2009年1月 7日 (水)

舌つづみ

 今日の朝のテレビ番組で,フジテレビの女子アナが「舌づつみ」と言っていたのがすごく気になりました。正しくはもちろん「舌つづみ」で,美味しいものを食べた時に舌を鼓(つづみ)のように鳴らすというのが語源です。「舌つづみ」から転じた「舌づつみ」というのも広辞苑などには出ていますが,プロのアナウンサーたる者,語源に忠実に正しく発音して欲しいものです。

 麻生総理の漢字の誤読みが相変わらず話題になっていますが,踏襲(とうしゅう)→「ふしゅう」,未曾有(みぞう)→「みぞうゆう」などは,単に正しい読み方を知らなかっただけと思えるのに対し,詳細(しょうさい)→「ようさい」,怪我(けが)→「かいが」のように,簡単なことばを間違って発音したというのにはホント驚きます。この人は,もし自分がケガをした時,「あ痛っ! カイガした~!」なんて叫ぶんでしょうか。ありえないですよね。

 つい最近も,麻生総理が色紙に書いた年号が「平成廿十一年」となっていたなんて話題もありましたが(正しくは「平成廿一年」),縦線1本(十)が「10」で,縦線2本(廿)が「20」という原理を知っていたら間違えようがないのにと思います。ちなみに,縦線3本の漢字を無理やり当てはめて「30」と読ませていた年配者がいたのを思い出します。まるでローマ数字みたいです。

 でもまあ,麻生総理の誤読みを,メディアは偉そうにいちいち取り上げなくてもいいのにと思います。麻生総理ほどひどくはないにしても,アナウンサーの漢字の読み方が怪しくて気になるケースはいっぱいありますよ。

 今朝のテレビの「舌づつみ」以外にも,たとえば「他人事(ひとごと)」を「たにんごと」と読んだり,「職人気質(かたぎ)」を「職人きしつ」と読むアナウンサー(これは以前の記事にも書きました)。また,「祝! ××オープン」みたいな垂れ幕を「しゅく,オープン」のように読むアナウンサーも気になりました(正しくは「いわい,オープン」のように読むのが慣例)。

 たしかに麻生総理の日本語レベルは低いと思いますが,そもそも政治家に正しい日本語が完璧に話せるとは期待していないし,まして一般の人が使う日本語が多少怪しくても,僕は全然かまいません。でも,正しい日本語を話すのが使命であるアナウンサーのことばは正確無比であって欲しいし,本来の日本語に忠実であることを期待しています。

 そういえば,麻生総理がしきりに使う「早急(そうきゅう)」というのもけっこう気になります。「そうきゅう」でも間違いではないようですが,元は正しくは「さっきゅう」だったと思います。「早速(さっそく)」と言うべきところを麻生さんだったら「そうそく」なんて言いそうで,ちょっと心配です。

 過去の関連記事:順風満帆(2005年12月13日)

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2009年1月 5日 (月)

刑務所の中

 仕事と住居を無くした人が急増して,世の中は大変なことになっていますが,ホームレスをするくらいなら,3食付きで住居が与えられる「刑務所暮らし」の方がマシ! と考える人が多いかも知れませんね。でも,自由がほとんどない刑務所暮らしがどれだけ大変なのか,あるいは意外と快適なのか,容易には判断できないでしょう。そんな人にとって判断材料となるのが,2002年公開の映画「刑務所の中」(監督:崔洋一,出演:山崎努,香川照之,田口トモロヲ ほか)でしょうか。【以下,ネタバレあり】

 この映画は,特に大きなストーリーはなく,主演の山崎努さんのナレーションとともに刑務所内の生活がコメディタッチで淡々と描かれているだけです。でも,内容は原作者の実体験に基づいているため,普通は知ることのできない刑務所内での生活がとてもリアルに描かれていて,一つ一つのシーンが本当に面白いです。

 同居者の「いびき」対策や,たまの「パン食」が待ち遠しかったり,ごはんに醤油を少し落とすとめちゃ美味しかったりなど,入所経験者でないとわからないだろうなと思えるシーンが満載です。また,刑務所には陰湿で怖いというイメージがありますが,この映画では,雑居房の同居人(5人)はけっこう「いい関係」が保てていて,適度な「和気あいあい感」が感じられました。

 ただ,大声を上げて整列して所内を後進する姿は異様だし,作業中にトイレに行く時や消しゴムを拾う時にも刑務官の許可がいるなど,刑務所生活というのは制約が多く,本当に滑稽でばかばかしいと思いますが,「自由がない」というのはこういうことなんでしょう。

 それにしても,日本の刑務所は必要以上に監視の目が厳しすぎると思います。片や,外国の刑務所生活を描いた映画としては,1994年制作のアメリカ映画「ショーシャンクの空に」(監督:フランク・ダラボン,出演:ティム・ロビンス,モーガン・フリーマン ほか)が有名。日本と比べると米国の刑務所はかなり監視の目が甘いので楽ちんと感じますが,その代償として,刑務所内でホモのおっさん集団に犯されそうになるシーンが何度もありました。やっぱりアメリカって怖い国です(笑)

 話を日本の刑務所に戻して,もし刑務所に入ったら,24時間完全拘束で外に出られないだけでなく,自由にトイレも行けないし「うたた寝」することもできない。もちろんアルコールも御法度。その代わり,寝食に困ることはないし毎日ではないもののお風呂にも入れます。さて,ホームレス生活とどっちがいいか? う~~ん,けっこう微妙で悩みます。

 この映画の終盤で,山崎努さんは懲罰を受けて独房に入ってしまいますが,一人で過ごせる独房の方が雑居房よりもずっと楽しいという感想を漏らします。たしかに,他人に気を使わなくてすむ一人暮らしの方が気楽というのは現代人のホンネであり,僕にもそれは痛いほどよくわかります。「懲罰のために独房入り」という規則は今の時代には通じないということでしょうね。

 過去の関連記事:一人で行動(2006年7月24日)

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2009年1月 4日 (日)

年賀状泥棒

 静岡県で,郵便受けから年賀状を盗んだ容疑で男が逮捕されたというニュースがありました。警察発表によると,容疑者は「独り身で寂しかった。年賀状の家族の写真が見たかった」と供述しているとか。

 かつては,お年玉付き年賀はがきの景品の「切手シート」が非売品で入手困難なために年賀状泥棒が多発したという時代もありましたが,さすがに今は切手シート目当てに窃盗する人なんかいないでしょう。この容疑者の言う「家族の写真が見たかった」が本当かどうかはわかりませんが,考えてみたら家族全員の実名や顔写真が載っている年賀状が盗難に遭うというのは恐ろしいものです。

 わが家の郵便受けも何年か前に年賀状の盗難に遭ったことがあり,年賀状を送ってくれた人に返事が出せずに困ったことがありましたが,それ以上に,個人情報が満載された年賀状がどこへ行ってしまったのかと思うと,薄気味悪いものです。

 お年玉付き年賀はがきの景品目当ての窃盗という可能性もありますが,ちなみに2009年の場合,年賀はがきの景品の当選確率は以下のとおりです(Wikiより)。
 1等(国内旅行,マッサージチェアなどから1点):100万枚中1枚
 2等(体重計,電子辞書,Wiiなどから1点):100万枚中3枚
 3等(有名ブランド食材から1点):1万枚中1枚
 4等(お年玉切手シート):100枚中2枚

 どう考えても,危険を冒して窃盗するには当選確率が低すぎます。もし景品目当てに年賀状を盗んでいる人がいたら,絶対にやめて欲しいものです。

 郵便物泥棒に対しては,郵便受けに鍵をかけるなどの自衛策で防げるかと思いますが,それでも,ポストに投函してから相手に届くまでの間に多数の人間の目にさらされる郵便物には,個人情報漏洩のリスクがあるでしょう。郵便局職員やアルバイト員を信用しないわけではありませんが,特に個人情報や写真などが丸見えとなる「はがき」という媒体は,もはや時代遅れのような気がします。

