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2008年1月16日 (水)

危険運転致死傷罪

 2006年8月に福岡市で幼児3人が死亡した飲酒運転・ひき逃げ事故で,危険運転致死傷罪と道路交通法違反として懲役25年が求刑されていた裁判の結果は,危険運転致死傷罪でなく業務上過失致死傷罪などが適用され,道交法違反の組み合わせでは最高刑に当たる懲役7年6カ月の判決。

 この裁判がこんなに注目を浴びていたことは,ニュースなどで初めて知りました。故意犯である危険運転致死傷罪(2007年6月施行)が適用されるかどうかに注目が集まっていたみたいです。そして,多くのマスコミは危険運転致死傷罪が適用されなかったことに批判的な論調ですが,法律の専門家は「妥当な判決」との意見が多かったようです。

 刑法第208条の2 によると,危険運転致死傷罪が適用されるのは以下のケース。
(1)アルコールまたは薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させた場合の事故
(2)その進行を制御することが困難な高速度,またはその進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させた場合の事故
(3)人または車の通行を妨害する目的で走行中の自動車の直前に進入したり著しく接近し,かつ重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転した場合の事故
(4)赤信号またはこれに相当する信号を殊更に無視し,かつ重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転した場合の事故

 わかりやすく言うと,(1)正常に運転できないほどの泥酔状態での運転 (2)制御不能なほどのスピード超過 (3)スピード超過した上での妨害運転 (4)スピード超過した上での信号無視 ということになるのかと思いますが,客観的な判断が難しい項目もあり,かつ,いずれも とってつけたような項目で,「危険運転」がこれですべてカバーされているとは思えません。悪質な交通犯罪をなんとか「故意犯」にしたいというのが立法者の意図だったのかも知れませんが,この法律の適用には限界があるように思えます。

 そして,このニュースでちょっと気になったのは,マスコミが判決内容を論評したり,被害者遺族が判決に対して希望を述べたりするのは自由ですが,刑事裁判において,被害者遺族が自由にしゃべった内容をそのまま垂れ流すという報道は,「公正な裁判」への障害になるのではないかという点。裁判員制度が導入されるに際して,マスコミには節度ある裁判報道を期待したいものです。

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