミがタダでPRしてくれる格好の場なんですよ。マスコミが一政党の代表選を公的選挙であるかのように報道するメディアには大いに不満がありますが,それが現実。

 もっとも,代表選があったとしても,自民党の総裁選と比べるとメディアの扱いが小さくなることは想像できます。それは,自民党の総裁選は実質的に総理大臣を選ぶ選挙だからでしょう。でも,自民党支持率が低迷し,次回総選挙でひょっとしたら民主党が政権を取るか? と言われている今,今回の民主党代表選は次期総理大臣を選ぶことになるかも知れないという可能性を考えると,もし本気で代表選をやれば,有権者の注目度もアップするし,マスコミもそれなりの扱いをすると想像できます。ということで,せっかくの機会を無投票で終わらせるなんて,ホントもったいないことをするものだと思います。立候補要件が厳しすぎて候補者が集まらないなら,党規を変えてでも立候補要件を緩和すべきだと思いますよ。

 もっとも,代表選をやったとしても,いったん退いた毎度おなじみの顔ぶればかりの候補者だったりしたら,党の人材不足を宣伝しているようで,かえって逆効果かも知れませんが。

 それにしても,民主党って,しょっちゅう代表選を実施している印象が拭えません。任期が2年って短すぎませんか? それでも,これまで2年の任期を全うした代表は数少ないみたいですが。

 過去の関連記事:民主党の代表選(2006年9月1日)

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2008年8月23日 (土)

大阪くらしの今昔館

 お盆の帰省中に行ってきた所をもう1箇所紹介。大阪の天六(天神橋筋六丁目)にある「大阪くらしの今昔館」です↓
http://house.sumai.city.osaka.jp/museum/frame/0_frame.html

 まずは「なにわ町家の歳時記」のコーナー。「1830年代の大坂の町」が,約1,100平方メートルの空間に再現されていて,当時の町並みと裏長屋の様子を見ることができます↓

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 1830年代って,いわゆる江戸時代ですが,「江戸時代」と言わないところがさすが大阪人ですね。

 そして,もう一つのコーナーが「モダン大阪パノラマ遊覧」で,近代大阪の代表的な住まいと暮らしが模型などで再現されています。この中で,僕が特に興味を引いたミニチュアが,これ↓

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 「城北(しろきた)バス住宅」という集合住宅で,戦後,焼け出された人の救済のために,廃車になった木炭バスを集めて仮設住宅にしたものだそうです。昭和26年(1951年)まで存続していたとか。

 この木炭バスの模型を見て僕が思い出したのが,かつて京都市内を走っていたトロリーバス。色と形がとてもよく似ています。京都市内の四条大宮から松尾橋まで,四条通を往復していた電気バスで,子どもの頃に何度か乗った記憶があります。ネットで探したら実物の写真がありました。これ↓
http://hp1.cyberstation.ne.jp/shasou/kyotoshi/kyotoshi25.html

 環境対策として,今は電気自動車の開発が進められていますが,バッテリーの小型化や充電時間などの問題がネック。決まったルートしか走らない路線バスには,こんなトロリーバスが復活したりする?・・・わけないか。

 そして,この「大阪くらしの今昔館」では,8月31日までの夏休み企画として「昭和のくらし探検!― 懐かしい日常のモノ語り」という企画展示がされています↓

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 昭和時代の家庭用品が展示されているだけですが,僕にとっては懐かしくてたまりません。

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(白黒テレビと黒電話)

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(ローラー絞り器付きの洗濯機)

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(足踏み式ミシン)

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(円筒型の掃除機)

 そして,詰め替え式の殺虫剤噴霧器。これでゴキブリを仕留めた記憶がありますよ。

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 極めつけは,いっぱい飲んだ記憶のある「渡辺 オレンヂ・ジュースの素」。未開封の現物がよく今まで残っていたものです。

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2008年8月22日 (金)

こんな夢を見た

 「こんな夢を見た」の文字で始まる8話のオムニバス映画があります。黒澤明監督の「夢」(1990年作)という映画で,黒澤監督が実際に見た夢が題材になっているとか。黒澤監督の晩年の映画はあまり好きではありませんが,その中で,この映画だけは僕はけっこう好きなんです。それはともかく,昨夜(というか明け方)は,僕はこんな夢を見ました・・・

