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2006年5月14日 (日)

政党助成金

 政党助成金,法律上は「政党交付金」と言うそうですが,個人・企業・労働組合・団体などから政党への政治献金を制限する代わりに,税金から政党へ資金を出す制度として1994年に成立。助成金の総額は国民1人あたり年間250円となる額で,2006年の場合,総額317億3,100万円。これが国会議員の数と国政選挙の得票数に応じて配分され,自民党に約168億円,民主党に約105億円などが配分。自民党は収入の約6割,民主党は収入の約8割がこの政党助成金から賄われていると言われています。

 この制度に関しては賛否両論ありますが,たとえ国民1人あたり250円とはいえ,支持しない政党に対して税金から交付されるというのはどう考えても僕はイヤです。もっとも,企業や労働組合からの献金なども,従業員や組合員の意思とは無関係に献金しているわけで,問題の根は同じですが。

 これに関しては損害賠償を求める違憲訴訟にもなっていますが,東京高裁の控訴審判決では,「政党への寄付の自由は思想・良心の自由(憲法19条)の一側面である」としながらも,「控訴人の税金がただちに政党交付金として交付されるとは言いがたく,特定政党に寄付を強制されているとは言えない」として控訴棄却の判決。要するに,税金は「どの収入がどの支出」という関連づけはできない。つまり,税金の使途に関しては,納税者の立場としての民事訴訟にはそぐわないという判決。極めて理不尽な判決だと思います。

 この政党助成金,日本共産党だけは「違憲」として受け取ってないということで,これに関しては立派だと思っていたんですが,意外なことに党内や支持者には「受け取るべき」という声も多いらしい。セクハラ疑惑で離党した筆坂秀世氏が最近本を出していますが(その名も「日本共産党」),この本によると,獲得議席と得票数に応じ,ともかく民意を反映して配分しているのだから受け取ってもいいのでは というのが早坂氏の考え。もっとも,これには党の苦しい財政事情もあるみたいですが。

 この共産党が受け取らなかった助成金は,国庫に返還されるわけではなく,結局他の政党が「山分け」することになっているんですね。つまり,結果的に共産党へ投票した人の納税相当額は他の政党の助成金に流れているわけで,そう考えると,制度がある以上は有権者のためにも受け取るべきという気がします。でも,「違憲」と主張し,件の違憲訴訟も支持している立場上,今さら受け取れないということなんでしょうか。

 それにしても,自民党や民主党。党の収入の大半を助成金で賄っているということは,こちらも今さら戻れないということなんでしょう。結局,どの政党も今さら戻れない。このためこの制度は半永久的に続くということなんですね。お先真っ暗です。

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コメント

私これ、一票50円とかにしたら、いいんじゃないかと思ってるんですよね。獲得票数そのままに分配すればいいと。政党名を書く比例区選挙なら政党に、小選挙区なら個人の政治家への政治寄付金となる、みたいな制度。年間5回選挙があるとしたら、50円(地方選挙も含む)で、総額は今と同じ。

こうすれば投票率をあげようというインセンティブも政治家側に働くし、投票する方も、自分の一票が直接的に支持する団体や人に届くから気持ちいいし。だめかなあ?

投稿: ちきりん | 2006年5月14日 (日) 12時45分

 なるほど,投票行動に直接リンクさせるというのは理にかなってますね。画期的だし,これなら納税者もある程度納得できそう。面白いです。
 ただ,そうなると,小選挙区は候補者乱立になる可能性があるかな。いや,供託金没収制度があるから,そうとは限らないか。
 コメントありがとうございました。

投稿: かば | 2006年5月14日 (日) 12時59分

今日は。 ご高説興味深く拝読させていただきました。

私は民主政治は政党政治抜きでは成り立たないと思っております。 従いまして政党は近代政党として自立していなければならないと思います。

政党自立の重大要件の一つは、その政党の財政が自主独立のものでなければならないということです。

現状を振り返るに、余りにもかけ離れた状態にあることに唖然としております。 政党の主たる財源が企業献金、政党助成金とは。

これでは今の日本には独立した近代政党が存在しなく、従って政党政治、民主政治も未しで、前近代的政治が行われていることになります。 まことに恥ずべき状況です。

投稿: 石田 | 2006年5月14日 (日) 13時54分

 はじめまして。コメントありがとうございます。
 財政面での政党の自主独立,たしかに大事なことだと思います。
 企業や組合などからの献金を制限するのはいいとしても,その代わりに税金で補填しようという発想はちょっと短絡的かなという気がします。しかも,一旦党に入れば他の収入とごっちゃになり,実質的に「何に使っても自由」というのは,税金の使途としても好ましくないと思いますね。
 そもそも,政党の活動になぜこれだけの大金が必要なのかも理解しがたいです。議員としての活動には,あり余るぐらいの報酬を議員に与えているのに って思います。

投稿: かば | 2006年5月14日 (日) 16時25分

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