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2006年11月 8日 (水)

いじめ自殺

 いじめを主な理由とする自殺件数は「過去7年間で0件」と文部科学省が発表していたことが,報じられています。これに対して,実際には,いじめ理由による自殺はこの7年間に少なくとも16件あったという新聞記事がありました。このうち,いじめを訴えたり示唆したりする遺書などが残されていたケースが11件,亡くなった子どもに対するいじめの存在を学校が認めたケースが10件とか。結局は,文科省へ報告する「自殺の主な理由」が選択肢から1つしか選べないため,いじめ以外の理由も複合していると学校が判断して,「いじめ自殺」は0件と報告されていたそうです。ホントばかばかしいです。

 まさか「きちんと集計してね」と訴えるのが目的ではないと思いますが,文部科学省に「いじめが原因で自殺する」という内容の自殺予告の手紙が届き,文科大臣が緊急の記者会見をするなど大騒ぎになっていますね。消印の一部に「豊」と見える文字があったため,この文字を含む全国の集配局を調べており,専門家の鑑定によると東京都豊島区の可能性が高いとか。せっかく消印が押してあるのに,差し出し局がハッキリしないなんて,いったい何のための消印なんでしょうねー。お粗末です。

 今回の自殺予告に対して文科省は,これらの局を含む自治体の教育委員会に連絡し,いじめに関する相談を受けていないか調査するように指示したとか。そんなもん,教育委員会に指示してわかるぐらいなら苦労しないって!

 最近,やたら「いじめ自殺」が話題になってますが,いじめ自殺があった場合,学校や教育委員会が過度に責任を感じているように思います。それが結果的にデタラメの数値報告につながっているのかも。いじめに気付かなかった学校や教師に責任が無いとは言いませんが,「いじめた人の責任」が不思議なぐらいに話題にならないってのも,ちょっと気になります。

 本来であれば,いじめが発覚した時点で,いじめた人に対しては,法的措置も含めて厳格に対応すべきでしょう。たとえば,いじめられた側(本人や親)が,いじめた人を脅迫罪や傷害罪で告発するなど。警察などの捜査機関に委ねるというのは好ましいとは言えませんが,結果的にいじめの抑止効果が大きいように思えるし,警察が介入すれば,当然学校や教育委員会も放置できないでしょう。

 ただ,日本の子供の場合,いじめられてもまず親や家族に話さないという傾向があるらしい。家族に知られるのは恥ずかしいとか,大人が介入するとますますいじめられる心配があるとかいうのが,その理由なんでしょう。ホント難しい問題です。

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コメント

最近のいじめに関するマスコミ報道をみてると、ほんま「アホちゃうか?」と思いますね。 かばさん仰るとおり、いじめ問題は一義的にはいじめる人といじめられる人の問題なのに、マスコミ報道では学校が一番悪いことになってますよね。
教師は四六時中生徒のことを見てるわけではないし、学校をいくら責めても状況はまったく改善されないし、何の解決にもならないと思います。

投稿: ずんずん | 2006年11月 8日 (水) 22時06分

 いじめを助長するような言動をする教師は論外として,いじめに対して学校側の責任は問えないケースの方が多いような気がしますね。
 もっとも,自殺者が出るような騒ぎにならない限り,学校側はいじめに対して真剣に悩んでないのかなという気もします。なにしろ,履修不足で自殺した校長はいたけど,いじめ問題で自殺した校長なんていませんから。(もちろんジョークです)

投稿: かば | 2006年11月 8日 (水) 22時44分

こんちゃ。
これねえ、最近なにか「学校を叩きたい」というトレンドがあるように思いませんか?公務員叩きの一環とも言えるんだけど、なんかこう「たいしたこと無いくせに“師”だなんて呼ばれて」みたいな、マスコミの嫉妬みたいなのを感じます。常にスケープゴートを探してますよね、マスコミって。本当にそういうのを視聴者が支持してるのかなあ??ってのも疑問です。はい。

投稿: ちきりん | 2006年11月 8日 (水) 23時43分

 こんにちは。
 そうですね。今年のトレンドなんですよね。
 そのうちマスコミも飽きてきたら,矛先を変えるんでしょうか。次はなんだろ?

投稿: かば | 2006年11月 9日 (木) 00時57分

マスコミだけではない、教育委員会や政府・与党にも問題あり。今回の参議院選挙でも消えた年金、閣僚の失言・松岡大臣の自殺、政治とカネの問題だけでは済まない。いじめ自殺問題でも与党は過半数割ると思いますね。

投稿: RUN | 2007年7月 8日 (日) 20時57分

 いじめ問題が選挙結果にどれだけ影響があるのかは,僕にはよくわからないです。何しろ,熱しやすく冷めやすい国民ですから。

投稿: かば | 2007年7月 8日 (日) 21時59分

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