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 夏なのに,どういうわけか雪が降っています。道路上のクルマはみんな夏タイヤでスリップして大変。僕のクルマは坂になった駐車場に駐車中でしたが,そこへ突然,紺色の軽自動車が猛烈なスピードで駐車場へ進入してきてスリップしながら壁に激突。そのクルマに駆け寄って車内を見ると,運転していたのは年配の女性でした。僕が「救急車を呼びましょうか?」と声をかけると,そのおばさんは携帯を手にして「自分でかけます」とのこと。

 しばらくすると救急車のサイレン。救急車を誘導しようと坂の上まで上がると,なんと,やって来たのはヤマト運輸の宅配車で,クルマから降りてきたヤマトの配達員は,「救急車が足りない時は委託されて救急車の代行をしてるんです」と言います。そして僕は,配達員を事故現場に案内しようとするんですが,狭い道に迷ってしまって,いつまで歩いても目的の場所に到着しない・・・

 そこで目が覚めました。う~~ん,続きを見たかった。なんだか妙に臨場感のある夢で,ちょっと不思議な感覚でした。黒澤監督が自分の見た夢を映画にした気持ちが,なんとなく理解できたようです。

 ところで,「夢はカラーかモノクロか?」というのが話題になることがありますが,この夢は明らかにカラーでしたね。事故を起こした軽自動車が紺色だったのと,ヤマト運輸の配達車の緑色や,配達員の制服の緑色がはっきりと記憶にあります。

 ちなみに,今日の朝,通勤途中の道路でけっこう大きな交通事故(クルマどうしの衝突)を目撃。そしてこちらは,8月と思えない,めちゃくちゃ寒い1日でした。さすがに雪は降りませんでしたが・・・「正夢」とまではいきませんが,今日はちょっぴり不思議な1日でした。

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2008年8月19日 (火)

横尾忠則展

 兵庫県立美術館で開催中の「冒険王・横尾忠則」展を帰省中に見てきました↓
http://www.artm.pref.hyogo.jp/exhibition/index.html

 僕が若い頃に買った「江戸川乱歩全集」に,横尾忠則氏の挿絵が使われていた記憶が今でも鮮明に残っています。グロテスクな江戸川乱歩の小説には横尾氏の絵がぴったり。僕はそれ以来の横尾ファンですが,氏の個展を見たのは今回が初めて。神戸市にある兵庫県立美術館は2002年開館と新しく,広くて見やすい美術館で,しかも館内は空いていて「人の背中しか見えない」なんてこともなく,ゆったり見られて大変満足できた展覧会です。

 ところで,横尾氏の絵は,その「健全性」に関して何かと物議をかもしています。たとえば,文部科学省の07年度教科書検定では,高校用の「美術3」に収録しようとした横尾忠則氏のポスターが「健全な情操の育成に必要な配慮を欠いている」と検定意見がついて差し替えられたという話題がありました。

 また,この個展は4月から6月まで東京の世田谷美術館で開催されていましたが,世田谷区の22校の小学4年を対象にした美術鑑賞教室が,「小4には理解が難しい」との区教委の判断により直前に中止になったという話題もありました。これに対して横尾氏は,「前近代的な意見だ。僕自身はエロチックなものをブラックユーモアとして還元させてきた。子供は敏感に感じ取ってくれる。僕が冒険小説に夢中になった年齢の子供たちに同じ経験をして欲しかった」とのコメント。

 この話題がニュースで取り上げられたおかげで,僕はこの展覧会の存在を知ることができたのでラッキーでしたが,僕が見た限り,小学生に見せても全然問題ない内容だと思います。ぜひ親子でお出かけ下さい。なお,兵庫での開催は8月24日までです。

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 横尾忠則作「ジュール・ヴェルヌの海」

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2008年8月18日 (月)

火垂るの墓

 野坂昭如氏の直木賞受賞作「火垂るの墓」と言えば,高畑勲監督のアニメ版(1988年)が有名ですが,同名映画の実写版が今公開されています(監督:日向寺太郎,出演:吉武怜朗,畠山彩奈,松坂慶子,松田聖子 ほか)。7月に公開されたこの映画は,関東地区では東京の岩波ホールでしか見られませんが,関西では京阪神各都市で上映中のため,帰省中に京都で見てきました。【以下,ネタバレあり】

 この物語は,太平洋戦争末期から戦後にかけての神戸が舞台で,両親を亡くした兄妹が飢えと闘いながら必死で生き抜こうとする兄妹愛を描いたものです。昔見たアニメ版は,重苦しくて切なくて哀れで,涙なくしては見られない映画でした・・・ということで,この実写版も大いに期待しました。

