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2006年8月 5日 (土)

偽装請負

 朝日新聞12版(統合版)のトップ記事。
7月31日:偽装請負 製造大手で横行(「実質派遣」好都合な労働力)
8月 1 日:キャノン 偽装請負一掃へ(数百人,正社員に)
8月 2 日:松下系社員 請負会社に大量出向(偽装是正指導 違法性回避か)
8月 3 日:派遣採用の県補助2億円 松下系,受領後「請負」に

 という具合に,なんと4日連続トップ記事は「偽装請負」に関するもの。もっと他に大事なニュースがいっぱいあったと思うんですが・・・そして,いずれの記事も,「偽装請負」については,低賃金で安全責任もあいまい,不要になったら即クビ切りできるなど,大手メーカ側に対して批判的な論調。

 たしかにマスコミが批判するように,「偽装請負」はメーカ側の都合によるところも大きく,業務災害発生時の安全責任が問題になる可能性もあると思いますが,一方的にメーカ側を批判できるほど簡単な問題ではないと思います。

 そもそも「正規の請負」というのは,作業場所も生産設備もすべて請け負った側で準備し,製品に対する全面的な責任を伴う。それだけのリスクを負うにもかかわらず,それに見合った対価が支払われていないのが現実。何よりも,請け負った側の会社では,継続的に仕事を確保して従業員を雇用し続ける必要があり,これもまたリスクが大きい。それならいっそのこと,「一定期間,人だけ出すので全部メーカ側で面倒見てよ!」となるのは自然な流れ。それを正規にやるのが「派遣契約」ということなんでしょうが,一定期間派遣を続けるとメーカ側に直接雇用義務が発生するなど,非現実的な法律があるのも事実。この「一定期間派遣を続けるとメーカ側が直接雇用」というのは,派遣労働者の雇用確保のための法規制なのかと思われますが,労働者側にとっては,たとえ「偽装請負」でも請負会社からの雇用は確保されているわけで,マスコミが言うように「仕事が済んだら即クビ切り」ということはないでしょう。

 また,請負会社側では,自社が「人材派遣業」と見られるのを嫌うという妙な「プライド」があり,形式上はあくまで「請負」にこだわりたいという思いもあるようです。

 ということで,「偽装請負」というのは,発注側と請負側双方の利害が一致した発注形態であり,一方的にメーカ側を批判できるほど単純な問題ではないと思います。もっと問題の本質に迫って欲しいものです。

 それにしても,「正規の請負」をやったら,それはそれでまた「丸投げ」なんて批判を受けるケースもあり,いったいどうすればいいねん! って思います。

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