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2007年7月 1日 (日)

輸血拒否

 輸血を拒む宗教団体「エホバの証人」など,宗教的理由による輸血拒否への医療機関の対応について,5学会の合同委員会が新しい指針の素案を公表。その内容は,(1)患者が18歳以上の場合は本人の意思に従う (2)15歳以上18歳未満の場合は親権者か本人のどちらかが希望すれば輸血する (3)15歳未満の場合は医療機関の判断で輸血が必要なら行う というもの。

 宗教的輸血拒否については,最高裁が2000年に患者の輸血拒否を尊重する判決を出しているものの,患者が小児の場合には,2005年の大阪家裁の決定などのように,必要な医療を親権者が拒否することを「親権の乱用」とする司法判断も出ているとのこと。

 輸血を拒むという宗教があること自体,僕としては理解に苦しみますが,宗教によっては,たとえ餓死しようとしている時でも特定の肉は食べられないというのと同じで,それが本人の信仰に基づく判断であれば,医療機関は最終的にそれに従うしかないとは思います。

 ただ,この問題は,宗教と輸血拒否の問題に限らず,もっと広く言えば,医療機関の「生命を救う義務」と,本人や親権者の意思のどちらが優先されるかという問題でしょう。極端に言えば,自殺を図った人が救助されて治療を受けようとした時,本人が治療を拒否した場合でも医師は治療をすべきなのかどうか,また,本人の意思と親権者の意思のどちらが優先されるのかというのと同じことかと。なかなか複雑で重い問題です。

 今回の素案では,患者が15歳未満の場合は医療機関が判断するということですが,なぜ「15歳」なのかがイマイチ理解できません。15歳以上なら自分の生命のことは自分の責任で判断できるということでしょうか。だとすると,「15歳以上18歳未満の場合は本人が拒否しても親権者が希望すれば輸血可能」というのと矛盾しているようにも思えます。

 僕の考えとしては,治療に際しては,基本的に本人の意思を最優先すべきで,小児や高齢のために本人の意思が確認できない場合や,病状が悪くて意思確認できないような場合に限り,親権者の意思に従うべきだと思います。一律に「何歳以下」というのを決めるのは無理があるでしょう。それと,問題が発生するたびに裁判で争われるのを避けるために,学会が判断するだけでなく,法律面での整備も必要だと思います。

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