 全体的な感想としては,アニメ版の雰囲気がよく再現されているものの,「泣ける映画」ではなかったです。この物語は,両親を亡くした兄妹が頼った先の親戚のおばさんの「えげつない意地悪さ」がひとつのポイントで,アニメ版はそれが巧みに表現されていて兄妹への同情を誘っていたと思いますが,実写版で松坂慶子さん扮する未亡人は,アニメ版とはちょっとキャラが違ってました。この時代にしてはありえない「ぽっちゃり系」だったのはご愛敬としても,イマイチ「意地悪さ」が足りない。アニメ版のおばさんは,マジきつかったのに。

 それと,食糧難のこの時代に,疎遠な親戚の子どもに突然訪ねてこられたら,やっぱり本心は迷惑だろうなと思うし,兄妹の母親から預かった着物を売って工面して食料を手に入れるというのも,兄妹に食べさせるためにはある意味しかたないことだと思うので,この未亡人にいくらかは同情できました。

 もう一つ違和感があったのが,この兄妹が,食事を終えて「ごちそうさま」と言って片付けをせずにそのまま席を立っていたこと。セルフサービスの我が家では,食事を終えたら,使った食器は各自がキチンとキッチンに持っていくようにしつけているだけに,居候の身である兄妹が片付けすらしない点がちょっとひっかかりました。ちょっと厳しいかも知れませんが。

 アニメ版では,食べ物が手に入らず,妹がだんだんやつれて病死していくシーンが,けっこう恐くて悲しかったですが,実写版ではそこがかなり省略されていて,兄が盗みをはたらくことの必然性の描写が不十分だと感じました。

 恐かったのは,中学校に火災が発生し,当時「御真影」と呼ばれた天皇・皇后の写真が焼けてしまったために,責任を感じた校長一家が夜逃げして一家心中するというシーン。アニメ版でこのシーンがあったかどうか記憶がはっきりしませんが,妹が亡くなるシーンよりも,むしろこのシーンの方が恐かったです。

 それにしても,原作の野坂昭如氏は,1983年6月に参院選に比例代表区から出馬して初当選後,同年12月に議員辞職して,田中角栄元首相と同じ新潟3区から衆院選に出馬して落選。このあたりから野坂氏は大いに「変人」ぶりを発揮していますが,昔は直木賞を受賞するような,こんな凄い小説を書いていた時代があったんですね。今さらながら驚きました。

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2008年8月17日 (日)

帰省してきました

 JRでは,自動改札の普及に伴い,大人が子どもの切符で電車に乗る不正乗車が最近増えているとか。自動改札の場合は,子どもの切符で改札を通過すると,ランプが点滅して電子音が鳴って駅員に知らせる仕組みらしいですが,混雑している時は駅員や警察官が不正乗車を摘発するのは難しいとのことです。

 ランプが点滅した時に,不正乗車かどうかを駅員が目で見て判断するなんて,なんとも原始的ですね。それに,不正乗車を防ぐために駅員を増員したのでは,改札を自動化した意味がないですよね。子ども切符に無人で対応できないというのは,自動改札システムの根本的欠陥かも知れません。この手の不正乗車を完全に防ぐには,結局は子ども切符での降車時は有人改札しか通過できないようにするしかないんでしょうか。名付けて「児童改札」って?

 駅員が目で見てチェックしたとしても,小学生以下か中学生以上かなんて,正確に判断できない微妙なケースもあると思いますが,それにしても,小学生から中学生になったとたんに運賃がいきなり2倍になるというのは,子供を持つ親にとっては頭が痛い話。ほぼすべての交通機関がこういう運賃体系になっていますが,あまりリーズナブルな価格設定とは思えませんね。

 ということで,我が家では,子どもが大きくなってからは,経済的事情によりJRでの帰省というのはほとんどなくなり,もっぱらクルマで帰省しています。今年は新名神(四日市~亀山間)が開通して関西方面への帰省も便利にはなりましたが,クルマでの帰省となると渋滞が付き物。クルマでの帰省はホント疲れます。

 かつて「地下鉄の電車はどこから入れたのかを考えると夜も寝られない」のネタで一世を風靡した春日三球・照代さんという漫才コンビがいましたが,このコンビのネタに「高速道路の渋滞って,先頭車が何をしてるのかを考えると夜も寝られない」なんてのもありました。これホント同感で,信号機も交差点もない高速道路がなんで渋滞するのか,僕にはなかなか理解できません。