 メールの普及などにより,年賀状を出す習慣は減りつつあるものの,将来的にも完全になくなることはないでしょう。僕の場合も,こちらから積極的に年賀状を出す相手は少なくなりましたが,来た相手には必ず返信するわけで,返信し続ける限りは翌年も必ず出していただけるので,完全になくなることはありません。

 年賀状という習慣がなくならない限りは,時代の変化に合わせて,より個人情報保護に配慮したシステムへ移行して欲しいものです。たとえば,年賀状は簡易な封書にして文面や差出し人名は外からは見えないようにし,宛先不明時にのみ郵便局による開封を認めるといった方法などがあると思いますよ。

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2009年1月 3日 (土)

気の利いた対策を

 「派遣切り」などで仕事と住居を失った人を対象にした日比谷公園の「年越し派遣村」がパンク状態となったため,厚生労働省は要請に応じて日比谷公園近くの省内の講堂の緊急開放に踏み切り,約250人が講堂に移ったというニュースがありました。

 厚生労働省が住宅の無い人に省内の施設を開放するというのは極めて異例であり,画期的なことでしょう。なかなかやるじゃん! とは思いますが,この「緊急開放」は1月5日午前9時までという期間限定の措置。ここに避難した人すべてが1月4日までに新たな住居を確保できるとはとても思えないので,結局1月5日になれば,またまた大混乱になるんでしょうね。

 お役所にしては動きが速かった点は評価できますが,本質的にはこれは生活保護によって解決すべき問題のような気がします。生活保護に関して,本来受給されるべき人に受給されない(申請書の受取りが拒否される)問題を解決することがまずは重要ではないでしょうか。

 それにしても,片や公共スペースからホームレスを強制退去させることを行政はやってきたわけで,よくまあ相反することをできるものだと感心します。施設の緊急開放は政治家などからの強い要請があったからだと思いますが,やはり政治家やメディアが大々的に取り上げて目立った部分に対しては行政は弱いということでしょうか。

 「派遣切り」と並んで,昨年は「就職内定の取り消し」が何かと話題になりましたが,これに対する厚生労働省の対応が素速かったのも,やはりこの話題が目立って注目を浴びたからでしょう。

 この「内定取り消し」に関して,昨年末に厚労省は悪質な企業名を公表するための基準案をまとめたとのことで,それによると,公表の対象となるのは下記いずれかに該当する場合だそうです。
(1)2年以上連続して内定を取り消した場合
(2)同一年度に10人以上内定を取り消した場合
(3)事業活動の縮小を余儀なくされているとは認められない場合
(4)内定を取り消した学生や生徒に理由を十分に説明しなかった場合
(5)内定を取り消した学生や生徒の就職先の確保に向けた支援を行わなかった場合

 内定を取り消す企業というのは,なるべくそれが表沙汰にならないようにやっていると思うので,この5つの基準に触れたかどうかを,厚労省が公平に客観的に判定できるとはとても思えません。また,仮にそれがわかったとして,そのペナルティーがなんで「企業名の公表」なんでしょうね。

 企業名公表の目的は,次年度以降に就職活動する人への情報提供なのか,企業名公表が「見せしめ」になることを恐れて抑止力が働くのを期待するというお役所的発想なのかはよくわかりませんが,内定を取り消すほどの状況にある企業にとっては今さら社名を公表されてもあまり影響ないような気がします。もう少し気の利いた,効果的な対策を考えた方がいいと思いますよ。

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2009年1月 1日 (木)

新年を迎えて(2009年)

 ブログを初めてから4回目の正月を迎えました。このブログはいつまで続けられるかわかりませんが,本年もよろしくお願いいたします。

 さて,1年前の元日に何を書いのたか確認したところ,2008年の政治に関して予想していて,「今年も総理大臣の交代がありそう」「解散総選挙は絶対ない」と予想していました。結果的にどちらも的中でした。

 1年前は福田政権が発足して数ヶ月しかたっていないところで,内閣支持率も高く,多くの人は年内に福田総理が辞職するとはまったく想像していなかったと思います。また,この頃は「年内に解散総選挙がある」みたいな雰囲気があったのも事実です。ということで,1年前の予想が的中したのには,われながらビックリです。

 それにしても,その後の麻生内閣発足直後は「すぐに解散総選挙」かと思えたのに,なんであの時に解散がなかったのでしょうね。今思えば不思議です。ここで何度も書いているように,総理大臣候補である与党の党首が交代したのなら,すぐに解散して民意を問うのがスジだと思うし,与党にとっても党首交代直後の支持率が最も高い時に総選挙をした方が断然有利でしょう。麻生内閣発足直後に冒頭解散すべきだったという声もあるようですが,本来なら,自民党の新総裁が決まった時点で,新首班指名の前に解散するのがスジだと思いますよ。

 ということで,昨年の予想が的中したのに気をよくして,今年も総選挙と政権交代に関して大胆に予測してみようと思います。

 まずは解散総選挙時期について。たとえば最近のニュースによると,自民党の選挙対策副委員長の菅氏は,「2次補正と本予算の関連法案まで仕上げると4月いっぱいぐらいはかかる。6月から7月にかけては都議選があるので公明党は避けてほしいと要望している」などと述べ,9月の衆院議員の任期満了に近い時期まで先延ばしすることが望ましいと発言しています。

 これだけ長い間解散がないと,過去にはいったいどういうタイミングで解散していたのかがなかなか思い出せませんが,なんだかんだ言っても,今は内閣支持率が低いから解散できないというのは見え見えです。菅氏の意見からもわかるように,与党としては年明けの早い時期に解散するつもりは毛頭なく,衆院議員任期満了間際の解散か,または任期満了後の総選挙になることでしょう。

 そして,麻生総裁では総選挙に勝てないと判断した自民党は,麻生氏が総裁を辞任した上で総選挙の前に新総裁を選出するものと予想します。そして新総裁は,「中身よりも外面」という「選挙に勝てそうな人」が選ばれるでことでしょう。人気のあるタレント出身議員とか,話術に長けた人とか,オヤジに人気がありそうな女性議員とか・・・もっとも,僕の知る限りでは,そんな「適任者」は思い当たりませんが。

 片や民主党の党首は相変わらず小沢一郎氏。小沢氏には申し訳ないですが,はっきり言って党首としての「賞味期限」は切れてしまっています。衆議院の任期満了とともに小沢氏は「人気満了」といったところでしょうか。しかも小沢氏には健康面の不安もあります。

 そして総選挙の結果は,自民党のこの「ウルトラC」により,与党はなんとか過半数維持となり,政権交代は実現しません。つまり有権者は「衆参ねじれ」の継続を選択するものと予想します。やはり自民党はしたたかな政党です。

 ところで,話は変わりますが,原子時計に基づく時刻と地球の自転運動との時刻差の「1秒」を補正するための「うるう秒」というルールがありますが,世界標準時刻の2008年1月1日0時つまり日本時間の1月1日午前9時直前に,この「1秒」が挿入されたそうです。つまり,今年の1月1日は,いつもの日より1秒だけ長くなるということですので,みなさん,例年より1秒長いお正月をどうぞ満喫して下さい(笑)

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2008年12月31日 (水)

政界再編

 アメリカの大統領選は,予備選挙と本選挙が終了して新大統領が選出されましたが,正式に就任するのは年明けとか。たった一人の大統領が交代するのに,候補者選出から就任までいったいどれだけ長い期間がかかるんでしょう。片や日本では,アメリカが大統領を決める間に総理大臣がいったい何回交代するねん? という状態。日本では,発足後わずか3ヶ月の麻生内閣が,早くも政権末期とささやかれています。

 そして,麻生内閣の支持率低下とともに政界再編を予感させるようなニュースがちらほら出てきています。たとえば,自民党の山崎拓氏と加藤紘一氏は,民主党の菅直人代表代行や国民新党の亀井静香代表代行と会談し,政界再編を念頭に連携を深めていく方向で一致したようです。また,最近では,自民党の渡辺喜美氏が党の方針に造反して衆院解散要求決議案に賛成したというニュースもありました。

