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2008年1月29日 (火)

管理監督者

 日本マクドナルド直営店の店長が未払い残業代などの支払いを求めた訴訟で,東京地裁は,店長を「管理監督者」(管理職)とみなして残業代を支払わないのは違法と判断し,過去2年分の残業代など約750万円の支払いを命じる判決。同社は全国で約1,700人の直営店長を抱えている事情もあり,控訴する方向とか。

 労働基準法第41条に「監督もしくは管理の地位にある者または機密の事務を取り扱う者は,労働基準法で定める労働時間・休憩・休日に関する規定は適用しない」とあり,この規定によって,飲食・小売業界などでは,直営店長を管理監督者とみなし,人件費を抑えながら異常な長時間労働を強いている企業が多いと言われています。飲食・小売業界に限らず一般企業でも,業務の実態は管理職でないにもかかわらず「課長」などの肩書きを与えるによって労働時間管理対象外とするなど,この条文を人件費削減手段に利用している会社が多いことでしょう。

 今回の裁判では,「管理監督者には重要な職務と権限があり,賃金などの待遇も一般の労働者より優遇されていることが必要」とし,そのうえで,「店長は社員の採用ができないこと,営業時間・メニュー・商品価格の設定も自由に行えないことなどから,そうした権限はない」と認定し,「管理監督者に当たらない」と判断されました。

 ただ,労働基準法の条文だけでは,「管理監督者は一般の労働者より優遇されるべき」とか「管理監督者には採用権限や営業時間・商品価格の設定権限があるべき」とは読み取れません。たとえ社員の部下がいなくて店員全員がアルバイトだったとしても,店長という立場は「管理監督者」と解釈するのが自然にも思えるので,けっこう微妙な判決ですね。

 この問題は,どちらかといえば,労働基準法自体の不備かなと思います。労働基準法でいう「監督もしくは管理の地位にある者」や「機密の事務を取り扱う者」とは,「経営者に準じる立場にある者で,自分自身の労働時間に自由度が与えられている者」というのが,この法律の本来の趣旨だと思いますが,必ずしもそうは読み取れません。

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