 合流地点があると,そこまで渋滞するというのは理解できますが,合流する支線側が渋滞するならまだしも,合流される本線側がなんで渋滞するのかが不思議だし,これまで渋滞していたのに,合流も分岐も何もないところでいきなり渋滞が解消されたりする現象も理解できません。春日三球・照代さんの言うとおり「先頭車いったい何してたん?」って思います。

 それはともかく,なんとか無事に茨城へ戻ってきました。ところで余談ですが,常磐高速へ続く首都高速6号線に加平(かへい)というパーキングがあり,パーキングでおなじみの,こんな標識があります↓

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 この標識を見るたびに気になるのが,コーヒーカップの絵に「かへい(カフェー)」の文字。う~~ん,面白い! 最高です。

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2008年8月14日 (木)

失敗の予感

 日本とインドネシアとの経済連携協定(EPA)に基づき,インドネシア人の看護師・介護福祉士の候補者205人が8月7日に来日。海外から看護・介護分野の労働者を本格的に受け入れるのは初めて。候補者は半年間の日本語研修をへて病院・施設内で実務研修をしながら3年後の国家試験合格を目指し,合格した場合には引き続き就労が認められるとか・・・この話題は多くのメディアで取り上げられましたが,はっきり言って「たぶん失敗する」と思います。

 日本での受け入れ枠は2年間で看護師400人と介護福祉士600人だったものの,初年度の応募は低調で,予定の約6割にとどまったそうです。これには,この制度を推進しているインドネシア政府の意志に反して,インドネシアの実務者側が非協力的だったことが原因。インドネシア国内の医療現場で過酷な労働環境と低賃金を強いられている中で,ごく一部の人が日本で好条件の職を得ても看護師全体にとってはプラスにならないと現場は判断しているようです。それに,今回の募集で,何人もの看護師が一気に日本行きを決めたことで混乱している医療現場もあるとか。

 応募した人には「自分のキャリアにプラスになる」「日本の進んだ医療・看護技術を学んでインドネシアで生かしたい」という声があるみたいですが,やはり収入目的の人も多いでしょう。日本で働けば月給は最低175,000円とかで,インドネシアで働いた場合の約10倍の収入になるそうです。仮に日本で,月給20万円の介護士の人が「外国へ行けば月収200万!」とかいう募集があったら,そりゃ食指が動くでしょう。でも,今の日本で20万円弱の月収では,日本国内で生活するのは大変です。もし「お金に目がくらんで」応募した人がいたとしたら,たぶん落胆すると思いますよ。

 しかも,受け入れる側の日本の現場も消極的らしい。日本人と同等以上の給与支払いが義務づけられているのはいいとしても,それだけでなく,宿舎の提供や日本語学校や看護学校などに通う費用負担なども,受け入れ側施設に義務づけているとか。そこまでやっても,3年後に国家試験に合格しなければ当人は帰国となってしまいます。それに,この国家試験,日本語の長文読解力が必要とかで,かなり難しいらしい。結局は,対応を施設側まかせにしている厚労省自体が,この制度に対してあまりやる気がないということなんでしょう。

 そもそも,介護・看護というのは,人と人との「ふれ合い」であり,非常にデリケートな仕事。日本人どうしであっても難しい対人上の問題を外国の人が克服できるのかは非常に心配です。看護・介護される側にとっても,ことばが完璧に通じない人に対して不安があるのは,正直な気持ちでしょう。

 それだけでなく,今やビジネス化しているとはいえ,やはり介護=奉仕という古い概念がつきまといます。いくらビジネスであり対価を支払うとはいえ,老後の日本人を外国の人に介護してもらうというのは,日本人がやりたがらない仕事を外国人に押しつけているようで,なんともいえない「申し訳なさ」を感じます。

 ということで,このインドネシアからの看護・介護分野の労働者受け入れは,どう考えても成功しそうにないプロジェクトだと感じました。

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2008年8月11日 (月)

水道水の品質

 内閣府の「水問題に関する世論調査」によると,「どんな水を飲んでいるか」という質問に対して,「水道水をそのまま飲んでいる」(38%),「浄水器を設置」(32%),「ミネラルウオーターを購入」(30%),「水道水を一度沸騰」(28%)などの回答(複数回答)。回答数は1,839人とか。

 ちなみに僕の場合は,実家(京都)にいた頃は,水道水はそのままは飲まなかったけど,今住んでいるところでは,水道水を冷蔵庫で冷やしてそのまま飲んでいます。それで十分美味しいです。また,地域がどこであっても,ホテルの部屋の水道のように,屋上タンクに貯水しているような水道は衛生上ちょっと心配で飲めません。それでも,飲食店などで出された水は,水道水かどうかわからなくても,そのまま気にせず飲んだりしています。

