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2006年8月29日 (火)

原発タービン事故

 原子力発電所のタービンに異常が見つかったため,中部電力と北陸電力の原発2基が相次いで運転停止に追い込まれている問題。両電力が被った損害は,修理費と代替の火力発電に要する燃料費など合計で約1,500億円。メーカ(日立製作所)の設計ミスの可能性が指摘されており,原因が分かれば両電力はメーカへの損害賠償請求を検討する方針とか。ただし,メーカと電力会社の契約では,事故時の責任分担を厳密に定めてはいないらしい。

 製品に事故があった場合の二次被害については,一般的な商習慣では免責になる場合が多いと思うんですが,原子力発電という大型プラントの契約にもかかわらず,こういった二次被害に対する賠償責任範囲が契約にないんですね。なんとずさんな契約だと思われる方も多いんではないでしょうか。

 パソコンのソフトをインストールする場合など,メーカ側の免責事項などがいっぱい書かれていて,「同意」をクリックしないと先に進みませんね。つまり,同意できないなら購入しなくていいですよ ということ。このような製品では,メーカ側が圧倒的に優位な立場にあり,メーカ側はあらゆる免責事項を明示できるんでしょう。

 一方,発電所のようなプラントの場合には,発注側(今回のケースでは電力会社)が契約仕様書を作成し,それに基づいて各メーカが入札して発注先を決めるという方式。このため,契約書に免責事項を記入する機会はメーカには一切与えられていない。つまり,発注側が提示した契約条件は絶対であり,逆らえない。メーカは非常に弱い立場だと言えます。この点が,完成した製品を「売るだけ」の商売とは決定的に異なります。弱い立場のメーカに同情します。

 昨年発生した東京証券取引所のシステム障害を教訓に,コンピューターシステム業界では,発注側と受注側の責任分担や契約内容を明確化する基準作りを進めているらしいですが,これはあくまで受注側の論理であり,発注側と合意に至るとはとても思えませんね。

 健全な商取引を進めるという意味で,政府がある程度介入して政府指導で契約内容の基準作りでも進めない限り,メーカ側の「圧倒的に弱い立場」はいつまで経っても解消されないと思います。

 僕自身の仕事がら,今日はかなり「メーカ寄り」の発言になってしまいました。ご了承下さい。

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