 こういった与党内の造反の動きは,政策の内容に対する批判というよりは,麻生内閣の支持率が低下して次期総選挙後の議席の過半数確保と政権維持が難しくなったと判断したからでしょう。要するに,自分の立場(政権与党にいること)を守るために行動しているだけではないでしょうか。次の選挙を見越して自分の地位を守るために,自分たちが選んだ内閣をたった3ヶ月で見限るなんて,ちょっとハレンチすぎると思いますよ。

 また,自民党の中川秀直元幹事長は,某テレビ番組の中で「政界再編については総選挙が終わった瞬間に判断する」と述べたそうです。わかりやすく言うと,「総選挙の結果で与党が過半数を取れなかった場合には,民主党を含めて政界再編を行って政権を維持する」ということなんでしょう。

 政界を再編するのは大いにけっこうで,やりたい人は自由にやればいいと思いますが,その議員に投票した有権者の意思に反するのはやはりルール違反。もし所属政党を変える場合には,いったん議員を辞職するか,解散後の総選挙前に所属変更して,その上で有権者の判断を仰ぐべきでしょう。選挙に当選してから所属政党を変えるというのは有権者の意思を無視するものであり,もってのほかです。その当たり前のことがわかっていないから,中川氏のように「総選挙が終わってから判断」なんていう発言が出て来るんでしょうね。

 さて,本年はこれで終了です。みなさん,どうぞ良い年をお迎え下さい。

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2008年12月30日 (火)

青春18きっぷの旅

 27日から京都へ帰省中です。僕が関東から関西方面へ移動する場合,ビジネスならもちろん新幹線ですが,プライベートの場合は,時間がもったいない時は夜行の高速バスを利用することが多いです。茨城から京都まで移動すると,いくら新幹線が速いといっても半日ぐらいは潰れてしまいますが,高速バスだと夜遅く出発して早朝に到着するため,時間にまったくムダがなく,帰省先での時間が十分確保できます。しかも交通費は新幹線よりも格安と,ありがたいです。

 今回は時間に余裕があったのとバスの指定が取れなかったこともあり,ひさびさに(10年以上ぶりに)「青春18きっぷ」を利用してみました。僕は電車に乗るのは好きだし,電車ならいくら長時間乗っても苦痛じゃないし楽しいです。そんな人間には「18きっぷ」はうってつけですね。

 まず,首都圏の中距離列車の場合(今回の場合は常磐線と東海道本線熱海まで),各駅停車や快速列車にもグリーン車が備えられていて,18きっぷ利用時でも750円払えばグリーン車に乗れます(ホリデー料金でかつモバイルSuica利用の場合)。普通列車のグリーン車というのはJR東日本にしかない車両ですが,座席は特急の普通車並みのリクライニングシートで快適です。もっとも,JR東海・西日本エリアの豊橋から姫路あたりまでの新快速は,転換式のクロスシート車両で快適ですが特別料金は不要。言い換えれば,JR東の普通列車というのは,座席のクオリティが中部圏・関西圏より劣る代わりに特別料金の必要なグリーン車を設けいているというワケで,ちょっと理不尽な気もします。

 そして,熱海から浜松あたりまでのJR東海エリアは,列車ダイヤが細切れで,連結車両数が少なくて混雑したりトイレがなかったするなどイマイチですが,車窓からの風景を眺めながらゆっくり旅の気分が味わえるというのは,新幹線では味わえない,いいものですよ。

 ところで,この日は天候に恵まれ,冠雪した富士山が超キレイで,東は茨城県南部から西は浜松あたりまで,広範囲にわたって富士山を見ることができました。条件のいい日にいったいどの範囲で富士山が見えるものなのかは知りませんが,山の形の美しさだけでなく,周囲に高い山がなくて広い範囲で多くの人が目にすることができるという点が,富士山が多くの人を魅了している大きな理由なんでしょうね。

 ただ,個人的には,僕は富士山のよく見える地域に住みたいとは全然思いませんね。昔,修学旅行で富士箱根方面に行った時とか,山梨県の親戚に行った時などの経験で,富士山がよく見える地域にいると,毎日が「今日は富士山がよく見える」とか「今日は見えない」とか,そういった話題ばかりで,とても重苦しく感じたものです。富士山というのはたまに見るのはいいけど,毎日見ていたら僕はあの威圧感にまいってしまうかも知れません。そういえば,太宰治の「富岳百景」で,バスガイドさんが案内する富士山の風景にそっぽ向いていた老婆のシーンがありましたが,僕もあの老婆にはなんとなく共感を覚えます。

 話はそれましたが,結局約12時間かけて茨城から京都に到着。所要時間は新幹線利用時の3倍弱ですが,マイカー利用時とほぼ同じくらいの所要時間なので,この時間が苦になるということはありません。しかも,電車だといつでも眠れるので,自分でクルマを運転するよりははるかに楽です。また,交通費は2,300円と格安で,グリーン料金を含めても3,800円。新幹線を利用した場合と比べて約4分の1です。「青春18きっぷ」は春休み・夏休み・冬休みの期間限定商品ですが,僕としては年中発売して欲しいと思っています。

 過去の関連記事:
  グリーン車(2006年12月11日)
  青春18きっぷ(2007年2月20日)

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2008年12月25日 (木)

リストラ問題

 1ヶ月近く前になりますが,麻生首相は首相官邸に日本経団連会長の御手洗冨士夫氏(キャノン会長)ら経済団体首脳を呼び,賃金引き上げと雇用の安定のほか,採用内定を取り消さないように求めたというニュースがありました。また,その後,二階俊博経済産業相が産業界の代表者と懇談し,景気悪化で解雇が相次いでいる非正規労働者を含む雇用の安定確保を要請したというニュースもありました。

 内閣の首脳が経済界に要望を出せば,経済界はハイハイと言うことを聞いてくれると思ったのかどうかは知りませんが,政府が財界にこういった要望をするというのは,とても違和感があります。要望を述べるのは自由ですが,それはあくまで要望であり,政策でもなんでもない。政策というのは法律に基づいた強制力を伴う必要があります。その証拠に,キヤノン会長の御手洗氏が麻生首相と会談した直後に,キヤノンの関連会社で大量のリストラ計画が発表されています。御手洗会長は首相からの要望なんて全然意に介していなかったということでしょう。

 これに対して,労働界や野党という立場であれば,経営者にどんどん要望を突きつけても,それはある意味彼らの仕事であって,当然の行動でしょう。それがどれだけ効果あるかは別ですが。でも,日本共産党の委員長が経団連の専務理事らと会談し,各企業が進める非正規社員の大量解雇の撤回と雇用維持を申し入れたというニュースには,さすがにちょっと驚きました。共産党幹部と経団連との会談というのは,やはり違和感のある組み合わせです。

 でもまあ,それはそれでいいとして,下の写真にはもっと違和感を覚えました↓

Photo
 (asahi.comより転載)

 この写真は,共産党の志位委員長と日本経団連の田中清専務理事との会談の写真ですが,どう見ても,志位委員長が一段高いところに立って,頭を下げた経団連の田中理事がお詫び状を渡しているようにしか見えません(笑)

 もちろん段差があるわけではなく,これはたぶん身長差なのでしょう。Wikiで調べたところ,志位委員長の身長は180cmと日本人にしてはかなり高いです。いったい誰がどうやって調べたのか知りませんが,主要な政治家の身長をすべて掲載しているWikiってすごいですね。ちなみに,僕が小柄なイメージを持っていた麻生総理は身長175cmと,意外と高かったし,民主党の小沢代表は173cmと「ずんぐり」のイメージの割にはそこそこの高さ。意外だったのは,僕にはすらっとしたイメージがあった福田前総理は171cmとそれほどでもないし,長身のイメージがあった小泉元総理は169cmと,意外に低かったです。人の身長なんて,テレビを見たイメージだけではわからないものですね。