 いずれにしても,水道水の味や品質というのは,地域によってかなり差があると思うので,全国一律のこんな調査(しかもサンプル数がたった1,839)は,あんまり意味ないでしょう。

 水道水をそのまま飲まない人が多数なのかも知れませんが,それでも,蛇口をひねれば「安全な飲める水」が出てくるのって,ホントありがたいです。しかも,ペットボトルの飲料水に比べたら,その値段は格安です。

 ちなみに,水道料金は1立方メートルあたり100円~200円程度(僕の住む地域の場合)。つまり,1リットルあたりだと0.1~0.2円で,500ミリのペットボトルに換算すると0.05円から0.1円。ペットボトルの飲料水はその1,000倍以上の値段ですね。

 過去の関連記事:水道の水(2007年5月21日

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2008年8月10日 (日)

松本サリン事件

 1994年に長野県松本市で猛毒のサリンが散布され,死者7人・重軽傷者660人を出した「松本サリン事件」の被害者の河野澄子さんが死亡したというニュースがありました(これにより死者は計8人)。この事件は,オウム真理教(当時)の立ち退きをめぐる裁判がオウム側に不利になったため,裁判を担当する判事の殺害をオウム真理教が計画したものとされていますが,当初は,事件の第一通報者である夫の河野義行氏が「重要参考人」として警察の取り調べを受けたために,河野氏を犯罪者扱いした報道がなされ,事件報道のあり方に対して何かと問題になった事件です。

 当時,ちょうどニュースステーション(テレビ朝日)の生放送中にこのニュースが入り,その夜のうちに「第一通報者の会社員を事情聴取」「会社員宅から薬品を押収」といったニュースが流れたことなどを,僕はよく覚えています。そして後日,取り調べ後の河野氏が無実であることを訴える記者会見を実施した時,ある番組の女性キャスターが「手際よく弁護士同伴で記者会見なんて,無実だったら普通はやらないですよね~」みたいなコメントをしていたことも記憶にあります。

 今回,河野澄子さん死亡のニュースを伝えたマスコミは,必ずと言っていいほど当時の報道に対する反省を述べていました。「警察発表を鵜呑みにしてそのまま犯罪者扱いの報道をした」と。

 警察の発表内容を,「警察発表という事実」としてメディアがそのまま報道することはなんら問題ないと思いますが,マスコミの推測・憶測によって真犯人扱いするなんて,許されるものではないでしょう。逮捕された「容疑者」ならまだしも,河野氏の場合は逮捕状すら発行されていない「重要参考人」。この段階での過熱報道は異常でした。

 この「重要参考人」という呼称は,逮捕状が発行できる段階ではないのに多くの人に犯人であるという印象を植え付けるという,警察にとって非常に都合のいい呼称だと思いますが,それにしても,この事件で多くのメディアは「反省」を口にしていますが,僕には,その後のメディアの事件報道姿勢に変化があったようには全然見えません。

 過去の関連記事:実名報道の疑問(2005年11月27日)

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2008年8月 7日 (木)

裁判員になる確率

 最高裁は,裁判員裁判の対象になる事件が昨年1年間に全国で2,643件あったと発表。これを元に裁判員に選ばれる確率を試算したところ,有権者4,911人に1人の割合で,都道府県別では,最も選ばれる確率が高いのは大阪府で,最低の秋田県の4倍だったとか(裁判員数は,1事件につき補充裁判員2人を含む8人で試算)。なお,昨年の裁判員対象事件の内訳は,強盗致傷が695件で最も多く,以下,殺人・現住建造物等放火・強姦致死傷・傷害致死の順で,大阪などは人口に比べてこうした凶悪犯罪が多かったことが「確率の差」として表れたとのこと↓

Photo
(asahi.comより転載)

 この数字は,言い換えれば「発生した凶悪犯罪に対する人口密度」みたいなもので,数字が小さい地域ほど物騒ということでしょう。なかなか面白い数字です。数字の低い大阪・京都・奈良は関西地区。さすがに「ヤクザの本場」ということなんでしょうか。また,北関東3県(栃木・群馬・茨城)のうち,栃木・群馬は全国で3位・4位と高いのに,僕の住む茨城県は35位と低い。「ぜひ裁判員をやってみたい!」と思っている僕としては,嬉しいような悲しいような,複雑な気持ちです。

