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2008年5月 6日 (火)

終身刑は必要?

 死刑反対派の国会議員と,死刑と無期懲役の「中間刑」を設けたいという死刑賛成派の国会議員が,仮釈放のない「終身刑」の創設を目指して超党派の議員連盟を結成することになったとか。

 この議論の前提となっているのは,死刑 > 終身刑 > 無期懲役 > 有期懲役 の順に重刑であるということですね。でも,どの刑が重いと感じるかは,人それぞれの価値観や生活実態に応じて大きく異なると思います。

 硫化水素中毒という,簡単に自殺できる方法が報道されてから,最近は硫化水素による自殺が急激に広まっています。また,「死刑になりたい(死にたい)ために人を殺した」なんていう,とんでもない事件が最近発生しました。このように,今や「生きるより死ぬ方が楽」と考えている人は潜在的にかなり多くいると思います。こういう人が刑事罰を受けるような場合は,短期の懲役刑よりも死刑を望むかも知れないし,普通の犯罪者でも,中途半端に短期の懲役刑を受けて出所後の社会復帰に苦労するぐらいなら,いっそ死んだ方がマシと考える人もいるでしょう。

 逆に,お金もない,住むところもない,生活保護も受けられない といった,普通に生きていくことが困難な人(けれども生き続けたい人)にとっては,とりあえず衣食住に困らない刑務所暮らしの方が「塀の外」よりも快適だと考えるかも知れません。そういう人にとっては,刑は短期よりも長期の方がいいと感じるわけで,老後の心配が不要で死ぬまで面倒見てもらえる終身刑なんて最高と感じるかも知れません。

 ということで,「重罪に対しては重刑を」というのは当然としても,そもそも何を重刑と感じるかは人それぞれ。終身刑創設の議論をするのはいいとしても,議論の前提となっている「終身刑よりも死刑の方が重刑」というような単純な問題ではないと思います。

 過去の関連記事:償いと死刑制度(2006年9月11日)

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