 それはともかく,もっと笑えた写真がこれ↓

Photo_2
 (asahi.comより転載)

 この写真は,同じく共産党の志位委員長がトヨタ自動車の古橋衛専務ら幹部と会談して大量解雇の中止・撤回と雇用維持を要請したというニュースの写真ですが,どう見ても,トヨタの専務が志位氏に謝っているようにしか見えません。しかも片手には手みやげ(?)の紙袋も提げているし。共産党委員長に頭を下げる財界人・・・共産党関係者が見たら泣いて喜びそうなベストショットですね(笑) 雇用確保という極めてマジメで切実な問題なのに,ちょっとふざけた記事になってしまって,申し訳ありません。

 政治家に限らず,背が高いというのはホント得だなーと思いますが,やはり握手しながらお辞儀をするのは失敗。握手する時は,背筋を伸ばして相手の目を見るのが基本らしいですが,日本人はこれが苦手で,ついつい頭を下げてしまうようです。外国の人と握手した際,相手がきちんと背筋を伸ばして立っているのに日本人だけが頭を下げているという,みっともない写真をよく見かけますよね。

 ついでに,握手のマナーとしては,目下の者が先に手を出すのが礼儀とか。また,男性から先に手を出して女性に握手を求めるのは,大変な失礼になるらしいです。

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2008年12月24日 (水)

英語による授業

 文部科学省は,2013年度から実施する高校の学習指導要領の改訂案を発表。それによると,「英語の授業は英語で行うのが基本」と明記し,教える英単語数も4割増やすとか。学校現場では「荷が重い」と受け止める声があるものの,文科省は「専門として英語を教えているのだから,英語能力は高いはず。先生がパニックになるようなことはない」「教員が本当に対応できるのかという点についてはほとんど議論にならなかった」などとコメントしています。

Photo
 (asahi.comより転載)

 僕の場合,中学から高校・大学まで,約10年間英語教育を受けてきましたが,それでも英語はほとんど話せないし,聞き取りもほとんどできません。会社に入ってから取得した実用英検2級がやっとで,ほとんど英語は実用になっていません。英語がほどんど使えない僕としては,英語に対するコンプレックスは大きく,義務教育を含む日本の教育で,なんで英語がここまで重要視されているのか,昔からの大きな疑問です。

 「実用的な英語」という点で重要なのは,やはり読み書きよりも,聞き取ることと話すことでしょう。多大なパワーをかけて教えても英語が実用にならない人が多い今の英語教育というのは,本当に疑問です。また,日本人に対する外国語教育として,本当に英語が最適なのかも疑問。これからは英語以上に中国語が必要となる機会が多くなるような気もします。外国語教育に関しては,英語だけを必修とするのではなく,複数の外国語から自由に選べる選択制にして欲しいものです。

 ところで,この「英語の授業は英語で行う」について,ほとんどの教員が対応できると信じている文科省はノーテンキすぎるような気がします。むかし僕が中学や高校で習った英語の先生には,ネイティブな発音ができる人は一人もいなかったし(読み書き主体の授業ではその必要性もなかった),大学の英文科を卒業したのに英語が全然しゃべれないという知人もいます。だいたい,もし英語圏で生まれたら,何も習わなくても10歳になればペラペラに話せるようになるでしょう。英語を10年間教えても自然に話せるようにならないというのは,語学教育としての体をなしていないと思います。

 本来なら英語を教える側は英語を話せるべきであり,「英語の授業は英語で」というのは正しい方向だと思います。そして,そういう授業であれば,生徒の英語力も確実に上がるとは思いますが,そういう英語教育を受けてきていない人が英語教師になっているわけで(たぶん英語が話せなくても教員免許は取れると思う),教える側がこの「英語の授業は英語で」に対応できるとは,僕はとても思えません。

 もっとも,日本語が染みついてしまった人が英語が話せるようになるかというのは,教育だけでなく天性の素質に依るところもあるような気がします。また,英語を話せない僕が言うのもなんですが,僕が日本語を自然に話している経験から言うと,英語を自然に話せる人というのは,単語とか文法とかは意識しないものだと思うし,英会話においては,単語よりもフレーズとか言い回しの方が重要な気がします。このため,文科省が「指導する英単語数」を決めたという時点で,なんだか日本の英語教育の限界を感じました。

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2008年12月22日 (月)

私は貝になりたい

 映画「私は貝になりたい」(監督:福澤克雄,出演:中居正広,仲間由紀恵,笑福亭鶴瓶,石坂浩二 ほか)を見ました。1958年のフランキー堺さん主演の同名テレビドラマのリメイク版で,このテレビドラマは伝説的に有名で,当時かなり話題になったそうですが,もちろん僕は見ていません。

 この映画の主役コンビは中居正広さんと仲間由紀恵さんで,バラエティー番組かテレビドラマの延長かと思わせる顔ぶれ。特に,シリアスドラマの中居正広さんというのは,時代劇のキムタクと同じぐらい僕には違和感があります。そして笑福亭鶴瓶さんとの競演というのも,何かのバラエティー番組で見たような組み合わせ。「僕が見たくなくなるような出演者の人選をしないで!」って言いたくなりました。【以下,多少ネタバレあり】

 でも,僕の予想に反して,映画はなかなかよくできていて,この出演者に対する違和感も,映画が進むにつれて徐々に慣れて気にならなくなりました。「泣かせどころ」も満載で,特に拘置所での金網越しの妻子との面会シーンにはじーんとなりました。また,戦前・戦後の時代を感じさせるセットはなかなか良くできていたし,首つり用のロープが並ぶ死刑執行場所の「不気味さ」もよく表現できていたと思います。

 また,「上官命令は天皇の命令と同じ」との意識で絶対服従で行動したにもかかわらず,戦犯容疑で受けた裁判の中でアメリカ人裁判官に「命令は文書で指示を受けたのか?」とか「なぜ命令を拒否しなかったかのか?」などと詰問されるシーンの「かみ合わなさ」「滑稽さ」は上手く表現できていました。それにしても,主役の中居正広さんが拘置所に収容された際,「お仲間です」と言って紹介された同室の先住人が,同じSMAPの草薙剛さんだったのには笑えましたね。

 疑問だったのは,召集令状(いわゆる「赤紙」)を受け取った時に,あからさまに残念がるシーンがあった点。他人の前でそんな態度を見せることなんて許されない時代だったのではないかと思いますよ。また,戦時中の大本営の中に,それなりの地位と思われる女性職員がいたというのも,女性がそんな地位につける時代ではなかったはずであり,ちょっと違和感がありました。

 米軍捕虜を殺害しようとするシーンは映画「戦争と人間 完結篇(1973年)」の中国人殺害シーンに似ていたし,死刑囚の妻が嘆願書の署名を集め歩くシーンは映画「砂の器(1974年)」の父子放浪シーンを思い出させるなど,「かつて何かの映画で見たようなシーン」がいくつかありましたね。

 ということで,気になる点もありましたが,全般的には満足できた映画です。また,この映画は,僕はTOHOシネマズ会員カードの無料ポイントで見たので,かなり得した気分です。TOHOシネマズ会員の「6本見たら1本タダ!」というシステムはありがたいものです。また,通常料金だと映画を1本見ると1,800円ですが,毎週木曜日は「メンズデイ」で1,000円だし,曜日にかかわらず毎月1日と14日は1,000円均一。また,60歳になると「シニア割引」でいつでも1,000円になるらしいです。60歳になる日が待ち遠しいです(笑)

 ということで,僕は映画を見る時は,なるべく1,000円で見られる日を選んで見て,ポイントがたまったら通常料金でしか見られない日に見るようにしています。そうすれば,6本で5,000円,つまり,実質的に1本あたり833円で見られる計算になります。TOHOシネマズに限らず,こういうシステムを取り入れているシネコンは多いと思いますが,映画をよく見る人はぜひ会員になりましょう! そして,入会を申し込む時は,受付のおねーさんに「私は会員になりたい!」って言いましょう! 絶対ウケますよ。

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2008年12月21日 (日)

1万円札は必要?