 なお,我が茨城に隣接する千葉県は全国2位の高確率。これは,千葉には成田空港があるため,外国人による薬物の密輸事件などが多いことが影響しているからだそうです。外国人による薬物の密輸事件・・・こんな事件まで裁判員裁判の対象になってるんですね。う~~ん,やってみたいとは言ったものの,裁判員ってなかなか大変そうです。

 さて,明日の夜から,この「物騒な」関西地区へ帰省の予定です。ブログの更新は滞りがちになるかもしれません。ではでは。

 過去の関連記事:
  裁判員制度(2006年5月11日)
  異なる評決(2006年12月18日)

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2008年8月 6日 (水)

オリンピック開幕

 北京オリンピック開幕まであと2日。オリンピック前半の週は,僕はちょうど暑~い京都にいる時なので,エアコンのきいた部屋で,のんびりテレビ観戦したいと思います。ふだんはあまり見ることのできないマイナーな競技が見られるところが,僕にとってはオリンピックの楽しみですね。

 応援する人が日本選手の「メダル,メダル!」って騒ぐのは勝手ですが,テレビ放送でのバカ騒ぎはやめてほしい。視聴者には静かに観戦させてほしいものです。ところが,オリンピック放送の各局のキャスターの顔ぶれを見ると,静かに観戦するには「カンベンして欲しい」というハイテンションな顔ぶれがずらり。松岡修造(テレ朝),浜田雅功(フジ),中居正広(TBS),元NHKアナの堀尾正明(日テレ)などなど(以上,敬称略)。そして明石家さんま氏(日テレ)。さんまさんのキャラは好きですが,オリンピック放送のキャスターというのは,僕にはちょっと違和感あります。

 それにしても,僕が物心ついた頃と比べると,オリンピックの種目はずいぶん変わったものです。子どもの頃には,野球・ソフトボール・新体操・シンクロナイズドスイミング・トライアスロン・テコンドー・トランポリン・バドミントン・ビーチバレー などはなかったですね。もっとも,野球とソフトは次回大会からは外れるそうですが。

 このように,これまで競技種目は多く入れ替わってきたのに,「これがスポーツ?」と思える「射撃」みたいな競技が長年続いているのも,イマイチ納得いかないです。銃という道具次第の競技で,かつ体力も持久力も敏捷性もいらない(と思える)競技。練習するためには多額の「お金」が必要で,このため,射撃選手の多くは警察官か軍人か大金持ち・・・というような話を聞いたことがあります。

 あとは,「馬術」なんかもスポーツ性が低そうです。僕は馬に乗ったこともないし馬券を買ったこともないので(?),「動物に乗る」ということのスポーツ性がよくわかりませんが,この馬術競技で,67歳という高齢の日本人選手が出場することが話題になりました。年令に関係なく一流でいられるということは,やはりスポーツ性が低いということを表わしているのかなと思います。それにしても,この67歳の馬術の選手,名前が法華津(ほけつ)寛選手というのには,ぶっ飛びました。一度聞いたら絶対忘れられない,インパクトのある名前ですよね。ぜひ「正選手」として頑張って下さい!(笑)

 その職業にピッタリの,インパクトある名前といえば,スペースシャトルで国際宇宙ステーション(ISS)へ行った,宇宙飛行士の星出彰彦さんを思い出します。宇宙に飛び出した星出さん・・・なんともナイスな名前ですよね。

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2008年8月 5日 (火)

気になる表示

 土曜日の深夜,CSで放送していたアニメ映画「イノセンス」を見ました。近未来を舞台にしたSFアニメなんですが,予備知識がなかったこともあり,僕はイマイチ理解できなかったので,感想などは省略。印象に残ったのは,最近のCGアニメ技術の凄さと,出ていた女性の声が「風の谷のナウシカ」のクシャナ殿下の声とおんなじや! って気づいたことと(後で調べたら,榊原良子さんという声優でした),そしてもう一つ,映画の終了後に「この映画には不適切な表現がありましたが,オリジナルの意図を尊重し,そのまま放送させていただきました」みたいな,おなじみのテロップが表示されたこと。

 古い映画だと,今は使われなくなった「差別用語」が使われていた場合にこのようなテロップをよく見るし,「ああ,あのセリフやね」と,どの箇所を指しているのかわかったりしますが,このアニメの「不適切な表現」がどの箇所を指していたのかは,僕にはわかりませんでした。この映画は2004年制作と新しく,新しい映画でもこういうケースがあるのかと,意外に思いましたが,気づかない人もあるぐらいだし,何もわざわざテロップで断わらなくてもいいのにと思います。

