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2006年7月28日 (金)

被害者のいない犯罪

 日経社員がインサイダー取引で逮捕されたニュース。

 この社員は,05年12月から06年1月の間に,株式分割に関する企業の「法定公告」の掲載予定を閲覧し,この情報が公表される前に5銘柄の株を買い付け,値上がり後に売り抜けたという疑い。

 このような「職務上知り得る未公表の情報」って,この例に限らず世の中にはいっぱい溢れているんでしょうね。今回のケースの取引総額は2億4,000万円,短期間の売却益が3,000万円ということで,個人の取引量としてはちょっと目立ちすぎたんでしょう。目立たない範囲で危ない取引をしてる人って他にいっぱいいるような気がします。詳しいことはわかりませんが,特に最近はネット証券などで手軽に口座開設ができるようになっているみたいなので,株取引が禁止されている社員に対して,会社がそれを漏れなくチェックするのは困難だと思います。今回の日経社員の場合も,会社としては株取引を禁止していたそうですから。

 この手のインサイダー取引で許せないのは,「被害者のいない犯罪」だということ。万一不正が発覚しても,儲けた金額に対しては被害者を特定できない。というか実質的には被害者は不在。つまり「ヤリ得」ってことですね。だから,摘発されて会社をクビになって,たとえ起訴されて有罪の実刑判決を受けたとしても,刑期を終えて自由の身になれば,取引で得た利益はそのまま残っていて返還する必要もないし,被害者から賠償請求される恐れもないんでしょう。

 今回の日経社員のケースの被害者を強いて挙げるなら,社会的ダメージを受けた日経新聞社かも知れませんが,問題の社員に対して会社が損害賠償を求めるということもたぶんないでしょう。

 それにしても,僕の仕事はそういった未公表の「おいしい」情報とは無縁。正直言って,ちょっぴり羨ましい気もしました。

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コメント

インサイダー取引って、バレない人が多そうですね。
人に買ってもらえばわからないわけだし。
人には迷惑かけないけど、やっぱり言いたいですよね、「ズルイよ!」って……。
福祉関係に大口寄付をしてほしい(笑)。
それにしても、どうしてそこまで儲かるんでしょうかね。株式分割予定って、極秘の情報ではないんでしょうに。やっぱり株って早いもん勝ちなんですね。ふー……。

投稿: dashi | 2006年7月28日 (金) 23時09分

 こんにちは。
 たしかに,インサイダー情報を知ったとしても,別の人に買ってもらったら摘発される可能性は格段に低くなるでしょうね。
 本来は,株式分割しても株の相対的な価値は変わらない筈。分割すると相対価格が上がるというのは,株価っていかにテキトーか(企業価値の実体を表わしていない)ということの表われなんでしょう。

投稿: かば | 2006年7月28日 (金) 23時22分

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