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2007年10月10日 (水)

沖縄戦の集団自決

 沖縄戦で日本軍が住民に「集団自決」を強制したとの記述が教科書検定で削除された問題で,検定意見の撤回を求める多くの意見を受け,記述が復活する可能性が出てきたらしい。なんともすっきりしないニュースです。

 この「日本軍による集団自決の強制」は,歴史的事実だと僕は漠然と認識していましたが,文科省は「日本軍が強制した証拠がない」との立場で修正意見を出し,この記述を削除させてきたということでしょう。ただ,これまでは認めていた記述に対して,06年度の検定で初めて修正意見を出したという点は,なんとも不可解ですが。

 そして,さらに不可解なのが,沖縄での県民大会などで抗議の声が高まってきたことを受けて,記述の復活を容認する意見が出てきたという点。文科省の渡海大臣は「沖縄の県民集会が理由ではなく,検定以降に新たな事実や証言が出てきた」として,当初と異なる検定結果になる可能性を示唆しているらしい。沖縄戦での集団自決に関して「今まで知らなかった事実がつい最近初めて明らかになった」とは,なんとも白々しい発言ですね。

 町村官房長官が「その時々の政治の思惑で教科書の内容が揺れ動くのは決していいことではないが,沖縄の皆さんの気持ちや軍の果たした役割は理解している」と述べているように,最近新たな事実が出てきたというよりは,単に「政治的思惑」による変化と理解した方が自然でしょうね。

 それにしても,情けないのは教科書出版社や執筆者。文科省の修正意見を,反論もせずにあっさり受け入れて削除したということは,そもそもこの記述は重視していない(どっちでもいい)と考えていたということでしょう。そして,沖縄県民などの抗議によってあわてて再訂正するなんて,支離滅裂です。教科書執筆者というのは,きちんと調べた事実に基づいて教科書を作るのではないんですね。

 この際なので,教科書出版社は,訂正申請などやらずに放置し,教科書検定で削除したという「歴史的事実」と,教科書検定制度のバカバカしさを世に広く知らしめてほしいような気がします。

 過去の関連記事:教科書検定(2006年5月13日)

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