 というか,このケースはもちろん,たとえ「差別用語」を使った古い映画であっても,オリジナル作品を尊重してそのまま放送するのは当然の義務。わざわざ断わらなくてもいいのにと思います。むしろ,事情があってオリジナルを改変した場合にこそ断わるべきでしょう(もちろん,オリジナルの改変には著作者の許可が必要だと思いますが)。ということで,映画放送などで毎度おなじみの「この映画には不適切な表現が・・・」の表示は,どんな場合でも不要じゃないかと,ちょっと気になりました。

 話は変わりますが,7月のある日以降,NHK総合とNHK教育の地上波アナログ放送では,画面の右上に「アナログ」の表示が出るようになりました。3年後のアナログ放送終了を前に,受信機を早く地デジ対応に切り換えろと,視聴者をせっつかすのが目的でしょう。僕が子どもの頃,カラー放送が普及し始めて,カラー放送の画面の片隅に「カラー」という文字が表示されていたのを思い出しました。でも,この表示は数秒間だけ出てすぐに消えましたよ。今回の「アナログ」表示は,当時の「カラー」表示よりも薄くて目立たないようにはなっていますが,放送中は常に出ているので,なんだかうっとうしいと感じる人が多いかも知れませんね。ということで,ちょっと気になる表示でした。

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2008年8月 4日 (月)

エスカレーター事故

 東京国際展示場(東京ビッグサイト)の1階から4階へ向かう上りエスカレーターが7割程度まで上ったところで突然停止し,停止後に下り方向に逆走するという事故が発生。エスカレーターに乗っていた数十人がバランスを崩し,このうち10人がけがを負ったとか。

 このエスカレーターは,計11,180kgの荷重に耐えられる設計で,これをオーバーすると自動停止する仕組みだったそうですが,もし大量の人間がエスカレーターの上を駆け上がったりしたら簡単に荷重オーバーになるかも知れませんね。でも,事故発生はイベントのオープン時で,エスカレーターを駆け上がる人を出さないように警備員がエスカレーターの先頭に立って誘導していたらしいので,荷重オーバーが原因ではなさそうです。

 それはともかく,エスカレーターというのは,耐えられる荷重の関係で,ステップの上を歩いたり走ったりするのは禁止されています。にもかかわらず,駅や空港などのエスカレーターでは,2人並んで立てる幅がある場合,片側を歩いて追い越す人があまりにも多いです。このためか,「右側から追越し」みたいな暗黙のルールができたりしています(関西は逆らしいが)。僕は絶対エスカレーター上は歩きませんが,人にぶつかりそうになりながら追越すというのは安全上の問題もあり,マナー違反です。

 エスカレーター上を人が歩いてしまうのは,階段と似た「形状」と「サイズ」が原因だと思います。つまり,階段と同様の形状で,歩けるぐらいの段差のため,多くの人は歩いていいものだと勘違いしているんだと思います。この対策としては,規格を改正し,簡単に歩けないぐらいの段差(現行の1.5倍とか2倍とか)にしてしまうのが,最も効果あると思いますよ。ぜひ検討して欲しいものです。

 エスカレーター上を歩いて追い越すのは迷惑行為ですが,空港などにある「動く歩道」では,スピードがやたら遅いせいか(人が普通に歩く速度よりもはるかに遅い),通常は追い越しが認められています。この「動く歩道」の右側(追い越し側)をゆっくり歩く人というのも,エスカレーターとは逆に,けっこう迷惑だと感じることがありますね。

 過去の関連記事:JIS規格(2006年7月19日)

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2008年8月 3日 (日)

CO2排出量

 米科学誌「サイエンス」に掲載された論文によると,海洋研究開発機構と京都大学の研究チームは,これまでほとんど見つからなかった「幻」の葉緑素「クロロフィルd」が,世界中の海や湖に存在することを発見。この葉緑素は光合成により二酸化炭素(CO2)を吸収し,吸収する量は近年のCO2の年間増加量の半分から3分の1に相当していたとか。

 この葉緑素を人工的に増やすことが可能なのか,また,今話題になっている温室効果ガス排出量削減にどの程度結びつくのものなのかはよくわかりませんが,それはともかく,CO2の排出量というのは,どうやって測定しているんでしょう。物理的に測定しているものなのか,または単なる机上の計算なのか,僕にとっては前々から疑問でした。

 そこでネットで検索したところ,解答らしきものを発見↓
http://r25.jp/magazine/ranking_review/10004000/1112007072605.html