 最近は,電車に乗る時やコンビニで買物する時は,ほとんど電子マネーを利用しています。そして,よく利用する近所のスーパーは,会員カード兼用のクレジットでの支払い。会社で注文する弁当や社員食堂もクレジット払い。クルマのガソリンもクレジット払いで高速道路料金はETC。JRの長距離切符や航空券もクレジット払い。1万円以上の高額の買物はほとんどがクレジット払い・・・ということで,僕の場合は現金自体を使う機会が激減しています。現金を使うのは,電子マネーに対応していない飲み物自販機とか,ファストフードやレストランでの支払いとか,出張先で利用するタクシーぐらいですね。

 そうなると,現金が必要となるケースで必要になるのはほとんが千円札か小銭。たくさんの1万円札をいつも持ち歩いているわけではありませんが,1万円札というのは僕にとってはとても邪魔な存在です。特にタクシーに乗る場合,乗車料金がたいていワンメーターから千数百円程度なので,タクシー料金の支払いに1万円札を利用すると,まず間違いなく運転手に拒否されるか,拒否されない場合でも嫌味の一つを言われるのが普通です。コンビニやスーパーの場合には,少額の買物で1万円札を出しても,店員にイヤな顔をされることはないわけで,タクシー業界というのはいつになってもサービス精神に欠けている運転手が多いと言えるんではないでしょうか。

 また,飲み会などで割り勘するような場合も,千円札を多く持っていた方が何かと便利。たとえば「一人6,000円」なんていう割り勘の場合,1万円札しか持っていない人が多いとちょっと混乱します。こういう時には千円札6枚を差し出すと喜ばれますよ。

 ということで,僕はなるべく紙幣は1万円札でなく千円札で持つように心がけていますが,銀行ATMなどで現金を引き出した場合は,無条件で1万円札が出てきます。僕としては,たとえば5万円を引き出す場合,すべて千円札で50枚欲しいぐらいの勢いなんですが,1万円札5枚が出てくるのが当たり前になっているATMというのは許せません。引き出し時に紙幣の種別を指定できるATMがあってもいいのにと思います。

 もちろん引き出し後に両替すればいいわけですが,銀行の両替機は午後3時までだったり,最近は両替手数料が取られる話があったり(これは小銭だけ?)するので,たとえば5万円を引き出したい場合には,僕はわざと引き出し額を「4万9千円」にするなどして,千円札を増やすようにしています。

 また,高額紙幣が使える自販機(券売機など)がある場合には,少額の支払いでたとえ小銭を持っていても,必ず1万円札を利用して,手持ちの1万円札を早めにくずしておくような工夫をしています。少額の支払いで1万円札を利用しても一切文句を言わない自販機というのは,ありがたいものです。

 そして,手に入れた紙幣は,なるべくキレイな順に並べて財布に入れ,折り目の激しく付いた古い紙幣から順に使用するようにしています。これは,汚い紙幣をなるべく持ちたくないという理由以外に,自販機利用時に古い紙幣は認識しない可能性があるので,なるべくキレイな紙幣を手許に残しておきたいという理由からです。ちょっと神経質すぎるかも知れませんね。

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2008年12月19日 (金)

東宝の特撮映画

 前回はゴジラ映画について書きましたが,僕の映画の原体験というのは,ゴジラだけでなく,かの円谷英二氏が特技監督をやっていた時代の東宝の特撮映画といえます。ゴジラ映画を取り上げたついでなので,数多くの東宝特撮映画の中から僕のお気に入りの4本を紹介します。

1.空の大怪獣 ラドン(1956年公開)
  監督:本多猪四郎
  出演:佐原健二,平田昭彦,田島義文,松尾文人 ほか

 九州の阿蘇山の炭坑内で謎の殺人事件が発生するというミステリアスな展開で映画は始まります。この事件を調査していた炭坑技師が坑内の落盤に埋もれてしまい,地中に生息していた巨大な鳥「ラドン」と遭遇。やがてラドンは地上に現われて大暴れするというストーリーです。

 この映画を初めて見たのはテレビ放映(もちろんモノクロ)でしたが,それでもラドンの巨大さには圧倒されました。今見てもこの映画のカラー画像は美しく,当時としては非常に良くできた特撮映画。一連の東宝特撮映画の中では最高傑作だと今でも思っています。一見の価値あり。

2.妖星ゴラス(1962年公開)
  監督:本多猪四郎
  出演:池部良,上原謙,志村喬,坂下文夫 ほか

 地球の6,000倍もの質量を持つ恒星「ゴラス」が発見され,その軌道は地球を目指しており,地球と衝突することが判明。このため,南極に巨大な噴射口を建設し,地球自身をロケットのようにして動かし,地球の軌道を変えてしまうという壮大なスペクタクルです。

 この星は巨大で不気味すぎます。怪獣も宇宙人も出てこない「星」という物体だけで恐怖感を現わした点は秀逸です。他の安直な怪獣映画とは一線を画した,印象に残るSF映画でした。

3.マタンゴ(1963年公開)
  監督:本多猪四郎
  出演:久保明,土屋嘉男,小泉博,水野久美 ほか

 7人の男女を乗せたヨットが嵐に遭遇して無人島に漂着。やがて食料が少なくなり,その島に群生していたキノコを食用にする者が出始め,そのキノコを食べた者は徐々にキノコ人間「マタンゴ」へ変身していくというストーリー。

 はるか昔に見た映画ですが,今でも鮮明に記憶に残っているほど,子どもにとっては不気味で怖い映画でした。僕が子どもの頃に見た東宝特撮映画の中では一番怖い映画だったと思います。

 食料がなくなって極限状態になった人間がどうなっていくのかというのは興味深いテーマですが,これを不気味なキノコで表現したアイデアは見事です。

4.緯度0大作戦(1969年公開)
  監督:本多猪四郎
  出演:ジョセフ・コットン,宝田明,岡田真澄 ほか

 海底油田の調査隊が遭難し,謎の潜水艦アルファー号に救助され,連れていかれた場所は「緯度0,経度180」にある海底都市。そして,誘拐された博士親子を救うために,この海底都市の仇敵と戦うという物語。

 作品としての完成度はイマイチでしたが,強烈だったのは,野獣に人間の脳を移植し,人間が野獣をコントロールしようという恐ろしいシーン。子どもの時に見たこのシーンが強烈に印象に残った映画でした。

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2008年12月17日 (水)

初代ゴジラ

 CSの「日本映画専門チャンネル」で,ゴジラ映画が10月から順次ハイビジョン放映されています。僕の少年時代は,自宅から徒歩1分の場所に名画座があり,僕はこの映画館でゴジラ映画を見て育ちました。ゴジラシリーズは僕にとって映画の原体験とも言える作品です。子どもにとって,町のミニチュアを破壊するゴジラって,めっちゃ気持ちよさそうで,ゴジラがすごく羨ましかったものです。ゴジラのぬいぐるみを着て町のミニチュアを破壊するのが,当時の僕の夢でした。

 ということで,まずは1954年から1975年にかけて公開された初代の全15作品をCSで見直しました。といっても,この15作品のうち半分以上は今回初めて見た作品ですが。

 全作品を通して見てみると,年とともに作品の質があまりにも激しく変化してきたことに驚かされます。第1作の「ゴジラ」をはじめ,初期の作品は大人が見ても十分耐えられる良質の作品でしたが,後期の作品は対象年齢の低下とともに作品の質が大きく低下しているのが歴然です。作品の質的低下は,リアルタイムで見た子どもの時にも感じていました。制作コストが下げられていったのだと思いますが,子どもの目にも「子供だまし」とわかるようなレベル低下をなんで大人が許していったのか,まったく不思議なものです。

