福知山線脱線事故
107人が死亡した2005年4月のJR福知山線脱線事故で,神戸地検は,1996年の現場カーブ付け替え時に自動列車停止装置(ATS)の設置を怠って事故を発生させたとして,JR西日本の山崎正夫社長を業務上過失致死傷の罪で在宅起訴。これを受けて,山崎氏は社長を辞任する意向を表明したというニュースがありました。
山崎氏はカーブ付け替え当時の常務取締役鉄道本部長であり,地検は安全対策を統括する最高責任者としての義務を果たさなかった過失が山崎氏にあると判断したとのことですが,これに対して,「事故が起こったのは付け替えから8年半後であり,8年半後の事故を予想できるわけがない」「法人としてのJR西に責任があるとしても,個人に刑事責任を問うのは無理がある」などの声が出ています。
刑法では個人の刑事責任しか問えないといっても,鉄道事故の責任を法人でなく一個人だけに問うというのは,ちょっと無理があるように思えます。しかもこの事故は,運転士によるスピード違反が直接原因。スピード違反の引き金となった原因を問うのではなく,安全対策責任者の刑事責任を問うというのは,素人感覚では大いに違和感ありますね。
それよりも何よりも,事故が起こってから4年以上も経過した今になって起訴というのにも,めちゃくちゃ違和感あります。地検はいったい今まで何をしていたんでしょうか。「犯人捜し」にこんなに時間がかかるものなんでしょうか。ちょっと信じられません。
そしてもう一つ,僕が違和感を覚えたのが,この事故で家族を亡くした遺族のコメント。山崎社長の起訴に対して,「旧経営陣の責任はなぜ問われないのか」など,遺族には批判の声も多いみたいです。
でも,このような事故に対しては,法人であるJR西に対して民事で徹底的に争うべき問題ではないでしょうか。遺族が刑事上の問題に対して「あの人も起訴すべき」みたいな発言をするのは,僕にはすごく違和感ありますね。
殺人事件のように,被害者が実質的に民事で争えないケースの場合は,被害者感情を刑事裁判に反映したいという心情はある程度理解できますが,このような事故では,刑事上の問題は検察にまかせておけばいいのにと思います。まあ,自分が当事者じゃないので,こんなことが言えるのかも知れませんが。
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