 これによると,CO2の排出量は,「IPCC(気候変動に関する政府間パネル)という国連機関が定めたガイドラインに沿って,業種や燃料などの排出源に係数をかけて算定される」とのこと。これを聞いても結局はよくわかりませんが,要するに,各国の申告値を基に計算で求めているらしいです。こういう算定方式だと,緑地を増やしたり,CO2を吸収するしくみを開発したり,低公害車を普及させたりしても,排出量の数値には現われてこないような気がしますが,どうなんでしょう。

 このCO2を含む温室効果ガスに関しては,1997年の京都議定書によって排出量の削減目標が示され,しかも,排出枠が余った国と排出枠を超えてしまった国との間で売買している状況。そんな重要な数値であるにもかかわらず,各国の自己申告値に基づいて計算されているというのは,なんとも心もとないです。あまり疑いたくはないけど,その値によって多額のカネが動くような数値に対して,そもそも各国が本当の値をきちんと申告しているんでしょうかね。

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2008年8月 2日 (土)

連帯責任

 日本高校野球連盟は,第90回全国高校野球選手権大会に出場を決めている桐生第一高校の野球部員が強制わいせつ容疑で逮捕された事件に関し,同校の出場を認めることを決定。近年,日本高野連は不祥事に関して連帯責任に問う目安を緩和していて,不祥事が部全体の体質であると判断された場合にのみ出場停止処分を科し,その目安は「5人」とか。

 この決定には賛否両論あるのかも知れませんが,連帯責任なんて今どき時代錯誤でナンセンス。「部全体の体質」と判断するという「5人」の根拠も理解できません。僕は連帯責任を問うかどうかを審議すること自体が不要だと思うので,これが議題になるとは,高校野球というのはなんとも「特殊な世界」だと感じます。

 犯した罪が強制わいせつ罪であれ,道交法違反であれ,窃盗罪であれ,殺人罪であれ,法に則った裁判によって当人は処罰されればいいし,民事上の責任も追うべきですが,チームの活動とは全然別の私的な犯罪である限り,チームが連帯責任を負うべき合理的理由は何もないと思います。

 百歩譲って連帯責任が必要なものだと仮定して,たまたま野球部に所属していたというだけで,なんでその責任が野球部に及ぶという発想になるのかが理解できません。同じクラスの人の連帯責任はどうなる? 指導者たち(教官)全員にも責任がある? 極端なことを言えば,同じ町内会に所属している地域住民にまで責任が及ぶ? ということになり,キリがないですよね。

 過去の関連記事:出場辞退(2006年3月7日)

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2008年8月 1日 (金)

特別扱い

 故・黒沢明監督の映画作品の格安DVD販売をめぐって著作権の保護期間が争われた訴訟の控訴審で,「羅生門」「生きる」などのDVDを販売した会社の「著作権は公開後50年で切れている」との訴えは棄却され,DVDの販売差し止めを命じる判決。判決では,著作権を受け継いだと主張する「東宝」「角川映画」の請求を認め,訴訟の対象となった作品については黒沢監督が映画の著作者の一人と認定。旧著作権法に基づき,黒沢監督が死亡した1998年から38年後の2036年まで著作権が存続すると判断。

 約11ヶ月前の一審判決の時にも書きましたが,映画というのはどう考えても団体の著作物だと思います。映画に関して個人の著作権を認めたら「関係者が全員死亡してから38年間」ということになり,関係者のどこまでが著作権者かさえはっきりしていない現実を考えると,相当無理のある判決だと思います。結局は,黒沢監督だからこそ「特別扱い」をしているとしか思えません。僕にとっては,なんとも不愉快なすっきりしない判決です。

 話は変わって,もう一つ「特別扱い」と感じるのは,政府・与党が,原油高対策として漁業用の燃料費の値上がり分を事実上直接補填する方針を決めたこと。この緊急対策費の総額は745億円とか。

 原油高に対する緊急対策はいいとしても,漁業だけが明らかに特別扱い。漁業ストが大々的にテレビなどで報じられて目立ったからなのか,与党を支援する漁業関係者の圧力なのかは知りませんが,素人目にはなんとも「いやらしい」と映ります。片やガソリン税は引き上げ,片や漁船に対しては石油値上がり分を補填というのは,なんともすっきりしない政策です。しかも,今後石油価格が元に戻る可能性は低いので,結局は,この補填は単なる「一時しのぎ」で,原油高に対する根本対策にならないのは明らかです。

 過去の関連記事:映画の著作権(2007年9月16日)

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