 また,初期作品のゴジラは動きが鈍くて荘厳に見えましたが,後期作品のゴジラはぬいぐるみの素材が進化して動きが柔らかくなった分,明らかに人が入っているのがわかるような軽快な動きになり,ウルトラマン化していったのがよくわかります。

 自分用の覚え書きも兼ねて,全作品のリストと簡単な感想を記しておきます。なお,映画に点数をつけるのはあまり好きではありませんが,作品レベルの比較のため,独断と偏見であえて各作品に点数をつけてみました(10点満点で)。【以下ネタバレあり】

1.ゴジラ(1954年公開)=8点
  監督:本多猪四郎
  出演:志村喬,河内桃子,宝田明,平田昭彦 ほか

 ゴジラシリーズの記念すべき第1回作品で,海底で生きていたゴジラが水爆実験で住処を追い出されたという設定です。水爆実験への警鐘というマジメなテーマで作られた映画といえます。

 ゴジラが走行中の列車を襲撃するのはアメリカ映画「キングコング」でもおなじみのシーンですが,なかなかリアルで怖いです。画面が全体的に暗いのが不気味だし,肝心のゴジラがなかなか出てこない「じらし感」もよくできています。

 何よりも,しっかりした俳優陣が起用されており,普通の大人用映画の作り方の延長でゴジラ映画を作ったという点に好感が持てます。

2.ゴジラの逆襲(1955年公開)=7点
  監督:小田基義
  出演:小泉博,若山セツ子,笠間雪雄,千秋実 ほか

 第1作の舞台が東京であったのに対し,この第2作の舞台は大阪。アンギラスという怪獣が現われて大阪城公園などでゴジラと決闘します。この第2作以降,ゴジラの対戦相手に必ず別の怪獣が登場しますが,やはりゴジラ単体の登場ではストーリー展開が苦しかったということなんでしょう。でも,この映画のストーリー性は低く,あまり印象に残らない映画と言えます。

 アンギラスの戦い方は,「噛みつき」などの素朴な動物本能的攻撃である点に好感が持てます。後期の作品に出てくる怪獣は,投げ飛ばすなど技が主体となり,プロレスをやっているみたいで笑えます。

3.キングコング対ゴジラ(1962年公開)=7点
  監督:本多猪四郎
  出演:高島忠夫 ,浜美枝,佐原健二,藤木悠 ほか

 南海の孤島で捕獲されたキングコングがゴジラと対戦。主な対戦場所は富士山です。アメリカ映画のキングコングを拝借して日米対決させたアイデアは面白いですが,日本産のゴジラはこの映画では悪役です。地下鉄丸ノ内線でキングコングが女性を捕獲するシーンはアメリカ映画のパクリで笑えます。

 映画の中で,今は使われなくなった「土人」なんていうことばが平気で使われている点が時代を感じさせます。ちなみに,今のパソコンでは「どじん」と入力しても「土人」には変換されませんね。

4.モスラ対ゴジラ(1964年公開)=8点
  監督:本多猪四郎
  出演:宝田明 ,星由里子,小泉博,ザ・ピーナッツ ほか

 ゴジラシリーズの中で僕が一番好きな作品。この作品だけはほとんどのセリフを覚えるくらい何度も見ていますが,何度見ても飽きません。ゴジラが暴れる舞台は四日市から名古屋近辺。

 台風のシーンから始まって巨大タマゴが出現するというミステリアスな展開にはわくわくします。そして,干拓地からのゴジラ出現シーンも圧巻です。また,この巨大タマゴをめぐって,レジャーランド興業会社がタマゴを買い占めたり地元の実力者が暗躍したりと,ストーリーに必然性があってリアルです。大人が見るに十分耐えられる映画でしょう。

 今回のゴジラの対戦相手はモスラで,モスラがゴジラを退治するストーリーですが,武器をほとんど持たないモスラ(武器と呼べるのは,成虫が羽ばたいたときの強風と,成虫が死ぬ直前の黄色い粉と,幼虫がはき出す糸だけ)がゴジラをやっつけるというのは,やはりちょっと無理があります。

 ところで,ザ・ピーナッツが歌う「モスラ」という意味不明の歌(モスラ~ヤ,モスラ~・・・)は,なかなかの名曲だと思いますが,どこかの現地語で,きちんとした意味があるそうです。ちなみに,僕はこの歌が暗譜で歌えますよ♪

 それにしても,ゴジラを感電死させる作戦が成功しかけていたのに,規定以上に電圧を上げたためにケーブルが焼け切れて失敗してしまうというオマヌケな自衛隊には笑えます。

5.三大怪獣 地球最大の決戦(1964年公開)=5点
  監督:本多猪四郎
  出演:夏木陽介 ,小泉博,星由里子,若林映子 ほか

 金星を滅亡させたとされるキングギドラが地球を襲い,ゴジラ・ラドン・モスラが協力して地球を守るというストーリー。モスラがゴジラとラドンを説得してキングギドラと対決するという貧弱な発想と,モスラの説得に安易に同調してしまう人間的なゴジラとラドンには笑えます。

 この映画では,地球に落ちた隕石らしき物体からキングギドラが誕生するシーンが有名です。このシーンは圧巻で,子どもの時に見た強烈な印象が今でも忘れられません。また,キングギドラが発する電子音のような「ピリリリ」って音が不気味で,なかなか好きです。

 どういうわけか日本語を話すセルシア国の王女の暗殺計画が並行して進むため,ストーリーに厚みがあると言えますが,ゴジラシリーズの中では,この映画がぎりぎり「大人が見るに耐えうる映画」の最後だったような気がします。この映画でゴジラが人間の味方についてしまってから,それ以降のゴジラ映画の作品の質が著しく低下していったのは皮肉なことです。

6.怪獣大戦争(1965年公開)=4点
  監督:本多猪四郎
  出演:宝田明,ニック・アダムス,田崎潤,沢井桂子 ほか

 木星に13番目の衛星「X星」が発見されたが,X星人はキングギドラの脅威にさらされており,X星人はキングギドラ撃退のために「ガン特効薬」と引換えに地球からゴジラとラドンを借りたいと申し出。ところが,X星人はキングギドラを含めた三体の怪獣を使って地球征服に乗り出すというストーリー。

 このX星人は,怪獣を自由に操ることができたり,当時は不治の病とされていたガン特効薬を発明するなど,地球人よりも遙かに進んだ技術力を持っているようです。だったら,こんな回りくどいことをしなくても,もっと簡単に地球を征服できると思うし,そもそもキングギドラぐらい簡単に退治できたのでは? と突っ込みたくなりました。

 この映画ではゴジラの「シェー」のシーンが有名だったそうですが,手の長さが足りなくて全然「シェー」になってなかった。ゴジラにそんなことさせるなよって!

7.ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘(1966年公開)=5点
  監督:福田純
  出演:宝田明,渡辺徹,伊吹徹,水野久美 ほか

 四人の男を乗せたヨットが漂流し,南海の孤島に漂着。そこは核兵器の秘密基地になっていて,この島で眠っていたゴジラが目覚めて秘密基地を破壊するというストーリー。今回のゴジラの相手はエビラという巨大な伊勢エビ。成虫になったモスラは,この秘密基地に捕えられていたインファント島の島民を救出するために登場し,ゴジラとはほとんど戦いません。

 これまで日本に実在する有名な建造物を数多く破壊してきたゴジラですが,この作品以降は,そういうシーンが少なくなり,ちょっと寂しくなりました。

8.怪獣島の決戦 ゴジラの息子(1967年公開)=3点
  監督:福田純
  出演:高島忠夫,久保明 ,前田美波里,平田昭彦 ほか

 「ミニラ」ことゴジラの息子が誕生し,親ゴジラがミニラを鍛えていくという物語。この作品以降,ゴジラシリーズは完全に「小さいお子さま向け」の映画になってしまいました。ゴジラの顔も,この作品あたりからひょうきんなヘンな顔に変わってしまい,全然怖くありません。

