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2007年4月22日 (日)

被害者参加制度

 犯罪被害者が刑事裁判に参加し,被告に直接質問できる「被害者参加制度」と,被害者が刑事裁判の中で損害賠償請求できる「付帯私訴制度」について,2008年末までに導入することが決まっているそうです。これには賛否両論あって,たとえば日弁連は反対とか↓
http://www.nichibenren.or.jp/ja/opinion/statement/070313.html

 そして,被害者が代表を務める賛成派と反対派の団体がそれぞれ,演劇を通じて自らの主張を訴えているというニュースがありました。賛成派は「被害者が裁判で興奮することなどないとわかってほしい」と強調。一方,反対派は「この制度で被害者がどれほど傷つき,厳しい選択を迫られるかをわかってほしい」との見解。この「演劇」のシーン,テレビのニュースでちょっと見たところ,殺人被害者の妻が被告に対して「なんで夫を殺したんですか!?」と詰問するシーンなどがありましたが,僕の感想としては,これはやっぱり刑事裁判としては違和感あります。

 刑事裁判というのは,あくまで,被告が本当に加害者(真犯人)なのかどうかを,証拠だけに基づいて判断する場です。捜査権限や証拠物件の保有などの点で,被告よりも原告(検察)側が圧倒的に有利に裁判を進めることができるのが現実であり,このため冤罪も多い。この状況で,さらに原告が有利になる可能性が高い「被害者感情」を法廷に持ち込むのはアンフェアだと思うし,「民事」と「刑事」がごっちゃになって混乱しそうです。

 今の制度のままでも,「証人」の立場で被害者側が法廷で証言することは可能だし,同様に,被告を弁護したい人が証言することも可能です。僕は今の制度で十分だと思います。

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コメント

こんちは。私もこれ、そー思います。
「天涯孤独な人を殺した犯人」と「誰からも愛されていた家族の一員を殺した犯人」の罪刑が違ったらおかしいです。そんなことになったら、「殺すなら嫌われ者や孤独な人」みたいになっちゃいます。
被害者およびその遺族の保護は、別の方法で図るべきだと思うです。

投稿: ちきりん | 2007年4月22日 (日) 16時06分

 「被害者およびその遺族の保護は別の方法」・・・そのとおりでしょうね。刑事裁判とは別の次元の話。
 かといって,殺人事件のような重大犯罪の場合,犯罪者に対して民事訴訟を起こすというのも現実的に不可能だし,国家が救済するなどの対応が必要なのかなと思います。

投稿: かば | 2007年4月22日 (日) 17時23分

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