年末に死刑執行
25日に,法務省は4人の死刑を執行したと発表しました。前法務大臣が死刑執行命令書への署名を拒否していたため,死刑執行は1年3ヶ月ぶりで,一度に4人も執行されたのは9年ぶりとか。年末のこの時期に執行されたのは,死刑執行者数の統計が「年締め」であり,もし執行ゼロになれば14年ぶりになるとのことで,執行前の死刑確定囚が100人近くに上っている現状から「今年の執行数をゼロにすることは絶対に避けたい」という法務省幹部の強い意志があったと言われています。
死刑制度の是非はともかく,司法の最終判断で死刑が確定しているにもかかわらず,法務大臣の判断によって執行されたりされなかったりというのは,なんとも理不尽です。死刑が確定している状態で,いつ執行されるかわからずに長年「待たされる」死刑囚って,文字どおり「生きている気がしない」状態でしょう。
先日再審開始決定が取り消された「名張ブドウ酒事件」みたいに,再審請求が続いている場合は別として,死刑制度が存続している限りは,確定判決から一定期間が経過したら自動的に執行されるような制度にするのが合理的だと思います。
30日には,イラクのフセイン元大統領の死刑が執行されたというニュースがありました。フセイン元大統領には多くの「影武者」がいると言われていましたが,まさか処刑されたのが「ニセモノ」ってことはないでしょうね,今さらですが。
それはともかく,死刑確定からわずか4日後の執行であり,日本の実情からすると,これはこれで「早すぎ」かなという気もします。しかも,フセイン元大統領の場合は,他にも多くの罪状があって「事件」が未解明という話もあり,こういう「歴史を知る人物」を急いで処刑していいものなのか,ちょっと疑問です。また,早期処刑はアメリカの意向が反映されているとの話もあるため,ますますスッキリしません。
ということで,これが本年最後の記事です。今年も多くの方に支えていただき,大変ありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。
では,皆さん,どうぞ良いお年をお迎え下さい。
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コメント
暖冬傾向の今冬ですね。寒くないのは夏生まれで寒がりの私にはありがたいのですが、地球温暖化を考えると喜んでばかりもいられないのかもしれません。
そうそうフセイン・・あれだけの独裁者が、死刑執行前にはかなり怯えてたらしいですね。顔に袋を被せるのも拒否したとニュースで聞きました。
今年一年お疲れ様でした。
来年も良い年になりますよーに・・
投稿: ALICE | 2006年12月31日 (日) 16時51分
冬は冬らしく,寒くてもいいのかなと思います。雪が少ないとスキーもできないしねー。
来年もよろしくお願いします。
投稿: かば | 2006年12月31日 (日) 18時15分