9.怪獣総進撃(1968年公開)=3点
  監督:本多猪四郎
  出演:久保明,田崎潤,アンドリュウ・ヒューズ,小林夕岐子 ほか

 地球を狙うキラアク星人がキングギドラをあやつり,ゴジラなどの怪獣がキングギドラと戦うために日本に集結。過去に登場した怪獣11匹が勢揃いするという作品。

 この作品は未来社会が舞台になり,ストーリーは急にSF化しています。リアル社会を舞台にするにはゴジラシリーズもネタ切れになってきたということでしょうか。

 あのSF映画の傑作「2001年宇宙の旅」が作られたのが1968年。それ以降に作られた日本映画がこれ。レベルの違いすぎに唖然とします。まあ,制作費が格段に違うので,しかたないですが。

10.ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃(1969年公開)=3点
  監督:本多猪四郎
  出演:矢崎知紀,佐原健二,中真知子,天本英世 ほか

 すべてが夢の中の出来事という設定。子どもが主役になった,ただの子ども向けドラマです。

 それにしても,初期作品が一流俳優を起用していたのに対し,このあたりからだんだん無名俳優が主役に。いかに制作費をかけていないかがわかります。

11.ゴジラ対ヘドラ(1971年公開)=2点
  監督:坂野義光
  出演:山内明,木村俊恵,川瀬裕之,柴本俊夫 ほか

 ヘドロの海から生まれた怪獣「ヘドラ」がゴジラの対戦相手。公害が社会問題となっていた時代を反映した作品ということなんでしょうか。ゴジラが火を噴きながら,その噴射力で空を飛ぶシーンには笑えます。空を飛ぶなんてありえないし,ゴジラに似合わないです。

12.地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン(1972年公開)=2点
  監督:福田純
  出演:石川博,高島稔,梅田智子,村井国夫 ほか

 地球制服をたくらむ異星人が宇宙怪獣ガイガンとキングギドラを地球に呼び寄せ,ゴジラとアンギラスが地球を救うために戦うというストーリー。

 ストーリーはますます貧弱になっています。ゴジラが「おいアンギラス」みたいなセリフをマンガの「吹き出し」で言うのには笑えます。それにしても,お腹に電動のこぎりを持ったガイガンという宇宙怪獣は,動物らしさがなくてキモイです。完全にウルトラマンの世界。

13.ゴジラ対メガロ(1973年公開)=3点
  監督:福田純
  出演:佐々木勝彦,川瀬裕之,林ゆたか,ロバート・ダンファム ほか

 人類の核実験に脅威を感じた海底人が宇宙怪獣ガイガンを呼び寄せ,人造ロボットとゴジラがこれに応戦して地球を守るというストーリー。

 ダムが決壊するシーンはなかなかのもので,セットの破壊シーンも多く,前の2作品よりは多少制作費をかけているように感じました。それにしても,怪獣どうしの殴り合いは,プロレスのようで相変わらず笑えます。

14.ゴジラ対メカゴジラ(1974年公開)=3点
  監督:福田純
  出演:大門正明,青山一也,田島令子,平田昭彦 ほか

 地球侵略を企む宇宙人が造ったメカゴジラとゴジラが戦います。ゴジラシリーズでおなじみの平田昭彦さんが再登場。ストーリーも多少厚みが出て持ち直した感があります。ゴジラの目が少し大きくなって可愛く(?)なったような。

15.メカゴジラの逆襲(1975年公開)=3点
  監督:本多猪四郎
  出演:平田昭彦,藍とも子,内田勝正,佐々木勝彦

 初代ゴジラシリーズの最終作品。ブラックホール第三惑星人がメカゴジラをよみがえらせてゴジラと対戦します。といっても,メカゴジラは最後の方にちょっと出るだけで,タツノオトシゴのようなチタノザウルスの方がメインです。タイトルは「ゴジラ対チタノザウルス」の方が適切かも。

 ということで,全15作品を見ましたが,後期の作品ははっきり言って見るのが苦痛でした。これはもう二度と見ないでしょう。でもまた,1984年以降に制作された第2期の復活ゴジラシリーズも引き続きCSで放映中。やっぱり見ずにはいられません。

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2008年12月14日 (日)

労働組合は必要?

 減産を理由に今月26日付での解雇を通告されたいすゞ自動車栃木工場の非正規従業員が労組を結成し,解雇予告の無効などを求める仮処分を宇都宮地裁に申し立てたとか。労働者が自発的に団結して経営者側と戦うという,さながら現代版「蟹工船」とも言える展開ですが,この訴えに対して裁判所がどのような判断を下すのか興味あるところです。

 某革新政党は「労働者の社会的反撃が始まった。我が党は労働者が反撃に立ち上がる流れに強く連帯して闘いを展開していきたい」などと,ずいぶん張り切ったコメントを出しています。雇用情勢悪化のおかげで「やっと自分たちの出番が来た!」ってところでしょうか。

 それにしても,解雇を通告されてから初めて労組結成というのは,いくらなんでも遅すぎ。今まで何してたん? と感じる人も多いでしょうね。これまでは雇用確保や待遇面で何も不満がなかったため,労組を結成して経営者と交渉する必要なんかなかったということでしょうか。

 かつて資本家と労働者が対立していた時代があったものの,経済成長と好景気を背景に,労働者の待遇が改善され,大企業を中心に労働組合は徐々に「形だけ」の存在に変わっていったといえます。その結果,多くの大企業の労組は「御用組合」と呼ばれるようになり,「組合の幹部になると出世する」みたいな関係が構築されて,労組はさらに「骨抜き」にされてきたようです。そして,出来レースなのに「形だけ」の賃上げ交渉をいくら労使間でやっても,多くの組合員はそれを感じ取り,労組の存在意義を認めなくなっていったのだと思います。

 今回のいすゞ自動車のケースは非正規従業員が対象ですが,このような事例によって,「解雇通告でも出ない限りは労組なんて必要ない」というのが多くの労働者のホンネだということが,図らずもわかったといえるのではないでしょうか。

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2008年12月11日 (木)

ガソリンの値段

 5日ほど前のニュースですが,レギュラーガソリンの平均価格が11月25日時点で1リットルあたり140.5円と全国最高値だった高知県内で,安売り競争がスタート。12月1日には平均127.9円と大幅に下がり,高知市やその周辺ではさらに下がり続け,12月5日には97円で販売するところも出始め,レギュラーより安いはずの軽油価格と逆転している店まであるとか。

 たった10日ほどで一気に40円以上も下がるとは驚きです。高知県の場合,秋口は180円ぐらいだったそうなので,その時と比べると半額に迫る勢いです。こうなったのは,高知市内に2店舗を持つある業者が1店舗を改装し,新装開店後の大幅な安売りを開始したのがきっかけらしいです。

 レギュラー90円台というのは「売れば売るほど赤字」という,ありえない価格らしいですが,外野から見れば,ほんとバカげた競争をするものだと思います。石油に限らず,価格競争で客の奪い合いをすると,こうなってしまうんでしょうか。

 ガソリンの小売価格というのは全国バラバラで,地域によってかなりの差があると昔からよく言われています。ちなみにわが茨城県は全国平均よりも安い地域らしいです。でも,そもそも,なんで地域によって石油小売価格に大きな価格差が生じるのか,はっきりわかりません。不思議なものです。

 自動車の販売価格の場合にも地域差があって,自動車の生産工場が近い地域は輸送コストが低くて済むので安くなるという話を聞いたことがあります。これと同じように,石油の場合も工場(精油所)が近いと安くなるのかなと,これまでは漠然と思っていました。あるいは,アラブなどの産油国に近い西日本ほど安くなるとか?(まさかね)

 ところが,この高知県のニュースを見る限り,なんのことはない,石油の小売価格というのは,輸送コストがどうとかいう問題ではなく,結局は周辺の小売業者との競争有無によってのみ決まってしまうということだったんですね。消費者にとっては安ければ安いほどありがたいものですが,逆に競争のない地域では,消費者は高値で買わされるということ。こんな原理で小売価格が決まってしまうというのは何だか理不尽で,腹立たしいものです。

