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2007年1月29日 (月)

アパホテルの耐震偽装

 国土交通省は,京都市内のアパホテル2棟で耐震強度不足が見つかったと発表。これにより,アパホテルの耐震偽装問題が急に騒がしくなってきましたが,それにしても,マスコミって,政府が発表したことしか報道できないものなんだと,つくづく思います。

 耐震偽装とは関係のない微罪の別件逮捕で拘束された末に会社を潰された,かのイーホームズの藤田東吾社長は,今回の京都のアパホテルとは別の物件ですが,田村水落設計の水落光男建築士が構造設計したアパのマンションなどの耐震偽装を昨年10月の記者会見で告発したにもかかわらず,多くのマスコミはこの告発を全く無視しています。この件は,藤田東吾氏が12月に出版した「月に響く笛 耐震偽装」に書かれています。この本は,藤田氏が一貫して「耐震偽装を可能とした大臣認定プログラムが悪い」と主張したもので,関係した政治家や官僚などをすべて実名で公表した「実話」です。僕はまだこの本を読んでいる途中なんですが,関係者のメールの文章がそのまま掲載されるなど,けっこう生々しくて面白いですよ。

 藤田氏によると,この本を出版できる度量と力のある出版社は文芸春秋社しかないとの思いで出版を打診した結果,一度は出版に関する公式な合意が得られたにもかかわらず,その後雲行きが怪しくなり,アパグループの構造設計を一手に引き受けている「田村水落設計」が行った構造計算偽装に関する記述を削除するか,この偽装を国や行政が認めた上でないと出版できないと文芸春秋社から言われたとか。要するに,ある方面からの「圧力」がかかったのだろうということが推測できます。

 その結果,藤田氏はこの本を出版するために,いわば「自費出版」を余儀なくされ,「imairu.com」という会社を設立して出版に至っています。おかげで,全国の書店に「平積み」されることも叶わず,実際の本の「作り」も大手出版社のものと比べると見劣りがします(誤字もありました)。でも,本の中身はとても重いと言えるでしょう。

 それにしても,文芸春秋社のような出版社ですら,作者が書きたい「ありのまま」を伝えない。そして,記者会見に集まった新聞などの大手メディアは,ヤバそうな告発は全く無視して自分たちの気に入る内容しか報道しない。そして政府が発表した時点で初めて書き立てて吊し上げる。結局,主張したいことをそのまま伝えることができるのは,ネットか自費出版だけ。いったいこの国の「言論の自由」はどうなっているのか,ホント心配です。

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コメント

おかえりなさい!
私もこの問題は本当に深刻だと思います。権力って正義の声を抹殺する力を持っているんですよね。自分が目をつけられたらもう絶対対抗できないんだな、って空恐ろしくなります。
でも、そういう意味では「ネット」というのは本当に画期的だと思います。

投稿: ちきりん | 2007年1月29日 (月) 13時28分

 こんにちは。
 誰にも検閲や脚色をされずに,自分が言いたいことをそのまま発信できるネットって,ホントありがたいものです。こんなちっぽけなブログを書いているだけでも,そういう気持ちになりますね。

投稿: かば | 2007年1月29日 (月) 21時15分

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