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2007年9月16日 (日)

映画の著作権

 今年の8月29日に東京地裁は,チャプリンが出演・監督する映画の「格安DVD」の販売を著作権侵害として提訴した海外法人の主張を認め,このDVDを販売する会社に対し,販売の差し止めと損害賠償約1,050万円の支払いを命じる判決。判決は,現行の著作権法が施行される前に映画が公開されていることから,旧著作権法を適用した上で,チャプリンを「著作者の1人」と認めて,著作権の存続期間を「チャプリンの死後38年間」とし,著作権がまだ消滅していないと判断。

 また,9月14日には,「羅生門」「生きる」などの黒澤明監督の映画10作品の「格安DVD」を著作権侵害だと訴えていた東宝と角川映画の主張を認め,東京地裁はDVD販売会社に対して販売差し止めを命じる判決。この判決も,旧著作権法が適用されるとした上で,黒沢監督を「著作者の1人」と認定し,「著作者の死後38年」を適用して,東宝などが引き継いだ著作権は2036年まで保護されるとの判断。

 いずれのケースも,被告側は「映画は映画会社などの団体による著作物であり,1人では作れない。著作権は公開後50年で切れている」との主張で,控訴する方針とか。

 僕は旧著作権法の条文を読んだわけではないし,今回の判決文を読んだわけでもありませんが,チャップリンの映画も黒澤監督の映画も,映画を作ったのは明らかに個人でなく映画会社。この映画に限らず,大半の映画はどう考えても団体の著作物だと思います。映画に関して個人の著作権を認めたら,出演した俳優や制作に携わったスタッフにも著作権があるということになり,そうなると,著作権の有効期限は「関係者が全員死亡してから38年間」ということになりますね。そもそも,関係者のうちどこまでが著作権者かさえはっきりしていないのに,相当無理のある解釈だと思います。

 ということで,「映画監督が著作者の1人」というのは,僕としてはスッキリしない判決ですが,この訴訟を起こしている原告が,映画関係者個人や関係者の遺族個人などではなく,東宝などの映画団体であるということ自体が,「著作権は個人にある」と訴えている内容と矛盾していて,なんとも笑えます。

 過去の関連記事:著作権問題(2006年5月30日)

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