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2008年1月14日 (月)

ここで使うか?

 期限切れとなった「テロ特措法」に代わって,インド洋での米国艦船などへの給油活動を再開するための「補給支援特別措置法」が衆院本会議で再議決され,与党などの3分の2以上の賛成で結局は成立。参院で否決された法案が衆院で再議決・成立したのは57年ぶりとか。それにしても,議決結果に影響なかったとはいえ,衆院本会議での再議決に民主党の小沢代表が欠席という,民主党の相変わらずのオマヌケぶりには笑わせていただきました。

 衆院本会議での再議決についてはいろんな意見がありますが,「憲法で認められた処理であり何ら問題ない」「再議決したからといって首相の問責には値しない」というのは,法的にはそのとおりでしょう。ただ,憲法では「衆院で3分の2以上の賛成で可決した法案は参院に送らなくても即成立」とはなっておらず,あくまで再議決した場合に限っており,これの適用は「必要最小限の法案に限る」というのが憲法の趣旨と解釈すべきでしょう。

 その意味で,衆院での再議決というのは,与党にとっては「伝家の宝刀」であり,「ここぞ」という時に限って適用して欲しかったと思います。でも,この法案が「ここぞ」という重要法案とはとても思えないし,「ここで使うか?」というのが僕の感想です。それに,この法案の成立によって臨時国会は実質的に閉会。つまり,実質的にこの法案を成立させるために多額の税金を使って国会を開催・会期延長したというのもスッキリしません。

 以前の記事にも書いたように,多額の税金を使って米国艦船などへ無償で給油することが,なぜ日本にとって重要なのかが僕には理解できないし,そもそも給油した燃料は区別がつかず,何に使われたかがチェックできるわけではないので,この法律は「絶対に守れない法律」です。

 それに,外交的には,本来はアメリカが日本にお願いするべきものであり,日本にとっての対米外交上の諸問題(北朝鮮問題とか,米国産牛肉の輸入問題とか,米軍駐留経費の日本側負担の問題とか)で日本に有利な条件と引換えに,日本が渋々承知して給油再開するべきもの。そういう外交取引を一切やらずに,アメリカといっしょになって給油活動の必要性を力説し,給油再開をアメリカに対して約束してしまうという政府は,いったいどこの国の政府なのかと思います。

 過去の関連記事
  テロ特措法(2007年8月8日)
  米艦への給油(2007年9月27日)
  混ざってしまえば(2007年10月11日)

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