メーカーの責任?
エキスポランドのジェットコースター死亡事故を受け,国土交通省は全国の遊園地やテーマパークに対してジェットコースター全基の緊急点検を実施するように要請したとか。お役所としては「緊急点検」を要請するだけで責任を果たしたことになるので,ラクなものです。要請を受けた遊園地側は,たとえ定期的にきちんと点検していても再度「緊急点検」を実施する必要があり,運行停止を余儀なくされるなど,きちんと点検している遊園地にとっては迷惑な話でしょうね。
このジェットコースター事故に対し,エキスポランド側は,「15年間メーカーから車軸を交換するようには言われてなかった」と,自分たちの責任はさておき,事故の責任はメーカーにあるともとれる発言。
話は変わりますが,各地の原子力発電所でデータ改ざんや臨界事故隠しなどの不祥事が明らかになっていますが,電力会社の偽装工作にメーカーがかかわっていたとの報道が先日ありました。この件は,電力会社の社内調査ではわからなかったものの,メーカーへ聞き取り調査したことによって判明したらしい。にもかかわらず,たとえば4月7日付朝日新聞は電力会社の偽装工作は「メーカーと共謀」との見出し。
電力会社の隠ぺい体質も相当なものですが,関係各所への事故報告義務や事故公表の義務はあくまで電力会社にあり,メーカーには無いはず。得意先である電力会社から口止めされたら,メーカーとしては積極的に公表できないのはある意味当然でしょう。そのあたりの構図というか「力関係」を,マスコミはイマイチわかっていないようです。こういう事故が起こった時,メーカーというのはつらい立場ですね。同情したくなります。
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