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2007年9月11日 (火)

リメイク作品

 黒澤明監督の映画「天国と地獄」と「生きる」の2作品がテレビドラマにリメイクされ,先日放送されました。どちらのオリジナル版も,僕はすべてのシーンを覚えているほど繰り返し見ている大好きな作品なので,どんな風にリメイクされるのかに興味があり,2作品とも食い入るように見ましたが,予想どおり「ハズレ」でしたね。
(以下「ネタバレ」あります)

 まずは8日放映の「天国と地獄」。昔の「電話逆探知」に代わって,ケータイの電波発信源を探知するシーンは今風で興味を引きましたが,特急列車の窓から身代金を投げる有名なシーンは,オリジナル版と違って「車掌室の窓」に変わっていました。でも,一般乗客が頼んでも車掌室なんかに入れてくれないし(警察官が同乗していることを犯人は知らないはず),この設定はおかしい。また,目立つ姿が犯人に割れているはずの伊武雅刀氏扮する刑事が,至近距離で犯人を尾行するシーンも「???」でした。

 ということで,いろんな部分にアラの目立つ演出で,オリジナル版の完成度にはほど遠いと感じました。オリジナル版は,黒澤演出独特の「いやらしさ」が鼻につくんですが,それを超えて見る人を映画に引き込むだけの力強さがありました。

 そして9日放映の「生きる」。ガンで死を宣告された主人公がいかに生きるかという,今となってはベタなストーリー。オリジナル版では「胃ガン」でしたが,さすがに最近は胃ガンの死亡率が低いからか,リメイク版では「すい臓ガン」に。また医者が本人にきちんと告知するあたりも,時代の流れを感じさせました。

 オリジナル版の主役の志村喬さんは,不気味で生気を感じさせない迫真の演技が見事でしたが,ドラマ版の松本幸四郎氏は長身で健康的すぎて,「冴えないオヤジ」にはなりきれてなかった。どう考えてもミスキャストでしょうね。

 ストーリーはベタでも,オリジナル版の「生きる」にはドラマとしての完成度の高さと,高い芸術性があったと思います。このリメイク版「生きる」は,ストーリーがベタでは失敗するという見本のようなドラマでしょうね。それにしても,今どき,昔ながらの「児童公園」を作ってもらって喜ぶ親や子供がいるのかなというのも疑問でしたね。

 過去の関連記事:生きる(2006年6月21日)

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コメント

 「生きる」はずいぶん豪華キャストでおカネはかかっているのでしょうけど、やはり時間のかけ方が映画とは違うのでしょうね。
 どうでも良いようなことなのですが、「生きる」で、主人公の通夜の席に息子夫婦以外の親戚がいないというところに不自然さを感じました。(主人公の生い立ちから必然性があるんでしたっけ・・)

投稿: ごんべい | 2007年9月11日 (火) 00時37分

 でも,今比較すれば,オリジナルの方が遙かに「豪華キャスト」かも知れませんね。
 オリジナルの映画では,通夜の席に親戚の人が何人か同席していましたよ。

投稿: かば | 2007年9月11日 (火) 20時41分

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