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2008年12月10日 (水)

国保法改正案可決

 保護者が国民健康保険(国保)の保険料を滞納して「無保険」状態になった子どもを救済するための国保法改正案が,衆院厚生労働委員会で全会一致で可決。これにより,保険料滞納世帯であっても,中学生以下の子どもには6ヶ月の短期保険証が交付されるようになる見通しとか。

 現在,中学生以下の子どもの33,000人が無保険状態になっていると言われており,これらの子どもを救済したいという趣旨はわかりますが,企業の健康保険加入者の立場としては,なんとなくすっきりしない法改正です。

 映画「シッコ」でも広く知られたように,医療保険制度の後進国と言われるアメリカでは,公的な医療保険制度そのものがなく,医療保険は民間保険会社に頼っており,治療中の人や既往症のある人は保険への加入が困難で,たとえ加入できても保険金支払いが拒否されるケースが多いというのは有名な話です。

 そんな国と比べると,保険料さえ払えば誰でも公的な医療保険制度に加入できるというのは本当にありがたい制度だと思います。でも,医療費支払いのリスクと納付すべき保険料とのバランスを考えて,加入したくない人には加入しない権利があってもいいのではないでしょうか。保険料を支払いたくなければ支払わなくてすむ国保に対して,サラリーマンが加入する健保の場合は,保険料が強制的に給与から天引きされて「非加入」という選択ができません。

 もちろん,国保の保険料を滞納している人は経済的理由によるケースが大半でしょう。でも,サラリーマンの場合は,たとえ経済的に苦しくて健康保険料よりも食費に回したいと考えても,強制的に保険料を天引きされてしまうということであり,どう考えても理不尽です。現に国保の保険料滞納者が相当数いるということは,健保でも払えない(払いたくない)人が潜在的に多数いるといえるでしょう。このあたりは,実質的に任意加入である国民年金と,絶対に非加入が選べない厚生年金とを比べた場合の不公平感に通じるものがあります。

 ということで,僕としては,公的年金だけでなく国保・健保に関しても,「誰でも加入できるが加入は任意」という制度へぜひ改革して欲しいものです。また,国保・健保の場合には,家族単位での一律の加入・非加入ではなく,家族の一部だけ(たとえば子どもだけとか)の加入を認めるような制度であってもいいような気がします。

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2008年12月 9日 (火)

ノーベル賞記念講演

 ノーベル賞の授賞式をひかえ,受賞者がストックホルム大で恒例の記念講演を実施。受賞者のうち,英語嫌いの益川教授の講演は日本語で実施したそうですが,これまでの記念講演は大半が英語で行われていたため,母国語での講演は異例で,日本人では文学賞受賞の川端康成氏以来とか。

 益川教授は,冒頭で "I am sorry. I can't speak English." と英語で話して会場の聴衆を笑わせたらしいですが,いっそのこと,日本人にしか通じない「謝らない麻生sorry」みたいな英語ギャグを飛ばして欲しかったところです。

 メディアは,益川教授が記念講演を日本語で実施したことをやたらと話題にしていますが,「別にいいじゃん! 日本人が日本語で話して何が悪いねん!」って思います。英語が苦手な僕としては,英語使用に反発する教授にはとても親近感を覚えます。

 でも,やっぱり英語が話せて理解できる人が僕は羨ましいです。いずれは安価な自動通訳機が普及する時代が来るとは思いますが,待ち遠しい限りです。

 それはともかく,英語が不得意なため日本語で実施したという割には,益川教授の日本語の講演はたどたどしくて原稿の丸読みだったのには笑えました。

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2008年12月 8日 (月)

給食費に連帯保証人

 給食費滞納への対策として,熊本県益城町は給食費の納付に「連帯保証人」を設ける徴収方式を導入する予定とか。対象は給食費免除世帯を除く町立小中学校の児童・生徒の保護者で,事前に連帯保証人とその連絡先を提出してもらい,5ヶ月続けて滞納したら保護者に「保証人あてに督促状を出す」と通知し,それでも納めなければ保証人に支払いを促してもらい,さらに滞納が続けば保証人に立て替えを求めるとか。

 借金でおなじみの連帯保証人制度というのは,保証人が債務者(借りた本人)と全く同じ義務を負い,借りた本人が返済を拒否した場合や本人の返済状況次第では,いきなり連帯保証人に返済を求められることもあるという,非常に理不尽な制度です。このため,連帯保証人制度に対しては,人権上の問題から見直しの意見が根強く,欧米などではそもそも存在しない制度とも言われています。

 借金をするような場合,実の親子のように,よほどの血縁関係でもない限りは,連帯保証人を引き受けるのは困難でしょう。言い換えれば,親子以外の親族や他人に連帯保証を頼むのは非常識ともいえるでしょう。僕の場合も,マイホームなどのローン借り入れ時は,他人はもちろん年金生活者の親に連帯保証人を頼むわけにもいかず,結局は機関保証を利用することになりました。

 このように,別生計の人に連帯保証人を依頼するというのは現実的に極めて困難であるにもかかわらず,たかが給食費ごときで連帯保証人の提出を求めるなんて,あまりにも安易でバカげていると思います。正当な理由がないのに給食費を滞納する人に対しては(何が「正当な理由」かはともかく),給食を止めるなり,法的措置(差し押さえとか?)で給食費を徴収するなりすればいいのにと思います。

 もちろん,経済的理由で給食費を支払えない人に対する免除制度とか,義務教育における給食費は全員無償にすべきとか,そもそも給食制度自体が必要なのかとか,そういった議論はそれはそれでやればいいと思います。

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2008年12月 3日 (水)

選考方法に疑問

 来年5月に始まる裁判員制度に向けて,全国で候補者となった約29万5,000人に最高裁から通知が発送されたとか。職業上の制約などで裁判員になれない人や辞退が認められた人を除く候補者から,事件ごとに数十人がくじで選ばれ,来年5月以降に改めて通知を受けることになるらしいです。

 通知が来たという人のいろんな感想や戸惑いなどがさっそく報道されていました。たとえば神奈川県在住の男性(65歳)の場合,「家に通知が届いたが,通知を受けたのは福祉施設に入所する義母(87歳)で,認知症があり,耳もほとんど聞こえない。自分は裁判員をやってみたかったし,33歳の息子もやりたがっていたが,『辞退』と回答するしかない。もったいない」なんていう,笑えない事例もあったそうです(asahi.comより)。

 「選ばれた」という事実をマスコミにペラペラ話していいものなのかよくわかりませんが,それにしても,87歳の認知症の人が選ばれるなど,年令制限(上限)がないというのには驚きました。

 それはともかく,辞退が認められる場合と認められない場合の判断基準がけっこう不明朗です。報道によると,各地の模擬選任で辞退が認められた例は,以下のようなケース。
(1)大学で大事な授業を教える必要がある
(2)客に車を納車しなければならない
(3)漁に出なければいけない
(4)従業員に人事制度改定の説明をできる人がほかにいない
(5)経営している八百屋の特売日である
(6)直前に迫った結婚式の打ち合わせがある
(7)ママさんバレーのエース選手で,重要な大会が裁判日と重なる

 逆に,認められなかった例は以下のケース。
(1)仕事が忙しい
(2)社内会議の予定を変更できない
(3)他の人に仕事をまかせたが,やはり不安
(4)仕事のノルマ達成が厳しい
(5)専門学校で授業を教えなければいけない
(6)学校の運動会の打ち合わせが裁判日と重なる
(7)語学留学の準備で多忙

 認められるケースと認められないケースで,いったい何がどう違うねん? と思います。判断基準がよくわかりませんが,それよりも何よりも,「やりたくない人になんで無理やりやらせるのか?」「そもそも,司法の素人がなんで裁判に参加しなければならない