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2008年5月21日 (水)

無戸籍者

 「離婚後300日以内に生まれた子は前夫の子と推定する」という民法の規定により,親の出生届が受理されずに無戸籍となっていた女性が妊娠し,6月中旬に出産する予定らしい。地元自治体は「親が無戸籍の出生届は受理できない」としており,生まれる子供も親と同様に無戸籍となる可能性が高いとか。無戸籍となった人が出産するケースが明らかになるのは初めてとのこと。

 昨年6月の厚生労働省の調査によると,この「離婚後300日規定」に伴う無戸籍の子供は全国に少なくとも227人いる(実際はもっと多い)らしいですが,この離婚後300日規定」以外に,無戸籍者となってしまうのは以下のようなケースがあるらしい(Wikiより)。

(1)離婚した前夫との間に問題を抱えているため,前夫の子として登録することができない場合。

(2)親が無戸籍者であり,出生届に親の本籍が記載できない場合。

(3)親が制度を理解していないために届け出ない場合。

(4)出生証明書が無い場合。(これは戸籍を作成できない用件ではないが,実際に役所に行くと書類不備だと言われたりして親がそのまま届け出ない状態を放置したりすることがある)
・病院などに頼らず自宅出産しため,必要とされる添付書類の出生証明書が無い場合。
・医療費踏み倒しなどで病院から逃げ出したために出生証明書が無い場合。
・代理出産によって外国で発行された出生証明書を受付拒否される場合。

(5)親の信条や宗教観によるもの。

 ところで,「離婚後300日規定」により無戸籍となる人を救済するために,約1年前から,「離婚後妊娠」に限り「現夫の子」の出生届が認められているそうですが,「離婚前妊娠」についてはいまだに認められていないらしい。「未婚者の結婚前妊娠(できちゃった婚)」の子どもは認められるのに,「既婚者の離婚前妊娠」は認められないというのは,論理的にも科学的にも納得できない制度です。「いつ離婚したか」「いつ妊娠したか」という問題ではなく,「その子が実際に誰の子であるか」「親が誰の子として届けたいか」というのが最も重要でしょう。今の制度は,まったく時代遅れのおかしな制度だと思います。

 「無戸籍者」対策として,この制度に対する改定の要望は多いみたいですが,不思議なことに,戸籍制度自体を廃止しようという声はあまり聞かれません。以前の記事で,夫婦別姓のことや「本籍地なんて意味無い」といったことを書きましたが,この時点では,戸籍制度自体はとりあえず必要なものなのかなと漠然と思っていました。でも,この無戸籍者の事例や,「結婚届=入籍」という制度への抵抗が根強く,ずっと内縁状態を続けている知人女性の話を聞くにつけ,この際,戸籍制度なんて廃止したら? って思います。

 日本以外で戸籍制度を実施しているのは,中国・台湾・韓国など,東アジア地域のごく一部の国だけであり,全世界的には少数派。このうち韓国は2008年に戸籍制度が廃止されるらしいです。戸籍制度は大多数の国で実施していない制度であり,なくてもまったく困らない制度と言えるでしょう。そもそも日本でも,無戸籍者が生まれてしまうこと自体が,戸籍制度の限界を表わしていると思いますよ。

 過去の関連記事:戸籍(2006年6月14日)

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