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2007年12月13日 (木)

逆転有罪判決

 政党のビラを配布するためにマンションに立ち入ったとして「住居侵入罪」に問われた控訴審で,東京高裁は被告を無罪とした一審判決を破棄し,改めて罰金5万円の逆転有罪判決を言い渡したというニュース。

 この一審判決のことは当時の記事にも書きましたが,控訴審で新たな事実が出たというわけではなく,「事実」は何も変わらないのに一審と正反対の判決。裁判の判決に客観性というのはないものだと,つくづく感じます。

 この被告は,マンションに入って共産党のビラを配布したことを「住居侵入罪」として問われたわけですが,もしこれが自民党のビラだったとしたら,違う判決になっていた可能性が高いと思いますね。つまり,裁判官といえども人の子。判決が裁判官自身の思想信条や支持政党にまったく左右されないなんてことはあり得ないと思います。だからこそ一審と控訴審で正反対の判決になったということでしょう。どちらの判決も「巡り合わせ」でたまたまこうなっただけかと思うと,裁判というのは虚しいものです。

 そもそも,この被告が逮捕・起訴されたのも,配布したビラが共産党のものだったからでしょう。それ以前に,警察へ通報した人も,ビラが他の政党のものだったら通報しなかった可能性が高いと想像できます。つまり,この「事件」のすべてが「巡り合わせ」の産物ということなんでしょうね。やれやれ。

 過去の関連記事:ビラ配布に無罪判決(2006年8月31日)

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コメント

こんにちは。ちきりんは、これ、“巡り合わせ”ではなく、“意図・意思”だと思っています。つまり、訴えた人も“たまたま共産党のビラだったから訴えた”わけではないと思います。
公安職員が共産党活動家を尾行し、ビラをまいた現場を押さえた上、そのマンションで、訴えてくれる人を探し、説得し、立件していると思います。この公安職員の給与、活動費もすべて私たちの税金と考えると、イマイチ納得できないものを感じます。今やもうあんな人達放っておいても絶対革命や暴動の可能性なんてないと思うのですが・・

投稿: Chikirin | 2007年12月14日 (金) 08時49分

 こんにちは。
 たしかに,たまたま摘発されたわけではなく,尾行などで狙われていた可能性が高いですね。職務質問しただけで1mg以下の覚醒剤が見つかってしまうような事件と同じでしょう。
 ただ,裁判の結果というのは結局は裁判官次第で,被告にとっては「当たり外れ」が大きいということを痛感します。最高裁判決はたぶん有罪でしょう。そして,この裁判費用もまた税金。

投稿: かば | 2007年12月14日 (金) 18時48分

マンションに立ち入っただけで住居侵入というのは、どうも納得できないですね。玄関から入ったんでもないのに…。
昔、マンションに住んでいたとき、鍵をかけてなかった玄関のドアを開けて入ってこようとした「太陽生命」の営業のおばちゃんに、「そこから入ったら住居侵入ですよ」と脅したことあります^^。だって、太陽生命のおばちゃんって、図々しくてしつこかったから…。

この事件、実害はたいして(ほとんど?)ないと思うし、裁判官の裁量に幅があるのは問題だと思います。法の不平等さが実感されますね。

投稿: dashi | 2007年12月14日 (金) 21時37分

 こんにちは。
 これに限らず,どんな微罪でも,法律を厳格に適用したら有罪と判断される可能性はあるということでしょう。ただ,それを厳格に適用することに社会的合意が成立しているかを判断材料とするかしないかが,裁判官によって大きく違うのかなと感じました。

投稿: かば | 2007年12月15日 (土) 01時11分

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